感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

『殺人の追憶』

2020/04/09
家のTV
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考えてみれば初めてまともに、邦画以外の
アジア圏の映画観たかもしれないです。
ほとんど洋画ばっかだったからなあ...。
もっとアジア圏も観ないと駄目ですね。
実は『パラサイト』も観てない。
いつかテレビで入ると期待して...(せこい)

でも正直に言うと、最初40分ぐらい
日本の2時間刑事モノのドラマみたいで
中々に辛かったです。
これは単純にジャンルの好みの問題ですね。
サスペンスと警察関係は、
私の苦手な映画ジャンル二大巨頭です。
サスペンスアクションになると余計辛い。
ドラマだと楽しいんだけれど。謎。
でもスパイ系アクションは嫌いじゃない。
今、全シリーズ徐々に観てるけれど
『007』は結構好きです。ボンドかっけえ。
ますます謎な自分の好み。
ただ赤いパンツ履いてた変態男を捕まえる
その辺の張り込みからの残り1時間強全部
めっちゃ面白かったので頑張って良かったです。

ポスターにも書いてあるけれど
実際の未解決事件がもとみたいですね。
そりゃあ娯楽映画っぽくはつくれないか、
と納得しました。
ご遺族の方のこととかも考えないと...。難しい。

事件を通して、主要な刑事2人の性格が
段々入れ替わっていくように思えるのが
この事件の異常性を物語っているようでした。

また、最初の殺人が蓋でおおわれた用水路?で、
最後に、最重要参考人を追い詰めるところで
再び同じような"先が真っ暗な"トンネルが
何気ない感じで映されていたのが、
手がかりを掴んだと思うと
次々と指からすり抜けて
真っ暗な穴に真実が落ちていく捜査の様子を
象徴しているようで好きでした。

またこの事件を追うにつれて、
なんか色々と良くないことが起きていく様子、
(同僚の足が、本人の自業自得だけど
結果として切断になってしまったり
唯一の目撃者を事故死に追い込んだり)
その心理的に真っ暗になっていく感じも
上手くシンクロしてて、
単なる刑事ドラマ以上に精神に来るものが...。
今のご時世に観る映画ではないですね。
もっと明るくなってから観れば良かった...。

ただ、勿論ラストも最高です。
何年も後に、転職した刑事が
最初に事件があった用水路を訪れて
感慨に耽っていると、
今度は向こう側から光が入って
黄金色の畑?田んぼ?がうっすら見えます。
そうしていると偶然、
小学生ぐらいの女の子が通って、
言動から察するに、当時の真犯人を
ちょっと前に見かけた様なことを喋ります。
些か希望を持ったように元刑事が
"どんな顔をしていたのか"と聞くと
"ただ、普通の顔をしていた"と女の子は言う。

確かに犯人がいた事が明らかになった、
そして恐らくそいつはのうのうと
今も普通に生きていることが分かった、
ということでは確かに開けてはいるんですが、
(そしてもう、女の子が事件を知らないように
過去のものとなってしまったあの事件が
もう人々の心を鬱鬱と煩わせたりしない、
という意味では)
どちらかというと黄金色の鮮やかな画面と、
真実には永遠にたどり着けなかった絶望が
酷くコントラスト。
どうしようもない虚しさが漂ってます。

2回目ですがほんとに今観る映画じゃない。
あとリアルはそうなんだろうけれど
自白を強要させようと警察官が暴行するのが
かなり胸糞悪いです。間違ったら謝れよ...。
まあ、あくまで基づいただけで
全てがノンフィクションでは無いでしょうが。
ただ胸糞悪いというのは映画の質とは
一切合切関係ないので、
いい映画だと思います。
ファンが多いのも分かります。

いつか『パラサイト』もちゃんと観ないと...。
でもやっぱり洋画が好きです。
『ミッドサマー』もちゃんと映画館に
観に行けたら良かったんですが...。
今は我慢です。頑張る。
きっとレンタル出ると信じて。