感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

Anastasia(The Royal Ballet)

2020/05/27
Youtube
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(画像はRHO公式サイトより)




滑り込みで視聴しました。ギリセーフです。
やっぱり授業始まると難しいですね。辛い。
でもケネス・マクミラン
アナスタシア伝説の組み合わせは
絶対に美味しいと思ったので頑張りました。
...三幕まで頑張ってよかったです!!

というか一・二幕と三幕の表現が
びっくりするぐらい違います。
一・二幕が豪華絢爛な(よく観る)バレエで、
三幕は、めっちゃモダンなバレエ...
というか最初に狂気のアンナ
(自分のことをアナスタシアだと思ってる)が
すごい音量で叫んでました。
バレエ作品において、掛け声以外で
声を出すのは初めて観ました。
ここまで来るともはやピナ・バウシュじゃね...。

それにしても、アンナ/アナスタシア役の
ナタリア・オシポワさんが、
めっちゃ可愛らしいけど、
結構エネルギッシュな踊り方する人でした。
シルヴィ・ギエムさんとかは
なんかもう見た目からして"強い!"けど、
この方はギャップが凄いですね。ビビる。
ロシアご出身とのことで
ピッタリすぎます。ナイスキャスト。

ざっくりの印象はざっとこんな感じ...かな。
幕ごとに物凄く印象が違うので、以下分けて、
色々気になったこととか書いていきます!

【一幕】
船の上ですね。海がキラキラしてます。
でもよく見ると布にガラスみたいなのが
ついてるだけです。嘘でしょ...。
本物にしか見えません。怖すぎ舞台マジック。

海上とのことで、結構男性ダンサーが多くて
当たり前に皆さん上手いんですが、
ちょっと、カチカチの軍服で踊るのは、
踊ってる本人じゃなくて、
観てるこっちが窮屈に感じました。
よくあれで、あそこまで足上がるなあ...。凄。

衣裳に関しては、もうひとつ。
全員が全員、全体として服が白で統一されてて、
そこに黄みがかった照明を当ててるので
結構茶色っぽい白色になるんですよ。
それがセピア色の写真みたいになってて、
"うわー歴史っぽい!"ってなりました。
実は最初にアナスタシア含む、
王族ファミリーの写真や動画が出たので、
(言うまでもなく白黒orセピア色)
リンクしてて綺麗でした。

でもこころにくいのは、
アナスタシアの白いワンピースは
ワントーンだけブルーみがあがってます。
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(1番左側)
写真だと微妙ですが、照明との関係で、
1人だけぱっと白く見えました。
誰が主役がすぐに分かります。衣裳さん凄い。

あと目立つといえばラスプーチン
こいつ(ダンサーの方ではなくキャラ的に笑)
に関しては衣裳そのものが青いから、
めっちゃ目立ちますね。
というか全編通して1人だけ浮いてます。
謎の違和感。さすがラスプーチン
最後までこいつの存在は意味不明でした。
さすがラスプーチン。謎多き男。

【二幕】
"何だこの傾いたシャンデリア!"
ってのが第一声です。落ちるぞアレ。
なんて思ってたんですが、見ているうちに
"なんか超高い天井に吊るされてるのを
下から見てる感じ"がしました。
どこまでも吹き抜けていく
めちゃくちゃ豪華な宮殿にいる感じです。
歪んだ床も、先が見えないどこまでも広い感じ。
豪華な、というイメージとともに、
何となく先が見えない不安さも感じます。
ケネス・マクミランぽさが(個人的に)
ようやく出てきた気がしてワクワクしてました。

皇帝の愛人のバレエダンサーと
皇后のシーンが完全に修羅場だったのも
ハラハラドキドキですね笑。
皇后のドレスと黄色と、
愛人のドレス内側が
似たような黄色でリンクしてるのも皮肉です。
しかも2人の女性はそれぞれのパートナー...
皇帝と、ペアの男性バレエダンサーの間を
グルグル行き来するので、まじ修羅場です。
愛人が余裕な表情で、皇后が何とも言えない
( -᷄ ω -᷅ )ヌゥ…って感じの表情なのが、
また、なんとも...。
完全に昼ドラです。(雑なまとめ)
そしてまたもや割り込んでくるラスプーチン
ちょっと正直"存在感強すぎて邪魔!"って
突っ込んじゃいました。ごめんラスプーチン

幕の最後に革命軍(民衆かな?)が荒々しく
宮殿に乗り込んでましたが、
相変わらず消防法は大丈夫なんでしょうか。
赤旗出てくるだけで革命感があるのに、
更にファイヤー🔥🔥でビックリです。
この民衆達の疲れきった、
地面に沈み込むような群舞も、
マクミランっぽいっちゃぽいです。
そこから繋がる三幕。いよいよ本領発揮!

【三幕】
まずアンナの表情が凄いです。
瞬き大丈夫?ってぐらい( ✧Д✧) カッって感じ。
それなのに目がうつろなのが、
美人なので人形じみて余計妖しい...。
メイクのせいなのか、少しこけて見えるし、
"イッちゃってるなこの人"って
直感的に感じました。

また、エコーするような異言語(ロシア?)と、
途切れ途切れの規則的なリズムを刻む音楽が
こっちの頭の中まで混乱させる気が
満々すぎます。その熱量は要らない笑。
うわんうわんしてちょっと発狂しそうです笑。

全体的な構成も、

・アナスタシア時代の人々(アンナ妄想だろう)
・現在の人々(ナースとか)

が、出てははけて、はけては出ての
繰り返しで、観てるこっちまで、
"何が今で、何が妄想で、何がほんとだ?"
って混乱してきます。

特に、アンナの夫と思しき人と、
アナスタシアの姉妹と、
アンナ自身が手をつないで輪を作って、
それぞれがその輪の下を、
グルグルグルグルくぐっていくのが、
嘘の過去の記憶が精神にくい込む様子を
巧みに表現してて好きでした。
すげえなマクミラン。(謎に上から目線)

あと、ラスプーチンが何故か最後に
アンナに駆逐されてました。めっちゃ蹴られて。
あれトゥシューズ当たったら大事故ですよ。
そういう謎の緊張感はありましたが、
結局なんだったのか分からずじまいです。
さすが謎多き男、ラスプーチン。(2回目)

ラストの幕切れで、完全に自分のことを
アナスタシアだと思い込んだアンナが、
もう会えない家族の像(舞台袖から出てくる)
に囲まれながら、回るベッドから
それを切なげに、まるで渇望するように、
見つめていたのが印象的でした。


大体こんな感じかなあ...。
最近ちょっと疲れ気味なので、
見逃してるポイントが多いような気も...。
まあどっちにしろバレエの技法なんかは
ちんぷんかんぷんなのでいっか、って感じです。
楽しかったのでオールオッケーです。
明後日はストラットフォードフェスティバルかな。
(明日は授業が目白押し。辛すぎる。)
恋の骨折り損』楽しみです。

あ、あとすごくどうでもいいんですが、
映画論で『』の付け方について、
先生があーだこーだ仰ってて、
"演劇でもそうなのかな、分からん"
とはなったんですが、どっちにしろ
映画論も頑張んなきゃなので、
今回から合わせてみようかと思います。
素直に吸収って大事だよね。多分。