感想日記

演劇とかの感想を感情的に書きなぐってます。あくまでも「感想」だし、備忘録としてネタバレしまくりなのでぜひ気を付けてください。でもあらすじとかはあんまり綺麗にはまとめてないです。

The Curious Incident of the Dog in the Night-Time『夜中に犬に起こった奇妙な事件』(NTLiveアンコール夏祭りを無事にコンプリート!!)

2020/09/02
シネ・リーブル池袋
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いえええええい!!!コンプリート!!!!
しましたよ!!!やってやったよ!!!!
恐れ入ったかコロナ野郎!!!!
(帰省できない腹いせにやりました。
馬鹿をやったとは思ってるけど後悔はしてない)

という訳で『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
感想を改めてしっかりまとめれば、
何に対してか分からないけど完全勝利です。(精神的に)

頑張ってまとめたいと思います。
あら筋はwiki先生に聞いた方が早いと思います笑。
小説とほとんど変わらないので。

あ、でもこの『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
すごい面白い話なんですけれど、
気分落ち込んでる時に見ると、
中々精神にキます。私だけかもですが。
なんでかはわかんないんですけど...。

多分...うーん、例えばパニックになった時とか
なんかそういう"わーーっ!!"ってなる、
そういう時の情景が舞台上で色々と展開する...
からかな、と思います。
まあ、というかそもそも
どの舞台でもそうだけど観る側の体調大事だよ、
ってだけの話です。笑。

あ、あとびっくりしたのが、
ハドソン夫人SHERLOCKの女神)が出てて、
"あ、ハドソン夫人だ"ってなりました。
相変わらずチャーミングで可愛い。

ちなみにSHERLOCKハドソン夫人
最高にイカしてると思うのはS4E2の、
確かシリアル・キラーが出てくるやつです。
車でジョンのとこに乗り込むというか、
駆けつけるというか(with後ろにパトカー)
なんかそんなシーンが最高にカッコイイ。
トランクに詰め込まれてたシャーロックも
「手足を折りたたんで」感がすごくて
爆笑しましたが、とにかくハドソン夫人最高です。

今回も"O dear, dear, dear.(あらあらまあまあ)"で
観客全員の笑いをかっさらうハドソン夫人
流石です(もはや本名を覚える気がない笑)

それにしてもこの前の『リーマン・トリロジー
三人称舞台と呼んでいいなら、
こっちは完全に、自閉症の主人公である
クリストファーの一人称舞台でした。
ちなみに数学が得意な男の子です。

そもそも舞台空間が、座っても大丈夫な照明器具?
みたいなので囲まれてる黒い平面で、
なんというか、パックマンのゲームに近いです。

(クリストファーもテトリスをよくやってる)

それか、夜の地下鉄のホームみたいな質感。

ACT2で、電車で大冒険します)

全体的にとにかくゲームっぽい感じです。無機質で。
クリストファーとかも、移動する時に、
結構直線直角で移動するので余計にパックマン笑。

しかも場面場面の間が、スキップする、というか、
前の場面の物語から次の場面の物語へ、
いきなりポーンって飛ぶんです。
かなり目まぐるしくて速い展開でした。

決してついていけない、って訳ではなくて、
"あることを話す"舞台ってよりは
"クリストファーの目を通してあることを目撃"って感じ。
そういう意味でクリストファーにとっては、
意味が無いor重要でない部分がカットされたので、
なんというか、それでスキップする感じがしました。

しかもそのスピード感が、
同時に情報過多な彼の頭の中を体験させる、
って感じがして...楽しいけど結構辛い。
(たまーにですが、私も同じような状態になるので)
舞台始まってすぐの音楽とかも
もれなくゲームっぽい電子音楽なんですが、
とにかく音がでかい。爆音。
"音を聞く"ってより"聞かされる"感が強いです。

あとは、これは狙ったのかどうかわかんないんですが、
クリストファーの家のシーンとかで、
家に帰ってからのお決まりルーティンこなすとことかで、
家具とか家電とかを人が"見立て"で演じるんです。

普通の舞台だったら"あ、見立て芝居か"、
って感じになるんですが、
今まで意味が過剰な演出をいっぱいしてるので、
こうなってくるとなんというか、

人がただの人ではなくて、
家具もただの家具ではなくて、
機械もただの機械じゃなくて、
モノがただのモノではなくて...。

"それ以上が常にある"って感じがしました。
"わーーっ!"って、こっちがなりそうでした笑。
妙に共感しちゃったというか...。

とにかくクリストファーの目で世界を見る
そういう風に観客に観せる、っていうのに、
すごく拘っていて、
お父さんに没収された本を探して、
家の中を探索するシーンとかで、
舞台の照明全部落として、
懐中電灯で照らしたところしか見えないのも、
"そこしか見えてない"っていう、
クリストファーの集中度合いを体感する感じで、
すごく面白かったです。その意味では
体験型アトラクションっぽいかも?

(ところで家の中に落ちてた
"チョコレートクッキー"をクリストファーが
見つけた瞬間に、"チョコレートクッキー"を
持った男性が、照らされるんですけど、
何故か食べようとしてて、それで、
慌てて、"食べてないよ!?"って
観客に見せてたのには笑いました。
お前絶対食べてただろ笑)

...あ、でもなんか体験型はしっくりきたかも。
うん、なんか体験型演劇ぽかったです。たしかに。
『エブリ・ブリリアント・シング』みたいに、
monsa-sm.hatenablog.com

実際に参加する訳では無いけれど、
なんていうか、VRのゴーグルつけてるみたいな。
なんかそんな瞬間がいくつかあって。

多分、クリストファーの視点が、
如何に"普通の人と違う"か、
ということを一人称舞台の演出に
取り入れていたり、とか、
そういうことも関係してると思います。

最初のインタビューで誰かが、
"Novel of difference違いを書いた小説)"
って言ってたけどほんとその通り。

すごく印象的だったのは、まず大前提として
舞台を真上から見たときにどう見えるかを
想定して演出してた
、っていうことかなあ...。
これはちょっとびっくりしました。まじか。

黒板みたいに床使って😞😐🤔とかの
絵を描いたり、プロジェクションマッピング的に
文字とか数字とかを投影したり、
とにかくとことんマルチメディアの舞台でした。

クリストファーが、父に殴られた時とかも、
周りの椅子型照明がバチッと点滅とかしてて、
火花が散るってこういうことかってなったし、
クリストファーが混乱してわけわかんない時に、
投影された数字がどんどん散らばっていくのとかも、
象徴的なんだけど、具体的なイメージで、
凄かったです。"わかる!"って思ったもん。

舞台の床1つの平面として演出に使うって、
今まで見たこと無かったので、新しい!って思いました。
あとそういう"新しい"ことを"違い"を表す演出に
使用していたので余計にしっくりきました。

ACT2でお母さんの住んでるところに行くために、
クリストファーが電車に乗るんですが、
その時、椅子に俳優さんが座ってて、
身体を揺らすだけで電車を表現…
...っていうのは井上ひさし
『イーハトーボの劇列車』とかでも見るので
そこまで"うわ!"とは思わなかったんですが、

クリストファーがその普通の人を見て、

"Most other people are lazy."
(僕以外の人は怠け者だ)

って言うんです。
その前後あたりで、クリストファー以外の人が、
電車の椅子用として座ってた箱から降りて、
今度はその箱の側面部分に座るんです。
つまり、上から見た時に座ってるように見える
実際重力的な観点からみると、
箱におしりを押し付けて足を沿わせて寝てる状態。

でもクリストファーは椅子の上に立ってる。
...まあ極端に書けばこういう状態(ヘタですが)
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この状態で

"I see everything!"
(僕は全部が見える)

って、普通の人だったら気づかないであろう
電車の窓の外の風景について描写し出す、
っていうカッコイイシーンが最高でした。

たしかに、立ってる次元が"違って"て。

しかもちょっと他の俳優さんの手拍子付き。
(多分ガタンゴトン音のつもりかな?)
英語のリズムと相まってDJみたいにノリノリでした。

それにしてもクリストファーの論理思考は、
抜け目なく規則的なので正直聞いていて心地いいです。
例外とかそういうノイズが全くない感じ、
事実だけ取り出して淡々と述べてくれる感じ、
っていうのがすごく安心しました。

"こんな風にだけ考えて生きられたらいいのに"

とも思ったんですが、こんなスッキリした考え方だけじゃ
通用しないところがあるからこそ、
面白くなっている所もあるので難しいです...。
(でもレポートではそのスッキリ性が、
絶対的に求められるという矛盾。こはいかに。)

たまーに舞台のテンポが、
ぐっとスローになる瞬間とかも、
その"通用しないところ"に近いような気もします。

母からの手紙を見つけてしまって大混乱して、

(舞台上では数字が飛び散って、
上空からは手紙の束が降ってくるという、
これまた象徴的だけど、たぶん
クリストファーには"こう見えている"という
めちゃくちゃ具体的な表現。面白かったです)

挙句に吐いてしまったクリストファーの着替えを
父が手伝うシーンとか、
いきなり舞台のテンポが遅くなるんですが、

…というか情報が突然少なくなる?

多分一人称舞台で、一人称のクリストファーが
思考停止状態になってるからだとは思うんですが、
そうすると、クリストファーの視点から、
ちょっとだけ離れることが出来ます。

つまり"クリストファーのロジカルな考え方の
エリアには入ってないんだろうな"的な。

それまでの超高速な情報過多の舞台空間と、
その時の静かで、ちょっとピリッと緊密な、
親子だけしか居ない舞台空間とのギャップで、
お父さんが本当に心から息子のことを
丁寧に丁寧に気遣って愛してるのが、
伝わってきてすごく素敵な場面だと思いました。
(まあ、だからってお母さんのこと"死んだ"って
嘘つくのはどうかとは思うけどね!)

でもその後に、ACT1の最後の場面で、
ACT2で電車の冒険に行くことを決意するクリストファー、
って感じで終わるんですが、
そこの演出だけは個人的に"ええええ?"
ってなっちゃいました笑。

クリストファーの決意に合わせて、
おもちゃの電車(ちょっと大きめ)を
観客席の目の前をぐるっと回らせてたんですが、
それまで、見立ててお芝居するのに
かなり上手く成功してるので、
"別にクリストファーのセリフだけでも、
良かったんじゃないかな?"って思っちゃって。
まあ個人的な好みなんですが笑。

でも、ACT2の電車とか駅とかのシーンは、
もう共感しかないというか。
初めて東京来た時思い出します笑笑。

もうほんとに自分以外の人は、
駅とか電車に慣れているので、
この劇でも駅の他の人は集団行動みたいに
行動してましたが、まじでそんな感じに見えるんですよね笑笑。

めっちゃ分かるよクリストファー。

そんでもって真ん中で呆然とするんだよね。
まじ分かる。分かるしか言えない。
新宿駅とかまじダンジョンだった…
切符買うのとかも普通のことなんだろうけど、
自分にとっては立派な「大冒険」でした笑。

しかも信じられないくらい爆音だし。
駅で普通に会話出来てる人たち見るとビビる。
あと待ち合わせとか。どうなってるのあれ。

駅の中に溢れる言葉、言葉、言葉...が
床に投影されて、枠にぶつかって、跳ね返って...
ってなってたのも、駅でどのホーム行けばいいか、
全然わからなくて上の表示の文字を
ぐるぐるぐるぐる見回してた時とか思い出しました。
ほんと電車のシーンわかりみが深い...(語彙力)

"Train coming. Train stopped. Doors open.
Train going. Silence.
"
(電車が来る、電車が止まる、ドアが空く、
電車が行く、静かになる)

って言葉をクリストファー延々と繰り返してたけど、
このリズム感溢れる英語の感じも分かる...!!

電車なんて乗ったことない人からすると、
自閉症の方の感覚とはまた違うんだろうけれど)
電車に乗るタイミング、イマイチわかんないんですよ。
いやこれマジで(てかもしかして私だけ?)
なんだろう...エスカレーターに、
上手く乗れない子供とか居るじゃないですか。
なんかあれに近いです。感覚としては。

パニックになりすぎて一瞬スローモーションになるのも、
(テンポではなく実際に動きがスローになる)
"うわあわかるううう"って思いました。
もう思考停止なんですよね。頭パーン!って感じ。
ACT2はほんとに共感しかないです。
ファイトだ、クリストファー。
私でもできたので君ならきっと大丈夫。(何目線)

それにしてもこの劇、
そのACT2で衝撃のことが明らかになってて...。

まずACT1の始まり方が、
なんというか、クリストファーの日記的な本を
学校の先生が朗読してる?体で始まってて、
つまりこんな感じなんです。(相変わらずヘタ)
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なんか本と現実が絶えず対応してる感じです。

ACT2の冒頭で、そのシボーン先生が、
クリストファーに

"この本を元にお芝居しましょうよ"

って提案するんです。するとこうなる。
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要は、えーと、

"え、じゃあ今までのやつ、全部実話に基づいて、
クリストファーが書いた本をお芝居にしたやつ?"

ってもう一本軸が増えるんですよね。
結構複雑。てか複雑すぎる...。

あ、帰ってきたヒトラーに似てるかも?

しかも正確には、先生の朗読の前に、
フォークにぶっさされた犬の事件に
クリストファーが遭遇してしまったっていう
現実の場面から始まっていて、
そこから先生の朗読に移るっていう
かなり不思議な形ででスタートしてるし、
何よりも舞台が始まるその瞬間、
俳優さんが"入場"してきて、
照明でもある舞台を囲んでる椅子みたいな部分に、
まるで劇を観る観客の1人みたいに
全員座って待機してたんです。
(少なくとも最初のうちは)

...最初っから3つ軸があったんですね...。
気づかなかった私がヤバいってか...そうか...。

しかもACT2ではクリストファーが
"演出"までしてるので、余計メタ感がすごい。

"You're too old to play a policeman."
(警官役はもっと若いよ)

って出てきた警官に言い放って、
チェンジさせたりとか笑笑。
こうなってくるともう3つの軸のうち、
どこに主軸をおいていいのやら...。

クリストファーが数学の試験受けるシーンでも、
クリストファーが解答を説明しようとすると、
シボーン先生が

"You don't have to tell us how you've solved it.
Why don't you tell us after the certain call?
"
(今説明しなくてもいいのよ。
カーテンコールの後でやったらどう?)

的なこと言うし笑笑笑笑笑笑笑笑。

(実際にカーテンコールの後にやるので、
絶対に帰れないですね。
マルチメディアな舞台の装置を
全て駆使してクリストファーが
DJ風にノリノリで問題を解きます。楽しい。
確かn^2+1, n^2-1, 2n(n>1)である三角形は、
直角三角形であることを証明せよ、だったかな。
"やったなあ、こういうの"って思いながら、
懐かしく見てました。数学から離れてはや3年ぐらい?)

"I find people confusing."
(人間って混乱する)

ってクリストファーが最初に言ってるけど、
余程この劇の構造の方が混乱するわ笑笑

それにしてもこの物語、
クリストファーの冒険的には割と成功して、
数学の試験も合格して、
犬の事件も解決して、万々歳なんですが、
割と最後はオープンエンドな感じでした。

クリストファーが最後、シボーン先生に対して、
自分は上にあげたようなことが出来たんだから、

"Does that mean I can do anything, don't you think?
Does that mean I can do anything, Siobhan?
Does that mean I can do anything.
"
(これって僕がなんでも出来るってことだよね?
そうでしょ、シボーン先生。
僕は、そう信じてる)

ってなってたんですが、

(日本語訳がほんとにすごい。
同じ疑問文なのに語尾に着く付加疑問文と、
人名と、何もついてない最後の文を
ニュアンスまで訳してて、マジですごい)

それに答えるシボーン先生の表情が
ちょっと愛しそう哀しそうな感じだったのが、
かなり印象的でした。
少しの沈黙の後、シュンって消えるような音響と照明も。

"そうなったらほんと素敵だし、
頑張れば出来るとは思うんだけど、
そこに至るまでは辛いこともあるだろうし…"

私お得意の乱暴な言葉でいいなら(良くない)

"世の中そんなに甘くねえ"

みたいな(情緒もくそもあったもんじゃない)
そういう意味でオープンエンドな感じでした。

にしても、この話ほんとに面白くて。
思わず"次はどうなっちゃうんだろ?"って
ワクワクしながら観ちゃいました。
演出も観たことないような感じだったし。
人気な作品なのも納得でした。
アトラクションみたいな演劇
あと主演のルーク・トレッダウェイさんが
マジで理想のクリストファーでした。最高。


…そして16作品の感想書ききってやったぞ!!
頑張ったーーー!超頑張ったーー!!
1番大変だったのはハムレットリア王
四大悲劇は観るのも大変!!!
時間的にかかったのは『ハムレット』!
ツッコミどころが多すぎて指摘不可能!!!
8時間ぐらいかかりました。死んだ。

ちなみにこの記事は
この過去記事にあるメモからおこして
monsa-sm.hatenablog.com

だいたい2時間半ぐらいです。
編集含めると3時間かな。結構重労働笑。
あともっと簡潔に書けるようになりたい…。

まあ、これからも地味にポチポチ頑張ります。
多分更新ペースは落ちるけど笑。(今が異常なだけ)