2021/05/19
Bunkamura ル・シネマ1
いつもよりは短い前置き
感想書くまでに1週間…!!!
あきすぎました。これは致命的…。ちょっとバタバタしてたので…。
おかげで感想書いて残しておきたいやつが溜まってしまった…。
なのでいつもよりは短いです(笑)。
映画館が理不尽に「閉めろ」って言われているなか、開けてくれていたので、対面授業の「ついで」と称して行ってきました。
実は今日国立能楽堂にも行ってきたんですが、全部の席にお客さん入れていたし、おしゃべりも映画館の比じゃないので、なんで「映画館だけダメ」なのかはやっぱりよく分かんないです。
まあ、出歩いている私が言うことでもないんですけどね…。
あ、感染対策はしっかりやってます。さすがに。映画館のほうもかなりがっつりの対策で安心でした。
あと、ル・シネマ初めて行ったよ…出来れば渋谷とか、コロナとか関係なく、単純に街として怖くて行きたくないけど、学校近くでここしかやってなかったからね…。
いつもよりは短い感想
マーク・ゲイティスまたお前か!!!
『マッチポイント』でもそうだけどさ!!!!?
ちらっとだけ出てくるとびっくりするからやめてくれよマイクロフト!!!!???
お気付きの方は多いと思いますが私はSHERLOCKが好きです。
推理モノ基本アウトだけど翻案のセンスと映像とキャストが最高過ぎた。
NHKで放送されていた時は、吹奏楽部の先生ぐらいしか周りで観てなくて、謎の連帯感を先生と共有していました。
顧問兼指揮者の先生との連帯感が、私のクラリネットにどの程度反映されたかはジョンのみぞ知る。ジョオオオン!!(発狂)
いきなりの脱線ですが私の魂の叫びでした。なんであなたはそんなに神出鬼没なの??
※軌道修正※
今度日本でやる同作家兼監督の『Le Fils 息子』のチケットが取れるか今から心配です。
頼むからジャニーズをキャストに入れないでくれ…経験則だけど少なくとも倍率が1.5倍ぐらいには跳ね上がるんだよ…。
(にしてもこの『父』『息子』『母』の三部作の『母』に関しては日本語で触れられるやつあるのかな…仏語まだできないんだよな…)
私の愚痴は置いておくにしても、あらすじに関しては説明不可能なのでもう観てください、としか言えないです。
しいて言うなら壮大な夢オチ・回想に近いかもです。
既に介護施設にいる認知症のおじいちゃんのみた夢的な感じ・長い回想というか。
あくまで、しいて言えば、なんですけど。
なんか、映画って普通…めちゃくちゃに継起的…
とか難しい言葉使うと、書いてるうちにわけわかんなくなるので…
かなり直線的じゃないですか。他の媒体に比べると。
えーっと、ある一定の結末に向かって最短距離で鉄道みたいに綺麗に進んでいく、というか。
映像で
A(例えば、料理がいっぱい載ってるテーブルがある)
→B(料理がいっぱい載ってるテーブルに人が集まる)
って並んでたら、「ああ料理が出来たから人が集まってきたんだな」的な理解するし、これって現実世界でも大体同じようなことしてるので、まあ映画観る時も普通そういう風に観てると思うんですが、
これが通用しねえ
もう感覚として、1本、所謂「古典的ハリウッド映画」的な映画撮ったあとに、いろいろあってキャストが何人か降板しちゃったから仕方なく新しいキャストで撮り直して、その2本のフィルム引っ張り出してきて、適当に切り刻んで適当につなげてできた世界にぶち込まれた感覚というか(どんな感覚)
でも気のせいじゃなかったら、時計が結構重要なモチーフで出てくるんですけど、その割には(セリフから判断できる)昼夜問わず窓の外は一貫して明るいんですよね…。
夜8時であそこまで明るいか普通??それとも私の見間違い???
主人公、1回もフラットの外に出ないのでイマイチわかんないんです…。
(しかも主人公がフラットの外に出ない、なにか不都合があると廊下の突き当りにある自室にこもる、という行為までラストの伏線になってて、しかもそれがものすごく映像として効果的に構成されていて、これが初監督作品とか、天は二物を与えずとか絶対嘘だ。神様のばか。)
もうね、途中からね、とにかく怖い。
誰だよ心温まる感動作とか書いたやつ(怖さのあまり上映中に心の中でキレた)
「自分が今、見たり聞いたりしていることは、本当に『今』という『現実にあった』ことなんだろうか??」
ってなる。絶対なる。まじ色んな所で書いてあると思うけど、認知症を外側からじゃなくて内側から、自分の感覚として体験できる。
あのほんとに、途中から、スクリーン上に映っていない…スクリーンに隠されたっていえばたぶんバザン先生あたりは喜びそうだけど、とにかく、映像としては観客から見えない空間がものすごく怖く感じました。
次は何があそこから出てきて、自分の知覚に対する信頼を脅かすんだろう、って。
見えないスクリーンの外側が、半分閉まったドアの向こう側が、こんなに怖いなんて…
なんのホラー映画だよ。
アンソニー・ホプキンス出てる段階で気づくべきだったよ…(褒めてる)
天才サイコスリラーおじいちゃんはじめ(冗談抜きで空気が凍り付くような部分もあった)、俳優陣も上手い人ばっかで、そりゃ賞も取るよな、って感じなんですが
とにかくセットが1番すごい
微妙に変わるんですよ、本当に微妙に。気持ち悪いな、程度に。
記憶がおぼろげになった感覚にさせるとかマジ映画の勝利。
これ舞台でやったらそれはそれで最高に面白いだろうけれど、こういう追体験的な面白さと怖さはここまで出ないと思います。
没頭しがちな映像だからこそできた芸当。監督マジ天才。
あと冒頭からやたらフラットの中のドアを強調した謎の撮り方も、セットのすごさありきでしんどすぎるラストに繋がっていくのでほんとにやばい。
もう絶対どっかで配信すると思うから絶対に繰り返し観る。超観る。
ラストの、主人公が自分の名前すら忘れてしまったあとに、カメラが窓の外に向かって行って、すんごい綺麗な緑で、穏やかな様子の木々を映したのが、結構希望的でもあるしそれが逆に絶望的でもあるという、なんだか相反するしんどすぎる印象を持ちました。
いずれ全て忘れてしまったら、あの木々みたいに穏やかになれるかもしれない、って辛すぎるよね…上手く言えないけど…。
毎日生まれて毎日死ぬようなもんだから、そりゃあキラキラで穏やかかもしれないけどさ…施設にも入って専門家も近くにいるし…。
でも、それって、たぶんもう、生きながらなんの不安もない天国に片足突っ込んでるようなもんで、それはやっぱり辛い気がする…。
どうしようもないことなので、それが余計に涙腺にキました。
とてもじゃないけど1回じゃ足りない映画なので、配信とかDVDを待とうと思います。
とにかくいろんな意味で圧倒的な映画だったと思います。
笑える部分もたくさんあるし、でユーモアのバランス感覚も最高。
なんか結構前に観たやつだからぼんやりしたことしか書けてないし、書いてたら、思い出してしんみりしてきたけど、次は狂言の感想だ!!
テンションあげて書いちゃうぞ…!!