感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

『ぶた草の庭』

2020/04/22
Youtube
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(画像は公演当時のチラシから)



スマホのネットニュースで見かけて、しかも
5/6までの限定配信とのことで観てみました。

正体不明の致死性のあるウイルスにかかって
(しかもどうやら、政府とか国とかに
責任があるようなこと仄めかしてます)
隔離生活を余儀なくされた人々の群像劇なので
イムリーといっていいのか分かりませんが、
今まさにこんな時期なので、
観る価値はあったかなと感じました。
オスカー・ワイルドの主張した文脈ではないけど

"Life imitates Art."
(人生は芸術を模倣する)

とか思わず思っちゃいますよねー。

...なんだか感想がぼんやりしているのは
群像劇って、ほんとに群像なので、
焦点絞って感想を纏めるのが、
(個人的に)凄く難しいからです...。

あとこれは偏見なんだけれど、
群像劇にすると、どうしても
"〜運動"とか差別問題とか、デモとかストとか
そういうのが多いような気がします。
色々なエピソードが最終的に、
同じ方向の矢印になっていくというか...。
嫌いでは無いですけれど。
どちらにせよそういうエピソードが
乱立する様々な人間の劇になるので、
いつもよりも、それぞれの立場とか、
社会的背景を踏まえて考えなきゃ駄目なので、
どうしてもぼんやりしちゃいます。

というわけで敢えて無理に絞ります!笑。
今回面白かったなーと思った、というか
なるほどってなったのは、
それまで国とか、罹患したことに対して
さほど怒っていなかったリーダーが
最後の方で怒りを顕に抗議しにいく所です。
隔離施設の古民家に、途中から来た女性が
最後の方で、"未来設計ノート"みたいなのを
読み上げるんですが、それを聞いた直後に、
それまで

"どうせ死ぬんだから、
ずっと怒っているよりは笑っていたい"

っていうようなのほほんとしてたリーダーが
静かにブチ切れて、なんと海にまで漕ぎ出す。
結構印象的な話です。
これ観て、ちょっと、もしかすると、ですが、
"怒り"って感情は、実現の可能性がある、
あるいは、少しはあった仮定とか想像から
うまれるんだろうなあ、と謎に納得しました。
"If~"っていうのが想像できる時だけ、
そうでないことに対して覚える抵抗感のことを
"怒り"って呼ぶんじゃないかな。多分だけど。

いつか可能になるかもしれないけれど、
装置無しで空を飛べないことには
別にブチ切れたりはしませんし、
対して、そこにきっとあるだろうと思って
マスクを買いに行って、なかったりすると
激怒するおじさんとかはいる。

まあ例えが悪いですけど、ちょっと自分の内で
腑に落ちたような感じがします。

だから最後の

「まだまだ生きてるもんなあ!」

って言うセリフも、なんとなく響く。

生きてるということは、つまり
思考できるということだから、想像もできる。
想像出来るから"怒り"とかいう"感情"も生まれるし
そこからデモとかストとか抗議する"行動"に
繋がっていったりもします。
逆にたどると、行動しないと言うことは
段々行動原理の感情すら薄れていくことに繋がり
最後には生きているのほとんど死んでるのか
曖昧になるってことだと思いました。
まあ"怒り"に限定して言えば、
もともと負の感情として分類されちゃうので
一概に全部肯定もできないんですけど...。

まあ超ざーーーーっくり言うと
生きてるうちに諦めるのは勿体なすぎる!
ってとこですかね。(いつもながら纏めが酷い)

あ、でも一つだけ文句...
というか個人的な不満を述べるなら、
ウイルス性の病気の特効薬になりそうなものが
最初の段階で分かり易すぎます。
最後の展開が読めすぎちゃうというか...。
もうちょい仄めかすけど、気づかないぐらいが
最後に"なんだ!希望あったじゃん!"
ってより爽やかな感じになれる気がします。
完全にイチャモンですね。ごめんなさい。

それにしても、"期間限定"の配信が多すぎて
勿体ない精神で全部観たいのに、
多すぎて全然ついていけない...。
1回どうせあげるんだからさ、ほら
ネットにあげるとずっと残るって言うじゃん?
もうずっとあげといてくれませんかね...。
まあ期間限定だからこそ
劇場で観ているような気分になれるのも
あるっちゃあるんですが...。
.......せめて半年ぐらい......。
あと外国のやつは日本語字幕欲しい。
何回も書いているけど日本語字幕欲しいです。
まあなくても観ますけどね!
次のNTLive配信が待ち遠しいです。o(^o^)o ワクワク