感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

『Hamlet』

2020/04/07
Youtube
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(写真は全て公式Twitter@The_Globeより)



今回は英英辞典一切使ってません。諦めました。
というよりも、もう『Hamlet』に関しては
何回も観たことあるので
いける...!と謎の確信で突き進みました。
ギリギリいけます。大丈夫。
図書館とかで戯曲借りて読んで観れば
今後の配信もこれで何とかなりそう...!
NTLiveの方はこの方法無理なので、こっちで
時間短縮できると大変嬉しいです。
だってどんどんアップされていくから...。
嬉しい悲鳴ですが英語弱者にはちと辛い。
翻訳された本があるって最高。万歳!

それにしても、女性が演じるハムレット
初めて観ました。
女性が演じることがあるのは知っていたけれど。
サラ・ベルナールとかもやってます)
しかも今回は全体的に男女逆転が多いです。
ノルウェーのフォーティンブラスを除いて
若者たちがほぼ(完全に?)男女逆転です。
オフィーリアもこんな感じで
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なかなか観たことない感じ。
じゃじゃ馬ならし』も男女逆転だったなあ...。
観たかったなあ...RSC...(´TωT`)

話、頑張って戻します。
まあ男女逆転に、そこまで突き詰めた
シリアスな意味はないと思うんですが、
あえて見付けるとしたら、
オフィーリアに向かってハムレットが罵る時の
「尼寺へいけ!」という差別的な表現とかの緩和
とかですかね。うーん。
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それともまた全然別に、
"何かが腐っているデンマーク"での混乱を
役の性と役者の性(sexの方、genderでなく)
の不一致で象徴したんでしょうか...。謎。
でもそうやって考えると、最後に秩序を回復する
フォーティンブラスだけが一致していたのも
なんとなく頷けます。
ただ厳密に、それぞれの役の年齢が
わかっている訳では無いので、
これはちょっと考えすぎですかね。
でも、少なくとも男女逆転してるのは
若者だけなので(大人で男女逆転はない)
老いvs若さにもみえなくもないです。
このテーマは『ロミジュリ』にもあります。
あれ次の配信は確か、
『ロミジュリ』だったような...。
もし繋げる意図で並べたのだとしたら凄い。

で、さっきも書いたんですが
女性がやるハムレット初めて観たので
ちょっと最初面食らいました。でも全然あり!
今まで観てきた、男性がやるのと比べても
勝るとも劣らない。
あとは俳優さんと演出の個性の問題ですね。
『Hamlet』のハムレットは特に顕著に出ます。
だから何回観ても全然飽きないです。
これからももっと色んな人でみてみたい。
今回に関しては、ハムレット
道化の格好で出てきたのは笑いました。
確かに!ってなったというか。
"わかる〜道化だよね。そうそう!"
みたいになりました。
特にポローニアスとのやり取りとかは爆笑です。
ただピエロ恐怖症の方だと怖いかも。
ちょっと『IT』っぽい...ようなメイク...?。
蛇足ですが『IT』の殺人鬼ペニーワイズ役の
ビル・スカルスガルドさんは超イケメンですよ。
前、友人と画像検索して爆笑しました。
「逆詐欺じゃん」(by友人)

でも、個人的にいいなぁと思ったのは
今回はクローディアスです!(右から2番目)
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今まで観たどのクローディアスより良い。
ちょっと憎みきれないチャーミングな感じが
滲み出てます。特にお祈りの時とか。
悪くいうなら、リチャード三世やらイアーゴーが
極悪人だとするならば、小悪党感。
あのお祈りの場面で笑いが起きたのは、
おっ!てなりました。
日本とかは、ここであまり笑いが起きたのは
みた事ないんですが、テキスト読む限りは
いやこれ絶対笑うだろ...と思ってたので
実際起きるとこんな感じか、と実感しました。
ちなみに個人的に言うと

"To be or not to be ..."

からのあの一連の流れで
笑いが起きても、おかしくないと思ってます。
まあ『Hamlet』を壮大なマザコン劇だと
思ってるのがダメなんでしょうけれど。
でも、そう思って観るとこの場面、
あくまで個人的にですが、相当情けない笑。
いつか観てみたいです笑。

あと、そのお母さんのガートルード、
最後にお酒を飲む時に
お酒になんか入っていることに
気が付いている風の演出でした。
こうなると息子への愛が一層強調されます。
母は強し。うん。
また、そのあと、その毒酒のはいった杯を、
ハムレットが無理矢理に
クローディアスに飲ませるっていう演出を
よく観るんですが、このクローディアスは
ちょっと自発的に飲んでました。
こういう演出されると、後追い自殺的な意味で
ガートルードのこと本当に愛してたんだな、とか
兄を殺してしまった彼の後悔とか滲む気がして、
ちょっと憎みきれないクローディアス像が
終始一貫して確立されていて面白かったです。

あと面白いと思ったのは
ローゼンクランツとギルデンスターン、
多分ギルデンスターンのほうが喋れない設定
というか恐らく、耳聞こえない設定だったこと。
みたことないパターンの演出でした。
映画『Rosencrantz & Guildenstern Are Dead』
でも、この2人のアイデンティティって
かなり曖昧になっているので
似たような意味合いといえばそうですね。
ガートルードも名前間違えるし。セリフで。
そういうどっちがどっちだか
イマイチよく分からない人たちなので
片方がもう片方の言いたいことを全部喋っても
話がすんなり通るなあと思いました。
手話みたいなのを使ってたのが面白かったです。
ただ正直この演出の意図は不明です。
必要かなあ...これ?って所が本音ですね。

あと、演出に関していえば、休憩の入れ方も、
よくあるパターンとは結構違いました。
大体、イングランドハムレットを送る前後で
休憩に入るんですが、今回は、
ハムレットとガートルードの
クローゼット・シーンの直前でした。
ここにも、確かに時間的に隙間があるので
なるほど!っとなりました笑。

総合的に、どっちかというとこの『Hamlet』
衝撃的に面白い!った感じではないんですが
ちょいちょい新しいなあ、と思うところがあって
勉強になります。ありがとうグローブ座。
コロナウイルスの影響なので
手放しには喜べないところが、痛いですが...。

にしてもグローブ座でのシェイクスピア劇、
本当にセットが何もないです。
『なにもない空間』!(ピーター・ブルック著)
授業で何回か資料映像の空舞台は見てたけれど
これで、ちゃんと演劇が進行できるから、
セット過多の今の演劇見慣れていると
あらためて凄いよなあ、と思います。
しかも400年も前の戯曲で。
今は無理だけど、あの野外劇場で、いつか、
生で観てみたいです。もちろん立ち見で。
立ち見席だと本当に舞台に近い。
近いというか舞台に肘ついてます。お客さん笑。
超やってみたいそれ!憧れる!

次の配信も楽しみです。
その前に辞書片手にNTLiveですが。
今回は辛そう...話を全然知らないので
ゼロからのスタート...。
でも面白そうだから頑張ります。\( ˙꒳​˙ \)

それにしても、です。最高のご時世的に
ほんとに引きこもって、誰とも話してない上に
英語ばっかり聞いて調べて観てるから
そろそろ英語喋れたりしないかな...
と半分本気で思ってます。
翻訳コンニャクめっちゃ欲しい今日この頃です。