感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

『A Streetcar Named Desire』

2020/05/23
Youtube
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(画像は公式Twitter@NationalTheatreから)



物凄くどうでもいいんですが
どうやらブランチの誕生日が9/15らしくて、
意外に近くてビックリしました。
ということは私もVirgoですね。
スタンリーに笑われそうですけど。

話の内容がショッキングなのは、
言うまでもないのであれなんですけど、
とにかくミッチのこのセリフが
全世界を敵に回してます。

"You're not clean enough to bring in the house
with my mother."
(君は家庭で一緒に暮らせるほど
キレイじゃないんだ。)

人間は洗えばだいたい
新品なんだよ(੭˙꒳˙)੭コンニャロー( 'ω' / )/!
まあでも当時の女性に対する価値観なので
しょうがないっちゃしょうがない。

それにしても、ヴィヴィアン・リー主演の
映画の『欲望という名の電車
初めて観たのが2018年の6月なんですが、
今も昔も、最後にスタンリーがブランチを
レイプする理由が全く分かりません。
いや、まあ説明されれば
へえ〜とはなら無くはないんですが...
男女関係ってそんなもんなんですかね。謎。

でもやっぱり今回の舞台より、映画の方が
雰囲気的には好きですね。
ただ、ヘイズ・コードのせいで
めちゃくちゃ表現規制がかかってて
何やら原作と全然違う、ということを
授業で聞いたことがあるので、
図書館開いたら戯曲を読んでみたいと思います。

そう言えば観てて気づいたんですが、
主演のジリアン・アンダーソンさん、
イヴの総て』のマーゴ役の人か!
道理でどっかで見たことある...
ってなったわけです。納得。
どっちも"老いてゆく美女"って考えると、
なんとも言えない役柄ではありますが、
すごくハマってると思います。
ただ『イヴの総て』も
もう1回観たいか、と言われたら
正直そうではないかな。ごめんなさい。

演出に関しては、特別に奇抜な部分は
そんなになかったんですけど、
白黒のイメージしかなかったので、
カラーになると面白かったです。
後、途中、と言ってもほとんど最後の方、
それこそスタンリーがブランチを
レイプした後に、役者陣総出で、
舞台の片付けをする演出は、
なんだか、ぐったりする日常が
思い出されて結構好きでした。

...この物語はほんとに観てて疲れます。
「"欲望"という電車に乗って、
"墓場"に乗り換え、
エリジアン・フィールド(極楽)で
降りるのだけれど」
冒頭の物凄く有名なブランチのセリフですが
最後に極楽に行けるかどうかは置いておいて、
まるっきり人生そのものみたいなセリフです。

そりゃあ、嘘をつきまくるのは
ちょっとどうかと思うし、
スタンリーにしたって、言われもなく
ブランチから軽蔑されれば腹も立つし、
価値観なんて人それぞれなので、
一概には言えないんですが、
"自分なりの方法だけれど(真っ直ぐでないけど)
なんとか一生懸命に生きることって
そんなに軽蔑されなきゃいけないことなの?"、
なんて思ったりしちゃいます。

でも、やっぱり世間からは
絶対に離れては生きていけないので、
そこの所がすごく疲れますね。
この物語は特別何か世紀的な事件が
起きるわけではないんですが、
なかなか心に刺さるものがあります。

でも今回ばかりは映画の方が好き...!
そもそも3時間は長すぎます。ちょっと...。
あとジリアン・アンダーソンさんの
めんどくさいメルヘンなおばさんじみた
演技もハマってて好きなんですが、
ヴィヴィアン・リーの鬼気迫る演技と
(実際ちょっと病んだらしい)
シーンによって美人に見えたり
すごく老けた醜いおばさんに見えたりする、
あの監督のこだわりたっぷりの映像が、
やっぱり忘れられません。

あ、でも舞台観て気づいたのは、
これ頑張れば家1軒だけで、
全てのシーンが出来るんですね。ビックリです。
でもまさか舞台、というか
家ごと回転するとは思いませんでした。
ブランチの狂気で、日常が揺らぐ感じが、
家の回転でちょっと感じられました。

あとすごくどうでもいいんですが、
ヤング・ヴィック劇場の観客席が
なんかめっちゃ快適そう...。
いいなあ。いつか行ってみたいです。