感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

The Human Voice『声』(仏題だとLa Voix humaineなのかな?)

2020/11/06
東京芸術劇場 Playhouse
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『ローマ悲劇』が中止になって死にかけてたけど、
映像でイヴォ・ヴァン・ホーヴェのやつやるの?!
最高じゃん٩*(゚∀。)وヒャッハアアアァァァァァアア!!!!

ってなってたってのもあるけど
最近授業時間守らない先生に鍛えられて
寝不足で観ました。これぞホントの悲劇だね。

オペラとかにもなってる作品らしいです。
知らんかった。どうなるんだろ?
女性の一人芝居だから...てことは独唱ですかね??
何それかっこいい観てみたい。

(調べてみたら『人間の声』ってやつらしい。
ソプラノ1人だからモノオペラって言うらしい。
知識が増えたよ!やったね!)

そして恋愛モノだったね。
これは考えるのが苦手な分野ですね。
そして寝たよね。ちょっとね。ちょっとだけね!
ぜったい先生のせいだよね(酷すぎる責任転嫁)

ちなみに映像が始まった時すぐの感想はこれです。

"なんでガラスの中に入ってるんだ...?"

いやまじで、いわゆる「第四の壁」って言う部分に、
めっちゃでっかいガラスがハマってて、
•́ω•̀)??????ってなりました。

後から分かるんだけどなんか、
アパートとかマンションとかの窓っぽい?

その中で別れた恋人への未練満載の女の人が
電話かけたり、かけなかったり
まともそうに喋ってるけど
実はやばくて全然まともじゃなかったり、
そういうのをなんか覗き見してる感じでした。

そういう意味では、映像だったこともあって。
演劇観てるってよりは映画っぽかったかも?です。
舞台から観客席をみる、みたいな
そういう構図のショットも入っていたので...。

でもでもでもですよ!(うるさい)


「あなたと唯一つながる方法が電話だから」

とか

「わたし、あなたがみえるのよ」

(セリフはオランダ語なので手も足も出ない。
多分こんな感じだった気もする...)

とかとか、こういうセリフを、
窓に近づいて観客席に向かって喋るので、
しかも、女性の一人芝居で、電話の相手の声は
一切聞こえずに想像するしかないので、
そんななかで俳優さんにこっちをみながら、
「あなた」なんて言われるとちょっと
なんか凄いですよね。\( ゚д゚)/!!って感じ。

(もちろん「あなた」は別れた恋人なんですが)

ガラス越しで全然関係ないと思って見てたら、

"あれ、もしかして見てるのバレてる?"
"「あなた」って、自分のことだったっけ??"

みたいな。しかも当時の電話って
なんだか混線しやすいみたいで、

「いろんな人がこの番号にかけてくるの」

って最初に言ってたから余計そんな感じがしました。

それにしてもコロナウイルスのせいで、
全然帰省とか出来てなくて
メンタルにだいぶキてるので

「電話を切ることは酸素チューブを切ることよ」

っていうのは割と、分かるうう!!ってなった笑

...ええもちろん来る日も来る日も
実家に電話してますがそれがなにか?(逆ギレ)
LINEの無料通話には感謝してもしきれない。
I CAN'T THANK YOU ENOUGH!!!

あ、でもなんか、

「だからもうやっていけないとかんじたの。
生きていけない、1人で死ぬ勇気もない」

って言ってたのに最後の最後自殺しちゃったので、
うーん、恋心、謎...ってなりました。
まあ自殺って衝動的ってよく言うしなあ...。
実際はよくわかんないですけど。

(死にたいと感じることが
まあ人並みにないわけではなかったけど
そもそも死ぬのすらめんどくさくなるタイプです)

でもなんか、その場面は綺麗だったです。
女の人が青いサテンのドレスに着替えてきて、
心配してきた元恋人の電話を切って、
窓辺(観客席側)に段々と近づいてくるんですが、
客席が暗くて舞台が明るいので、逆光で
徐々に真っ黒のシルエットになっていくんです。
風に裾がぶあーーってなるので、
なんか高いところなんだろうな、って
何となく思った瞬間、
女のシルエットが両手を広げ、暗転。

これは惚れるわかっこいい。
よく見るといえば見るようなラストだけど、
窓辺に近づく、つまり自殺しようと、
死ぬことに近づいていく時に、
段々とシルエットになるのがかっこいい。

なんだろう、友達から話を聞いてたと思ったら、
突然、"あとは新聞を読んでね!"って
突き放されちゃったみたいな感じ?
何にもできないこととか、
生きてる個人が影みたいになっちゃったこととか、
色々ぼんやり考えてました。
ぼんやりですけど。寝不足なんで。

いやほんとに眠かった...。頑張った...。

いやでもほんとに、これは作品のせいでもあるよ!
だって電話の片方の声しか聞こえないし
(話が全体的に断片的になってる。
間違い電話とか交換手のせいもあるかな?)
しかも時折爆音のポップスが流れるけど
その後ろでずっと泣きそうなピアノの音がするし!

全体的に浮上したり沈んだりが激しい感じ
の印象を受けたので、これは私のせいじゃない!
(あくまで責任転嫁をがんばるスタイル)

てか、今考えると、あの爆音のポップスは
彼女の元恋人に対する空元気を表現してて、
泣きそうなピアノがその後ろにある
未練タラタラの辛すぎる気持ちとかだったのかな?

そう考えるとやっぱ演出かっけえ...。
イヴォさん(略すな)カッコイイのは知ってるけど
やっぱカッコイイな...。
『橋からの眺め』『声』しかまだ観てないけど、
シンプル・イズ・ベストな感じが
割と好みにあってる気がする...。

というわけで何とか書ききりました感想。
今日は『オープニング・ナイト』行ってくるよ!

野田秀樹の『真夏の夜の夢』

2020/10/31
東京芸術劇場 Playhouse
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この前ニコラス・ハイトナー演出の最高すぎる
NTLiveの『夏の夜の夢』を観たので、
monsa-sm.hatenablog.com

まあそんなに期待しないで、鈴木杏さんを見に行こう
みたいな感じで行ったら、割と最高だったです(日本語)

全体的にフランスのキャバレーみたいな
ギラギラした電気的な妖しさが全開の舞台で、
とにかく照明、衣裳、装置、配置、動きの
どこをとってもきれいとしか言いようのない感じでした。
つまるところ演出が最高!
頑張って入国してくれてこんな舞台やってくれて
もはや感謝しかないです。完全に五体投地案件。

それにしてもNiziUの『Make you happy』を
余興相談のところで踊ったりとか、
演出家決めのところで蜷川さんをいじるのとかがあって、
(確かに灰皿投げてるけど笑)

こういうの取り入れるなんて外国の方なのに
凄いというかなんというかめっちゃ面白かったです。

あ、結局演出家になったのは
割り当てる役がそもそもないメフィストフェレス
だったんですけど、なんか、彼のメイクが
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こんな感じでして。私の記憶違いじゃなければ、
確かこの映画の役ってキャバレーの司会みたいなあれなんですよね。
だから劇中劇だけの演出家というよりかは、
キャバレーじみた『真夏の夜の夢』全部を
パックの立場ぶんどってメフィストフェレスが演出、
みたいな感じでかなり重層的な感じでした。

パックにしたって

「お前に(演出みたいなことを)頼むなんて
人間ってなんて馬鹿なんだろう!」

とあの有名な台詞(Lord, what fools these mortals be!
で喋ってたし。うん。

「飲み込んでしまったコトバ」が悪魔を誘い出して
メフィストフェレスに人生の演出をされてしまう、
ってよくよく考えると怖いというかなんというか…。

てかそのメフィストフェレスが演出してるから
ワルプルギスの夜みたいなギラギラ妖しい感じなのかもね。

森に歩いていこうとする登場人物たちをせせら笑いながら

「富士の山をここによびつければいいものを!」

ってメフィストフェレスが舞台前方で叫んだりするとことかで、
後ろのスクリーンにバカバカしいぐらい
どぎつい富士の映像がぐわわわわって流れてきたりとか。

そぼろ、デミ、ライ、ときたまごが混乱の極みの時

(原作だと、ハーミアとヘレナのののしり合いがあるとこ?
「背は小さくても目に手は届くわよ」のあのあたり。)

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(あれ、なんか暗いな画像…天気かな)

こんな感じで台に乗って上手から
象形文字じみた感じで四人が入ってくるんですが
メフィストフェレスの指揮者みたいな合図に従って
動いたり止まったり喋ったり…とか。うわあ面白い。

(ときたまごに向かって人物の高さが
放物線的になっていたのもめっちゃ綺麗。
考えてみればこういう二次元的なポーズ…
なんだろうバレエの『牧神の午後』とか?
そういうの思い出すようなのちらちらあった気がします。
そういえばそぼろの入退場時の走り方も
ポーンポーンとバレエ的に飛んでたような…。
オペラの『ファウスト』だとワルプルギスの夜らへんで、
たしかバレエが入ってたはずだけど、偶然かな…。)

その後に続く決闘シーンとかでも
メフィストフェレスの身体の動きと
全く同じく動くデミとライ。操られてるみたいでした。

個人的にメフィストフェレスが演出してる!!っていうのが
あからさまに分かるようなのっていったら、
まあこんなとこかなあ…。
なんかもう少しあったような気もするけど、
余りに新鮮で面白くて手元のメモがおろそかに笑。
あるあるだよね。うん。

でも最後もなんか
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タイテーニアとオーベロンが取り合っていた子供…
が中にいるはずのベビーカーを
メフィストフェレスがちょっとしょんぼりしながら
回収してハケていくので、最初っから
いろいろ彼が仕組んでいたのかな、って感じがしました。

下手に散らばっているカードは「飲み込んだコトバ」らしいです。
この後衝立が動いて、一気に最後の披露宴モード。
動線も装置も転換も文句なしに美しすぎて…
…やばい…尊い…語彙力が来い…。

もうとにかく全部ほんとにきれいなんですよね…。
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ビニールのキャバレーみたいな森とか。衣裳とか。
溜息しかでないやばいテンション上がる。
ビニールってちょっときれいだしアングラ臭もするしで
個人的に好きな素材です。ド素人の好みだけど笑。

でもこういうギラギラした演出、よく観るけど
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー
『夏の夜の夢』映画(1996?)思い出すなあ…。
(授業でチラ見だけしました)

スクリーンいっぱいのクラクラするような光の粒とかもあって
とにかくなんていうか幻惑的っていうか…。きれいで…。

照明とかも下からのライト使って不気味にしたりとか、
舞台を暗くしてスマホのライトだけにしたりとか
(そぼろとかが良くスマホを使ってます笑)
懐中電灯を客席にむけたりとか、ランタン風だったりで
目が実際にくらくらしそうになるし
(もっと小さい劇場ならしてたかも)

しかも舞台の床面が結構リノリウム感あふれる…というか
ちょっと軽いだよね、レベルでつるつるで…

照明とか顕著なんですけど、映りこむんです。
カラフルな衣装の色彩とかもぼんやりと。
やばくない?やばいよね????

"Methinks I see these things with parted eye,
When everything seems double."
(今までのことが別々の目にうつってるみたい。
なにもかもダブってみえちゃって)

っていうハーミアの台詞を体感してるというか…。すご…。

細長い板が左右に移動する瞬間に真ん中で
メフィストフェレスとパックが入れ替わって
場面も直ぐに変わる演出とかも
(映画で言うクロスカッティング的というか)
こうやって考えると「ダブって」いるようで面白いというか。

てかそもそもパックとメフィストフェレスが知り合いの設定は
どう考えてもウケるしかない。ありそうでやばい。
言葉巧みにオーブンに閉じ込められたパックの映像も完璧でした笑。
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映像といえば、すごかったのがもう一つ。
今回の劇中劇って一応不思議の国のアリスなんですけど
アリスと言えば大きくなったり小さくなったり、ですよね。

それが演出にも取り入れられていて、例えば
舞台目いっぱいに大きくなったメフィストフェレス(映像)と
舞台前方にぽつんといる下着姿のそぼろとの対話…
みたいな。めっちゃファンタジーナニコレドキドキ…。
これは文章で伝えるのは絶対不可能です…ええもん観た…。
「みえないものをみせるから芝居なんだ」とか
メフィストフェレス言ってたけどさ…最高じゃん…

(なんで『不思議の国のアリス』かは謎だけど、
ノンセンス文学だしその辺で選んだのかな…。
韻さえ踏んでりゃ意味なんて二の次
って感じは野田秀樹さんの言葉遊び好きと相性よさそう…
勿論シェイクスピアとも、アイデンティティがぼんやりしてる
『夏の夜の夢』とも…?かな。分からん…)

そもそも最初っからしてファンタジックで
ハーメルンの笛吹き男なんかも出てくるし。
靴だけが動いていく演出不思議でした。
(ロープに靴をたくさん括り付けて、そのロープを俳優さんの
足につけてるだけといえばだけなんだけど)

あとは観た方ならわかると思うんですけど
脱ぎっぱなしの靴を使って透明になる演出は面白かったです。

舞台下手に靴を置いておいて、
舞台後方でメフィストフェレスが透明になる、と宣言して
照明及びデミの視線を下手の靴に移して(ワープかな)
靴のところにメフィストフェレスがいるように錯覚誘導…。

完璧か…。そしてゆっくり裸足のメフィストフェレス
後方から歩いてきて靴を履くのがなんかかわいい笑


でも一番かわいいのはそぼろ(鈴木杏さん)です。

「かわいいやつと思ってくれるかもしれない!」

ってデミを追いかけていくのがかわいすぎてやばい。
なんなのこの人何でいつもこんな魅力的なの(キレる)
声が良いよね…声が…まったりして癖によく通る声…。
色で言うなら生成りって感じ…(意味不明)


今回の舞台は最初から割とそぼろさん無双状態でした。はい。

「不思議なことは気の所為ではないよ。木の精なの。」

っていう盲目のバカみたいな恋を肯定するような始まりが、
その恋愛がもつれて辛くなっていくうちに、
(主にメフィストフェレスのせいな気もする)

「その言葉も綺麗事。本当は自分を愛しているのね。」

と(たぶん気づいちゃいけない)深層心理みたいなとこまで
行きかけちゃったりして、

「気を確かに持っているの、気(木)の所為(精)なんかにしたりしない!!」

とか絶叫するとことか鳥肌もんだよ最高。
色恋の情緒に関しては当方経験不足なため、
何となくの解釈しか出来ません。つらみがふかい…。

何となく気の所為(木の精)があった方が
人生面白いんじゃね?だよね??
メフィストフェレスにそれ奪われかけてるから、
気の所為の最たる物語(因果関係)で
奪い返そうぜい、みたいな感じで、
最後は回収されてハピエンな感じ(酷すぎるまとめ)

...こんどちゃんと戯曲読むかあ...。

まあでも誰の台詞か忘れたけど、

「人は人に恋してるのじゃない。
星だの、月だの、太陽だの、ただ石ころで着飾ったコトバに
恋してるだけなのさ」

っていうシェイクスピアの作品に正面切って喧嘩うってるみたいな
素敵すぎる台詞があったので、あながち間違いでもなし?かな。

あとあのヤン・コットとかも

「人物たちが恋愛の相手でしかなくなっていることは、
この残酷な夢(『夏の夜の夢』)の何よりも際立った特徴」
(『シェイクスピアはわれらの同時代人』213pだったはず)

とか書いてるし!!!偉い人も言ってるし!!!(適当)

シェイクスピアに愛ある挑戦状をたたきつけているといえば、
原作中にある神話的な例えとか言葉遊びとかを
全部料理関連の例えとか言葉遊びに置き換えてたのは笑いました。

日本語わりとすごいやんって思ったり。

一番覚えているのは
戯曲読んでないから耳で聞いてただけだけど、

「好き好きだけで嫌いはない。(花占い的な?)
この玉ねぎの芯をみてくれ!これがホントのきゅうこんだ!!」

ってヘレナにライが言ったりとか笑笑笑。

ライ笑笑笑笑この文句はひどい笑笑笑笑笑笑笑笑。
案の定フラれてました。そりゃそうだ。

割烹料理屋に設定を移しているからか
和食版の『キッチン』アーノルド・ウェスカー
みたいな出だしも好きでした。
8拍子ではあるんだけど3・3・2の不思議な
畳み掛けるようなリズム回しの音楽。

あくまでちょっと妖しい感じは残しててすごいです。

モップの犬を操りながら、茶々を入れるメフィストフェレスのせいで
回転しだしそうなドラマ(物語)が
初っ端からずっこけて躓くようなテンポ感も好きでした。
ほぼ額縁舞台とは思えない。すごい。好き。

食事三大欲求満たしまくってるみたいな
結構きわどい雰囲気も相まって興奮する!としか
言い様のない感じで、観に行けて良かった。
シェイクスピアに喧嘩はうってるけれど、
逆にシェイクスピアの原作のリズム感とかが、
上手く日本語に当てはまるとこうなるのかも、なんて
ちょっと思うような舞台でした。

【と言う訳で以下、毎回恒例ではないけど
文中に組み込めなかった感想という名のツッコミ】

・三色菫をまるでドラッグみたいに
ビニールのパウチに入れんなよパック笑。

メフィストフェレス歌うますぎ笑笑。

・ボトムじゃなかった福助の腹芸がすごい笑笑笑
ほんとに腹に描かれた顔が喋ってるみたい笑笑笑笑。
謎に歌舞伎っぽいし笑笑笑笑笑笑笑笑
(とか思ったら人形浄瑠璃みたいに
他の俳優さんたちに操られる森の精たち。)
ジャパンかな?!?!!(貧相すぎる感想)

加藤諒さんの声の使い分けは面白かった。
タイテーニアがパワフルやん。楽しい。

・ずーーーっと歩いているあの妖精はなんなんだ。謎。
たぶん年の精なんだろうけど。

・デミ笑笑お前眠り薬かけられたらすぐ寝ようよ笑笑
復活しすぎでパックもびっくりだよ笑笑。(観た方ならわかるはず)



ちょっと急いで書いたので支離滅裂感なくはないけど、
いつものことなのでまあもういっか、と思ってます。(おい)

次はイヴォ・ヴァン・ホーヴェかな。楽しみやー!!

Swiss Army Man『スイス・アーミー・マン』

2020/10/24
家のTV
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やべえ映画を観た気がします。
地獄でなぜ悪いの衝撃度と並ぶかもよ。マジで。

まともな感想を書くのは多分無理なので笑、
とりあえず最初に思ったことを書きます。

"あ、おならで抒情詩って描けるんだ"

やばいよね、でもほんとこんな感じ...謎だし笑えて泣ける。

ちょっと生きるのに疲れた
ポール・ダノさん演じるハンクが
無人島に流された先で
スイス・アーミー・ナイフ(万能ナイフ)みたいに
何でも"生きるために"便利な機能が着いてる
ちょっと喋れたりする"死体"のマニーに出会って...
みたいな話でした。(どんなだ)
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ダニエル・ラドクリフさんがマジで上手かった。
変な言い方だけどちゃんと死んでた
あと相変わらずお目目がキラキラで素敵かよ。
ただハリポタのイメージのままの子供がみると、
かなりの確率でショックで寝込むと思う
私も公開当時に観たら1週間は引きずったはず笑)

ほぼおっさんに足かけてる2人だけで、
ほぼ全編進行するんだけど、
なんだ、この謎の青春キラキラ感
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あと謎の映像美。
酸素ボンベ代わりに水中でハンクが
マミーとキスするシーンとかも
なんかもうよくこんな綺麗に撮れるなあ、って
感じだったし、そもそもとして
出だしの海の映像がえぐいぐらいの青が素敵で、
最後まで観ざるを得ないやつです。いいぞもっとやれ。

物語で語ってる事としては、
まあよくみるよなって感じなんですけど、
語るための設定と構成が

"どうすればこんなん思いつくんだ頭大丈夫か"

ってレベル(ひどい)

最初の海のシーンで"HELP ME"とか
そういうボトルがプカプカ浮かんでんですけど、
(要はハンクが流したんだろうなあ、てこと)

その海から無人島に、マミーが打ち上げられて、
しかもそのマミーが万能死体という...。
海に流された"HELP ME"を
受け取って駆けつけたみたいにも見えます。

(ちなみに最後、マミーは海に帰ってきます。
おならで。もう意味不明な方は観てください。
もうヒーローが去るみたいにかっこいいよやけくそ)

んでもって生きてるのに死んでるみたいなハンクと、
死んでるのに生きたいみたいなマミーが、
色々交流しながら(マミーは喋れるので)
ハンクが生きる気力、みたいなのを、
若干取り戻したのかな?
ぐらいなもんでした。

しかも劇伴が、ほとんどアカペラ(のみ)の
音楽なので、マミーが喋れるのが、
あと最後に動けたりもするんですけど、
それがほんとに喋って動いてるのか、
それともハンクの頭の中で声とか動き
補填してるのかいまいちぼんやりしたまま
どんどん下ネタ満載で進行してきます...。

一応はマミーは本当に動いていたようだけれど、
それだってもしかしたらハンクの狂気にまきこまれて、
周りの人も幻視しちゃっただけかもしれないし、
偶然が奇跡に見えただけかもしれないし、
つまり、やっぱりよく分からない...。

だから、まあ、やってることとしては、
というか、描かれていることの骨格としては
自分の潜在的に心の中にある生きたい部分とか
そういうのをマミーに投影して、
おしゃべりしたり遊んだりしながら、
自分と折り合いを付けていくって感じのことかな…
とは思ってるんですけど、
とにかく描き方がエログロナンセンスに近い!

大好きですよ!こういうの!!良い映画観たよ!
おかげで録画から消せなくなったよ!残量多くないのに!

ただ絶対万人受けはしなさそうだと思います...。

ハリー・ポッターが屁をこいたり、
勃起したり、"セックスしたい"とか言うのが、
まあなんとかスネイプ先生なみに眉を顰めてでも
耐えられるよ、って方はいけるかも。

あと何といっても死体が動くので、グロ耐性と、
変なストーリーでもついてくよっていう、
ある意味受け身の姿勢が必要かな笑笑笑。

でも個人的には
「変だけど大好きな映画ランキング」
堂々入賞しそうです笑。まじ。
今のところ

地獄でなぜ悪い
『パーティーで女の子に話しかけるには』
スイス・アーミー・マン

の3つですかね...。下2つは洋画なので、
邦画の『地獄でなぜ悪い』とは
また味わいが違うというか
どことなくストーリーとしての浮遊感度というか、
なんかそういうのが強めな気がします。なぜだろう。

もっとこういうの観たいけど、
偶に見つけて観るからいいような気もして複雑。

それにしても『賢者の石』を金ローで流すから、

"よっしゃラドクリフさん関連で
この映画ながすぞ!地上波で!!"

って考えた方とはぜひお友達になりたい。
絶対頭が楽しいことになってる(失礼)

あと全然関係ないけど
今日は舞台のチケットを買わねば。
買えるかな...買えるといいな...。
追記:余裕で買えました。ありがとう世田パブ。