感想日記

演劇とかの感想を感情的に書きなぐってます。あくまでも「感想」だし、備忘録としてネタバレしまくりなのでぜひ気を付けてください。※諸事情でFrankenstein関連の記事1回引っ込めます。8月になったら戻します。

渋谷・コクーン歌舞伎 第十七弾『夏祭浪花鑑』

2021/05/15

Bunkamura シアターコクーン

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この前のブログの更新日から約1カ月経ってます。

何でか、っていうと、4月に、観に行けなかったから、です。

 

パンドラの鐘』(25日)と『桜姫東文章』(28日)を…!!! 

 

あのですね、余程お金や愛情を注いでいない(注ぐ余裕がない)限り、普通1回の公演で1日しかチケット買わないからね、要はね、私、観られなかったんだよ…!?

 

特に36年ぶりの上演の『桜姫東文章』はマジでどうしてくれるんだ…

私の桜姫を返せ…!!(絶許)

 

みたいな感じになってました。歌舞伎は詳しくはないけど玉三郎さんは好き!

下の巻は真ん中らへんの日付を意地でゲットしました。安い席ですが。

これが観られなかったら廃人確定なので、もう天に祈るしかありません。

 

逢いたい 見たい 仏神様 姫に わが子に どうぞ逢わせて 下さりませ

 

桜姫始まりの清玄との割台詞であるけど、マジこんな気持ちですよほんと。

「姫に」って言ってる清玄に共感しかないわ。(「わが子に」は桜姫)

 

愚痴は尽きないけどとにかくコロナは許さないということで心の決着をつけていこうと思います。政府を恨んでも仕方がないというかどうしようもないので。(諦め)

ただ「劇場は開けてOKで映画館は閉めろ」はマジで意味不。映画関係者の皆さんがキレるの分かるし、頼むから演劇と映画の溝が深まるのを煽るのだけはマジでやめて。劇場も映画館も変わらんだろうが、というか普通に考えれば映画館の方がリスク少ないでしょうが。いやだからって劇場閉められるとそれはそれで困るんですけd

 

まあそんなこんなで(どんなだ)、行ってきましたコクーン歌舞伎

というより、『アジアの女』(2019/09/20)以来シアターコクーンに行ってなかったのでシアターコクーンに「久しぶり!」って感じでした。

(主に商業演劇やってるのでとにかくチケットの値段が高いわキャストが豪華で取りづらいわ、で滅多に行かないです。パルコもだけど。)

 

相変わらずだけど、個人的に渋谷は行くだけで疲れます…。

帰り道、駅前で「コロナは嘘だ!」と、うそぶいている変な団体いたし。東京こわ。

 

あと、私の罪悪感を軽減するために書きますが、対面授業の帰りに観に行ったから!

対面授業もなくて家にこもれるときにわざわざ観に行ったわけじゃないから!

ここは小さく主張するから!

 

 

では、いつも通り前置き長くなってきたので、そろそろ感想まとめようかな…。

 

 

あらすじとかのもろもろ

 

公式はこれです。

www.bunkamura.co.jp

 

観に行く前に読んだあらすじとかのサイトはこれ。

enmokudb.kabuki.ne.jp

 

上のサイトが詳しすぎずかつ分かりやすくて、とりあえずWikipedia先生とこのサイトで観るのに不自由はしませんでした。

ただ公式サイトを見るのが観劇後だったので、笹野さんが出演されてるのに気が付かなかったです。歌舞伎役者じゃない方がたぶんやってんなあ、とは思っていたけど笹野さんか。

(2階席下手側だったので、花道は全く見えず、役者さんの顔も表情が分かる程度でした。でも表情分かればそれでいいタイプの人間なのでオペラグラスは結局使わず。花道部分は想像というか妄想というかそんなんで補いました。音だけで観るのも割と楽しかったといえば楽しかったです。)

 

コクーン歌舞伎に関してはあれですよね、18代目中村勘三郎唐十郎状況劇場(紅テント)を観て、「これだ!」ってなって、「テントで歌舞伎をしたい」ってなって始めたやつですよねたしか(ざっくりの知識しかない)。

紅テント含め、テント芝居って何回かしか観に行けてないんですが(潔癖症には辛いトイレ問題がある)、確かにあの、「ちょっと普通じゃないことやってる」というのを含めた高揚感というか一体感はすごい。

なんとなく60年代ってこんなだったんだろうな、的な雰囲気が少し味わえる気もします。

実際の60年代の高揚感には敵わないんだろうけど。

 

歌舞伎も、60年代から始まるアングラ・小劇場運動も、正統(能楽、新劇)に対して異端というかアウトローというか、おおまかな理解でそんな感じなので、伝統芸能になりつつあった歌舞伎が「(以前の現代演劇・実験劇としての)歌舞伎の原点」を、60年代当時の時代の空気をたっぷり吸い込んだような状況劇場の活動に見た、っていうのは面白いな~、と思います。

 

逆に、アングラ側は「『伝統』を自らの演劇に積極的に生かそうとした」*1、みたいな感じもあって、この辺結構面白いです。

私、レポートも書きました(ドヤ)…A+じゃなくてAだったけど…評価…何が駄目だったんだ…。直したいから教えてほしい…。

 

まあなんとなくざっくり分けると唐十郎とか蜷川幸雄とか寺山修司は歌舞伎ぽくて、鈴木忠志とか太田省吾は能サイドかな、って感じです。あくまで感じですけど。

 

詳しく知るには『日本の現代演劇』扇田昭彦、岩波)が、今のところ、このあたりの事を知るアウトラインを頭の中に作るのにすごい良いです。教科書指定していいと思うんだけど教科書指定になってる講義とか特にないから、もはや指定するまでもなく読んでおいて当然、みたいなあれがあるんだと思います。勉強不足が辛い…。

そういえばどっかで、扇田昭彦さんについて、「あんな狂人だらけのど真ん中にいて、普通でまともなあの人が1番狂ってる」みたいな面白いことを、誰か書いてたか言ってたような気がしたんですが、誰だか忘れました。誰だっけ…。

 

 

感想(※歌舞伎に関しては初心者です)

追記:舞台の写真があがってました!!

www.kabuki-bito.jp

色々やってる開演前

下手側(花道側)の最上階で観ていたので、花道は見えなかったんですけど、上手側にも、お祭り会場にありそうな休憩場所みたいなセットがはみ出してて、「うわあ、なんか立体感あるなあ」みたいに思いました。

考えてみれば、歌舞伎座とかで観る歌舞伎って「飛び出す仕掛け絵本R指定)」みたいな感じですよね。(表現)

花道で飛び出てはいるけれど、なんかどこかのぺっと二次元的というか。横幅長い舞台だからなのかな。

 

でもシアターコクーンは普通の?馬蹄型の劇場なので、当然横幅は狭くなるしその分奥行きの方に意識が行ったような気がします。

(実を言うと、立体感とか奥行きがここまである歌舞伎、当然観たことないので、最初どこ見ていいか分からなくて暫く戸惑ってました。笑。)

 

あと、とりあえず開場したら早めに席についておこう、みたいなのがモットーとしてあるんですけど、今回も正解でした。

夏の夜とかによく実家で聞いてたような虫の音が開演前からしてたので、これはなんかあるかもな、と思ってたらやっぱり(笑)。

 

最近開演前からゆるゆる始まるやつが多い気がする。気のせいかな。

 

案の定というか、なんというか、夏の祭りの時期の話なので、なんとなく登場人物にまだなりきっていないような状態の役者さんがゆるっと出てきて、お祭りの準備(舞台開演の準備)をし始めて、それが結構ショートコント風だったりして、のんびりと面白かったです。

黒子さん、というか、今思うとあれ笹野さんかな、なんかそんな人が最前列のお客さんに向かって消毒液らしきもの噴射しまくって遊んだりとか。

お客さんもお客さんで手を消毒してもらいに身を乗り出すという(笑)。ノリがいい!

 

三味線の人とかも、なんかそういうお祭り準備的な中を通って、御簾っぽいのがかかっているところに入っていくので、ほんとに、物語上のお祭りの準備をしているのか、今から始めるお祭り(演劇)の準備をしてるのかがよく分からなくて面白い。

 

しまいには神職の方も出てきてみんなでお祓いしてたよね。

はらいたまえ~きよめたまえ~」って。

私、歌舞伎の『夏祭浪花鑑』を今回初めて観たので詳しくは分かんないんですけど、多分これも演出だよね?? 

だとすると、やっぱりお祭りの準備なのかお祭り(演劇)の成功祈願なのか、はたまたコロナに関連して悪疫退散なのか分かんなくて、もっと面白い。

 

客席に降りてくるとかそういうことをしている訳でもなく、客席と舞台で展開される物語の次元がゆる~く感じにつながってるような状態で始まっていったので、最高でした。

(こういうのでパッと思い出すのは、映像で観ただけだけど蜷川幸雄演出の『タイタス・アンドロニカス』かな。あれ確か、タイタスを演じる吉田鋼太郎さんが、「(今しがた諸々のチェックとウォーミングアップ終えたみたいな感じで)さあ、そろそろいこーか?いーかい?んじゃいくよー。はい、よーい、はい!」で芝居が始まってた。それで凱旋のシーンにつながってく。)

 

冒頭から泥場(舅殺しのところ)の前ぐらいまで

もともと結構な段数ある歌舞伎(全部で九段もあるらしい)をどうやって2時間で処理すんのかな、と思っていたら、いきなりの(たぶん笹野さん)ストーリーテラー、いやちょっとなんていうのか分からないんですが、なんか現代語によるナレーション的に始まるという。

一気に物語背景とか説明しちゃってましたね。

さっきも書いたけど、開演前から物語と客席の境が曖昧なので、その2つをつなぐ仲介役・進行役が出てきてもなんの違和感もなかったです。すごい。

ちょいちょい登場人物に絡みに行くタイプの進行役でした。(笑)

 

登場人物は登場人物で、当たり前だけど関西の訛りがあったのでなんか新鮮だったし、そういう絡みというかツッコミじみた茶々が入るので、ちょっとコント風というか、大分コミカルに始まっていて面白かったです。

 

そういえばコロナ禍になってから、歌舞伎座とかでも大向こうの掛け声がNGになってたんですけど、

 

今回は役者さん同士で、「お前いまのカッコええやん」的なノリで、

まるでセリフの一部みたいに言い合う

 

というまさかの手法。たしかにこれなら客席間の飛沫感染の危険は減るか!

コミカルな雰囲気がずっと漂っているので、すごいハマってましたこれ。シリアスなやつだとさすがに難しそうだけど。

 

あと、台詞が超速いスピードでした。

この間観たのがオンデマンドの桜姫東文章』 で、全編ほぼ歌い上げるような七五調だったから余計そう感じるのかもしれないんですが、にしても通常の1.3倍速な感じがしました。

 

あと、シアターコクーンのキャパって歌舞伎座の半分以下なので、そんな中でスピード上げてやればそりゃ熱量もあがるよね。芝居の密度みたいなのが凄い高かったです。ちょっと爆発しそう。

(そして紅テントの公演とか観たことある人は絶対こういうの感じた段階で、たぶんどっかでアレがくるのが分かる。爆発しそうになったらどうするか。お外に流してあげればいいんですよ…笑)

 

団七と徳兵衛の辻札使った立ち回りのところとか、始まってすぐなのにすごいボルテージでしたね。フェスにでも来ちゃったかと思いました(笑)。

(そういえば私が観た日、ここで辻札の上の部分が割れるかなんかして、最前列のお客さんのとこまで吹っ飛んでました。間違いなく事故だろうし、怪我とかなくてよかったし、こんなこと思うのもあれなんですけど、なんかモノが壊れて、役者・客が怪我するかもしれないぐらいに、舞台の熱あがってきてるって考えたらかなりテンション上がりました。でもさすがに危険ですね。せいぜいテント芝居最前列あるあるのびしょ濡れぐらいが妥当です。みんな濡れてもいい服で行こう!)

 

唯一のツッコミどころは、お辰さんが顔に傷を自分で作ったあとも明らかに美人なことぐらいかなあ…。初見だったので思わず、「いや全然美人やん!?」ってなってしまった。

どうせならお岩さんぐらいやればいいのに…参考映像で観ただけだけど玉三郎さんのお岩さん毒を飲まされ顔が崩れて髪梳きして髪の毛まで抜けちゃったあとまで壮絶な色気があるとか謎現象起きてたな…あれは謎だった…。「目病み女に風邪引き男」ってか…??目病みのレベルはとうに超えてるけどな…??いやマジで超半端ない色気…桜姫……

 

※軌道修正※

 

あ、美人といえば、琴浦めっちゃ美人でした。あれは磯之丞惚れるわ。でもなんかピュアな美人だったので、もうちょい年齢いってるか、ピュアじゃない美人やってるのが見たいです!!(性癖)

 

あと磯之丞、坊ちゃんぶりが最高で正しく放蕩息子な感じは良かったんだけど、全然人を殺しそうな感じに見えないので、ナレーションベースで言われるとちょっと引っかかりました。

「あの人は人を殺せるような人じゃない」とか現代でもよく聞くけど、別にこの殺人はきっかけであって、この劇の重大事件って感じの取り扱いでもなかったので、寸劇とかで殺しの場面が入ってたらするっと流せたなあ、と個人的に思いました。

 

泥場ーもはやホラーでしかないー

そして来ました。メイン(だと勝手に思ってる)!!

いや私、歌舞伎に関しては、エログロの部分が見せ場だと思っている節があるので…。

 

にしてもこの場面かなり面白かったです。

演劇を観ていて、登場人物の状況に対して、しんどい、とか思うことはあるんですが、その人の気持ちが分かるかと言えば、分からないね、みたいなことが多いんです。

でもここはなんか分かる。あんなに煽られたらムカつくわ。むしろよく我慢したと思う。

 

つまり義平次をどんだけヤなヤツに出来るかにかかってるわけで(笑)

途中何言ってるのか分かんないところを含めて笹野さんすごかったです。

謝ってるのに、目の前でお尻ぺんぺんとかされたら、もっと早くブチ切れてもおかしくないのに団七ほんとによく耐えたえらい(何目線)。

 

演出も怖くて最高でした。

だんだん舞台が暗くなってきているなあ、とは思っていたんですが、ほとんど本物の炎の明かりだけにするとはびっくりです。もはや肝試しやんけ。

 

手持ち出来る炎なので、黒子さんたちが持って、舞台の動きに合わせながら必要な部分を照らしているのも、見えそうで、でもはっきりとは見えないので怖さが倍増。

 

途中からサーチライトも加わって、舞台後方に出来る影絵がさらに綺麗。

一端2人がもみ合いになって、団七だけが花道に行っちゃう時があるんですけど、ほら、影絵って遠くに行けば行くほど、大きく映るじゃないですか。

だから、舞台にいる義平次と、影だけが暗い舞台後方に超でっかく映っている団七、って構図が、いかにも義平次の死亡フラグ立ちまくりで、めっちゃ好きでした。

 

あとガチの泥と水とかを使うので、なんとなく湿っぽい感じもして、ちょっと不快な夏の夜感がある…。

それまでも結構、「うわあっついな!?」、と思っちゃうぐらい。照明音響演技エトセトラでかなり夏感は出てたんですけど、ここはすごかった。

 

あと薄暗い中に浮かび上がる化粧した白い肌と、青っぽい刺青と、めっちゃ真っ赤の下帯のコントラストのえぐみが凄い…(語彙力)。そして全然掃除してない堀レベルにどろどろとした池に沈んでく義平次の老人らしい骨ばった足…。

頑張れば血の匂いとか汗の匂いとかしてきそうです。

こういう、なんかうまく言えないけど、「臭い」感じって、きっと伝統芸能の中でも歌舞伎にしかないんじゃないのかなあ、と勝手に思ってます。

 

いやあいいもん見た。にほんごであそぼでコスプレしてるトリッキーなおじさんその2とか思っててすみませんでした。(ひどい)

…その1は言わなくても分かるよね。ゆあーんゆよーんってアクロバティックな朗読してる狂言方のあの人だよね。ややトラウマだよあれはほんとにリンク張ったろか

 

youtu.be

 

※再び軌道修正※

 

あ、それで殺し終わったあといきなり後ろの幕がバッって開くんですね。

暗い舞台で目が慣れていたから、ギャーッてまぶしさです(笑)。

そしたら突然お祭り隊…なんだろあれ、だんじりとかなのかな、なんかとにかく超大人数(実はバレエのコッペリアよろしく人間が人形を操っていたり、デカい鏡を何個かおいて人数が多い様に「見せてる」だけという。すご。)がわらわら出てきて、団七はそれにまぎれるって感じなんですけど、ここめっちゃ良き…。

 

だってヤンチャぶってるけど普通の人の団七が、舅殺しに至るって、相当精神がハイ状態じゃないとできないじゃないですか。

で、一通り殺し終わって一瞬フッと静かになったと思ったら、また次のハイ状態(お祭り)がくるってもう混乱しかない。最高。観客も休憩できないじゃん!!

 

限界までとっ散らかって混乱してぐるぐるしてる感じでした。舞台の雰囲気が。

ドラッグ切れた瞬間にドラッグ吸ってるようなもんなんだもん(表現)。

そしたら待ってましたの舞台後方搬入口がドガーンと空いて、お外にみんな踊り狂いながら出ていったので、「キターーーーーー!!」ってなってました。

テントだと壁取っ払うの簡単なんでよく見るんですけど、劇場でこの「お外へGO」の演出見るのは初めてかなたぶん。『真情あふるる軽薄さ 2001』とかの映像でしか見たことなかったので私もテンション爆上りっス。

 

最後、静かになってなんも無くなった舞台で、徳兵衛が団七の雪駄を見つけてハッとして幕。緩急が好き…。なによりこれで原作通りなのがすごいね…。歌舞伎やっぱり面白いかもよ…??

 

団七、捕手から逃走~最後まで

正直色々あったとは思うんですが、団七が逃げ回りながら複数人の捕手相手に一対多数の立ち回りするところから最後までが、最高にクレイジーだったのでもうそこしか覚えていないです。

 

逃げ回るって言ったって所詮舞台の上だけでしょと思ったそこのあなた!!(どした)

違うんですよこれが!!(深夜テンションただいまの時刻23:32)

 

あの、特撮とかで使う、ミニマムな建物あるじゃないですか。あれ使ってたんですよ。

で、団七や捕手が舞台を走り回ったりするのに合わせてそれも動かしてて。

 

いや正直最初ちょっとサイズ感(人>家)とかで笑いそうになったんですけど、思いのほか団七が町中駆け回っているように見えたんです。

なんかカメラ持って団七を追っかけているみたいな気分になりました。

屋根の上に上って走ったりもしててかっこいい…。

映画のアクションシーン見ているみたいな感覚になったので、舞台のイリュージョンの力ってやっぱりすごいです。

 

とか感動していたら、比較的大きい家の背後にみんな一斉に隠れて、何をしだすかと思えば、屋根の上に自分たちそっくりの持ち手の棒付き人形を出してきて、スタントマン顔負けの、屋根から落下する演技をお人形さんにやってもらうという(笑)。

 

しかもその後、役者さんがまた出てきて駆け回る時、体の関節曲げないように…要はさっきまで演技してくれてたお人形さんの身体性をまねて、カクカクぎこちなく出てくるのでもう爆笑ですよね。

人形振りかよ(たぶん細かく言えば違うのかもだけど小さいことは気にしません!)。

 

最終的には、ミニチュアの家をボールみたいに投げてました。

映画でいうならきっとアクションが激しすぎてブレブレでよく見えないあんな感じな気がします(笑)。

 

 

で、なんかまあ色々すっ飛ばして、徳兵衛に助けてもらって「さあ逃げようや」みたいになるんですけど、じゃあどこに逃げるのかって言ったら、やっぱり「外」だと思うじゃん??

だってさっきはお外に出て行ってたし??

「ここ(舞台)」にいたら捕まるわけだし??

 

それでやっぱり2人とも搬入口に向かうので、「あそろそろ終わるな」とか思ってたら…!!!

 

開かないんですよ…!!!

何で??さっきまで開いたじゃん!!!???

 

団七も徳兵衛も観客全員も絶対思った。だよね??

2人も搬入口前で「えッッ?」ってなってたように見えました。

そしたらその後、視線合わせて、だんだんカラカラと笑いだして。

(ついこの間サム・ペキンパー監督のワイルドバンチを観てたので、一触即発とか危機的な状況での笑い、ってことで連想ゲームしちゃいました)

 

今度は客席の方に向かってくるんですよ…!!!

スローモーションで…!!!

 

照明は激しく明滅繰り返すわ、記憶違いじゃなければ太鼓は耳割れんばかりに鳴り響くわでもうクラックラですホント。

 

「うわっこっちに飛び降りてくる!!!」

2階席のヤツがこう感じたんだから1階席のヤバさは計り知れない。

 

って思ったちょうどその瞬間、舞台の一番手前にあった簾みたいなスクリーンに2人の顔のイラスト?(たぶんポスターと同じタッチ)がドアップに一瞬映って幕切れ、って感じでした。

 

か、かっこいい…( ゚д゚)

 

え、なんですかあれですか、団七と徳兵衛、スクリーンに阻まれて閉じ込められたようにも私には見えたんですけど、扉にも阻まれたように、物語の「世界」からはどうあっても逃れられなくて、舞台からも降りたりすることは「今は」出来ないけど、信じられる仲間もいることだし、それならいっそ開き直って、この「世界」全部笑い飛ばして(笑う、ってことは笑われる対象より優位に立つことなので)、逃げられるだけ逃げまくって、熱い友情のめくるめく冒険逃走劇繰り広げて、最終的にはそのエネルギーに耐えられなくなった「世界」の方がヒビが入って砕けちゃう感じのあれですか????最高過ぎないか???それとも私の深読みが激しいだけか???少年漫画的終わり方最高しんどい。(語彙力とテンションは振り切れた)

コロナの状況ともなんか重なって最高過ぎます。演出超絶イケメンかよ。

 

音楽がイケメンすぎる件について

イケメンと言えば音楽。生演奏。HOOOOOOOOO!!!

 

聴いた方なら分かるあれはマジでかっこよき。

笛のブレスの音まで鋭く聞こえるのマジ音響さんに感謝しかないし、太鼓の長いソロとか耳が幸せだったんですけど…。

 

しかも歌舞伎だと見せないことはないけどあんまり見せないのに、ちょくちょく花道とか上手側で見せる演奏してたし…。花道で演奏してると思しき時なんか、下からもろに音楽くるんですよ。ナニコレ特等席かもしれない。(錯覚)

 

いやたぶん音楽抜いたら感動5割減どころか8割減でしたねあれは…。

演劇観た感想を文字で説明するのって超ムズいんですが、音楽はその遥か上を行くムズさなので、「かっこよすぎで惚れた」と言って終わっておきます。

 

全然関係ないけど『ファーザー』が死ぬほど観たい

劇場近くのエレベーター乗り場にポスター飾ってあって、というかそもそも上映していることを知らなかったんで、今度の対面授業ある日にまた「ついで」と称して行ってきます。真昼間の回いけそうなので、そんなに混んではいないはず。

 

…てな感じで、『夏祭浪花鑑』観る前から、完全に意識が『ファーザー』の方にぶっ飛んでたんですけど、舞台始まったら逆に『ファーザー』のことがぶっ飛ぶぐらい楽しかったです。というよりもはや熱狂というか発狂してたね。軽くだけど。

きっと私が変態なんじゃなくて、江戸時代の観客とかもこれぐらい「キャーキャー!」言いながら観てたんだろうな、と思いたい、です…!

 

と言う訳で待ってろ『ファーザー』じゃなかった歌舞伎座桜姫東文章』…!!

着実に歌舞伎沼に片足突っ込んでる気がしますが私が好きなのは能楽です。

能楽のはず、です。修羅能大好き狂言ダイスキ……

(来年には歌舞伎大好き!とか言ってそうで今からお財布君がガタガタ震えています。大丈夫、君はやればできる子や…)

*1:西堂行人、『[証言]日本のアングラ―演劇革命の旗手たち』324p