感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

Edmond『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』

2020/11/27
シネ・リーブル池袋
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NTLiveでジェームズ・マカヴォイさんの
シラノ・ド・ベルジュラック』をやるのに
これを観に行かない手はない!!!!

って多分誰でも思うことを思い立ったので、
観てきました!『シラノに会いたい!』(略す)


なにこれ楽しい!!!


というか最早どこまでがフィクションなのか
わかんないけど、そんなのどうでもいいくらい楽しい!!

うえにちょっと泣ける!!


まずもう初っ端からサラ・ベルナール
コンスタン・コクラン...エトセトラ(以下略)で
出るわ出るわの演劇関係の有名人!
これは演劇畑の人は絶対楽しい!てか楽しかった!
スター大集合って感じでした。
最後らへんはチェーホフまで出てきます。マジか。

まあそもそもエドモン・ロスタン
相当有名だけど主人公だから置いておこう笑。

ムーラン・ルージュとか当時っぽい娼館とか

(実は後々けっこう効いてくる娼館と
そこで働いてる美人な姉ちゃんたちです。)

19世紀末のちょっと、ごちゃあ、っとした
なんともいえない濃い空気感みたいなのも
たまに入ってきて素敵です。

あとどのくらい時代考証してるのかは分かんないけど、
パッと見、当時らしい舞台装置とか舞台効果とか、
そういうのも見てて面白かったです。
やっぱりほぼ人力なのね…そうだよね…すごい。


超絶短期間で新しい喜劇を書かなきゃダメになった、
エドモンがなんとか頑張り出すところから
ようやくメインの話になってくるんですが、

無茶な役者の要求とか、不利な状況とか、
助け舟みたいに現れるインスピレーションを起こす
人とかモノとか出来事とかが

パズルみたいにパキパキハマっていって
『シラノ』がどんどん完成していくのは
なんだか謎の爽快感がありました。

まあ、シラノ・ド・ベルジュラック
主人公エドモンとオーバーラップしてるみたいだし
ロクサーヌとかクリスチャンを、
映画の中の現実の人物に重ねてるので、
そこからいろいろめんどい三角関係に
なったりならなかったり...、

となかなか深刻気味な状況になったりもするんですが、
それ込みで面白かったです。

"L'insipiration, pas l'amour."
(着想を得るためだ、愛じゃない)
フランス語自信ないです。英語もないけど。

こんな風にエドモンが、ジャンヌっていう
ロクサーヌのモデルとした(あくまで映画内で)
女性との手紙だけの関係を

あたかも真っ当な事のように奥さんに言ったりとかもして、
これ状況が違えばマジで血祭りものの修羅場ですよね笑笑。

"芸術家の妻って大変だなあ..."

って思いました。

でも最後の役者たちのカーテンコールのショットに、
それを袖から見てる奥さんの後ろ姿まで
きちんと入ってくるのは素敵だなあと思いました。
奥さんの支えあってこそだもんね!


あと!特にオノレさんっていう、カフェの店主が
(映画の中で、シラノの直接のモデルになった人)
マジでイケメン。言動がマジかっけえ!!

流石シラノのモデル。イケメンすぎる。 声もいい

まあでも、元のモデルはオノレさんなんだろうけど、
さっきも書いたようにエドモンの行動が
絶妙にシラノと重なっているし....というか、
色んな人が『シラノ』の下敷きになっていて、

(あくまで映画内だから!多分だけど、
恋におちたシェイクスピア』的なあれだから!)

『シラノ』の劇中に色んな人が
重なって見えるような気がしました。

もろ額縁舞台なんだけどね。イタリア式の。あの豪華な。
あそこまで綺麗な劇場だと、衣裳、セット諸々
あのぐらい派手な感じでもむしろしっくり!

って思いました。これは発見かも。

(最後の場面とかマジで劇場に
大木を突っ込んでたので...。現代演劇だったら
私の好み的には完全アウトだと思います笑笑)

ちなみにこの最後の第5幕で
完全に観客がイリュージョンに取り込まれた体で、
映画の中の劇中劇の演劇の『シラノ』ではなくて、
完全に映画の『シラノ』なってました。
これはちょっと面白い!!

確かにイリュージョンに取り込まれると、
実際の劇場でもこんなふうに感じます。
これは映像でしか出来ないすごい!!
ちょっとすると演劇(劇中劇)に戻るんですが、
それがまたなんともいえない感動というか。

…まあ、皮肉にとると、完全なドラマを成立させて、
そのドラマに観客を同化させることに関しては、
演劇は映画の足元にしか及ばない…

ってとれなくもないけど、これはひねくれすぎですね笑

全編気持ちいいテンポで進んで
終始マスクの下でニコニコしっぱなしの
2時間でした。ありがとうマスク。

(ちなみにド平日の朝10:20~だったので
10人もお客さんいたかな?状態。
多分だけど感染対策もバッチリだね!?)
(今日500人超えたらしいけどマジですか...)

あと、個人的に印象に残ったのは、
『シラノ』の1幕が終わったら観客の1人が
カフェに走っていって、

"みんな絶対観た方がいい!"

って叫んだ後、みんな、わっ!!!って劇場に
殺到するんですよね。あの熱気素晴らしい。
早くああなってもいい時代にならないかな...。
...まじコロナゆるすまじ。きたれワクチン。がんばれ外国。
そして責任の押し付け合いをやめろジャパン。(げふん)

あとみんなついでにもうひとつ。

みんな!!絶対エンドロールみろよ!!
絶対席立つんじゃないぞ!!!
エドモン・ロスタンの写真出てくるまで
絶対立つなよ!!!!まじで!!!!!

コンスタン・コクランから、わりと最近まで
シラノを演じてきた色んな俳優さんの映像が
どんどんどん出てくるから!

あと実在した人の写真もでてくるから!!

...実は私が観てた時、終わった瞬間に帰ってた方が
ちらほらいて....もったいない…。お化け出る…。

最後までお菓子の詰め合わせみたいな
めっちゃハッピーな映画でした。

あとは録画してある吉田鋼太郎さんの『シラノ』
なんとか来週までに観て、NTLiveの『シラノ』
来週末観に行くだけだーー!!٩(´・ω・`)و
でもその前に今夜は『ヴォイツェク』観なきゃー!!
(落差がえぐい)

明日はDeath of England : Delroy
『パリのアメリカ人』も朝から観ないと…。

あれ…休む暇ある…?忠臣蔵の発表もあるし…。
うーん、配信は嬉しいけどそろそろ寝不足で死にそうです笑

無料のに絞ってはいるけど(学生だから許して)
ぜーんぜん追いつかない…。
Twitterとか観るとみんないっぱい観ててすごい…、
ってなるので私も死なない程度に頑張ります…。
ああ、『トロンプ・ルイユ』の感想も書いてない…。

配信系の感想は冬休みに纏めてやろうかな…。
(絶対後から大変になるやつ)