感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

『あなたの目』(『わたしの耳』の方はキャスト的に最初から諦めてました。)

2020/09/22
新国立劇場小劇場
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タイトルにも書いたけど『わたしの耳』は無理だよね。
ただでさえ座席数減ってるのに、
このキャスティングはケンカ売ってるよね(逆ギレ)

というわけで、たしか一連の作品群らしいけど、
『あなたの目』The Public Eye)だけ観てきました。

めっっっっっっちゃ久しぶりに新国立劇場来た…!
2019/12/14の『タージマハルの衛兵』以来。9カ月ぶり!
近くのエクセルシオールカフェにも久々に入った…!

あ、このカフェはとにかくココアが美味いです。(個人的に)
ドトールと系列同じはずなのに段違いに美味い。謎。

そんなこんなで期待度マックスで行きました。
…ちょっとテンションあげすぎたかもです。
きっとわたしが悪かった。うん。
しかも初日だったからなあ…。
噛み倒す、って程ではなかったんですけど、
少なくとも中堅以上の俳優さんにしては噛みすぎ…かな。
かなりのマシンガントークだったせいもあるかもです。
おかげでインテリ風な言葉遣いする夫に対して妻が

「ただ単に言葉を飾っているだけだわ!」

って言うんですけど、”いやお前もだけどな!”
って突っ込みそうになりました。かなりの台詞劇

三人の登場人物の関係とかは…

妻の浮気を疑って探偵を雇ったインテリ夫
先生みたいに教育してくる夫に割とうんざりしてる若い妻
夫に雇われたくせに妻と両思いになりかけた甘党の探偵

まあなんかこんな感じで
物語の構成自体はすごく面白かったんですけど…
あらすじとかないのかな…えーっと、

…英語のならあった!
www.concordtheatricals.co.uk

“Charles and Belinda are an ill-assorted couple
yet they were once in love. Insanely jealous,
Charles engages a private eye, Julian, to follow her
round London. Julian can only report that she is
attached to someone. When the three meet it transpires
that Belinda has fallen for Julian. Deciding to mend
a marriage, rather than break it, Julian banishes Belinda
to her wanderings but this time to be followed by Charles.”

このくらいの英語なら訳せる…はず…!

チャールズベリンダはあんまり幸せな夫婦じゃないけど
でも前は結構ラブラブだった。やばいくらいに嫉妬した
チャールズがプライベートアイ(私立探偵)ジュリアン
雇って、ロンドンをめぐるベリンダを尾行させた。
ジュリアンは彼女が誰かに恋をしていることだけを報告。
三人が出会ったときに、ベリンダジュリアン
恋してたことが発覚。結婚関係を
(多くの多くの私立探偵がするように)壊すのではなく、
修復することにしたジュリアンは、
ベリンダを部屋から追い出してロンドンを歩かせ、今度は、
夫のチャールズにそれを尾行させることにした。

…さすがあらすじ。全部入ってるわ。
こんな話なので、面白いのは面白いかったです。
途中までは観客と、あとジュリアンだけが
すべてを知っているので、
(そういう意味でもPrivate eye、私立探偵が持っている
Public eye、ひらかれた目?なのかな。言葉遊び的?)
夫婦それぞれの認識のズレとの対比でかなり笑える脚本。

…ただまあもともと『人形の家』とか
なんかそういう夫婦の会話劇的なやつ、
そんなに好きなジャンルじゃないので…。
上手く舞台上の空間にのめりこめず…。
(たぶん第四の壁あり、だったと思います。
イリュージョンにのめりこめんかった…。)

…しかもあからさまに初日!って感じで…。
ジュリアンは上手いなあ、って感じだったんですけど、
(というかキャラ的に下手になりようがない気もする)
ベリンダは噛みまくりだし、チャールズは意外と…声が…。
…後方で聞こえないってことではなかったんですけど、
なんというか、響きの浅めな声だったので、
ちょっと😞ってなっちゃって…。
いやもうほんとド素人が何言ってんだよ、
って感じですけど、なんか、うん…。思ったほどじゃない…。
期待しすぎだったかもです。
…だって久しぶりだとどうしてもテンションあがるよね(笑)


あ、でも冒頭の演出舞台セットは好きでした。

なんかもう出だしの音楽からして怪しい笑。

”サスペンス系?探偵モンとか?”

って内容知らないのに思わせる音楽でした。
あと、探偵ジュリアンがチャールズの事務所で
うろうろしてる(勝手にくつろいでる)のを
ちょっと長めのストロボ照射みたいに、
いちいち暗転を挟んで、写真のモンタージュみたいに
リズミカルに見せていたのも好きでした。
ちょっと海外の探偵ドラマのOPっぽかったです。

でも、見間違えじゃなければ、この時、
ジュリアン、天使の羽つけていたような…。
見間違いかな…うーん?
つけてたとしたら、なんの意味が…?
キューピッド的役割とかそういうこと…?
…まあ復縁を手伝った…の…かな…?
分からん…。謎…。深まりまくる謎…。

(観劇中はついてたもんだと思っていたので、
最後の方にジュリアンが、夫婦に対して
「約束をやぶったら地獄に落ちますよ」
って言ったときに、勝手に意味深を感じてた笑)

あとはとにかく舞台セットの配置が最高過ぎて…。
伝わるかなあ…。まあ後でみて思い出せればいっか…。

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結構黄色が印象的に使われていたんですけど、
(探偵のハンカチとかも黄色、脚立の黄色は照明)
なにこの幾何学的な線形の配置…!惚れる…!!
(ジグザグの線が入ってると、個人的にだけど、
どこに人物が立ってもハマるような気がする)
あと大量の本を鉄のラックで表現するとかかっけえ…!

…とか思ってたら、何故かこの後少ししたら
手前にある花瓶を脚立の後ろに寄せちゃって…。

”嘘だろおおおおおおお!!!!!????”

て心の中で絶叫してました。無念。
絵に描いた(30分雑クオリティ)位置に
戻ることはありませんでした。合掌('ω')

あ、でも唯一奇跡だな、って思ったのは、
探偵が、チャールズに対して発破かけるというか、
売られたケンカを買うというか、
なんかそんなシーンがあったんです。
そこで探偵がカンフーよろしく
黒電話ヌンチャクみたいに振り回すっていう、
おもしろいアクションがあって、
決め台詞的なものまで言うんですけど、
”言い切ったぜ!”のその一瞬の沈黙の時に、
花瓶に入ってた黄色い花が一輪、
音もなく地面に落下するっていう…。
これには参った笑笑笑笑。
ぜんぜん決まってない笑笑笑。
滑稽さがカンストしてました。初日の奇跡

めっちゃ面白かった!てわけではなかったんですけど、
観に行ってまあ損はなかったかな、って感じでした。
でもやっぱり千秋楽近くを取るべきだったかも…。

気を取り直して今週末は『MISHIMA 2020』
楽しんできます!!