感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

六月大歌舞伎第二部『桜姫東文章』下の巻

2021/06/16

歌舞伎座

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美しすぎる…。(語彙力崩壊)

 

これで感想終わろうかと思ったんですけどさすがにあんまりなのでもうちょっと書きます(笑)。

 

四月の上の巻を中止で観られなかったので、もう観られただけでも奇跡。

末代まで自慢する。(動機が不純)

 

というか明日『キネマの天地』観に行くし、単純に坂東玉三郎さんの桜姫が観たかっただけで取った舞台だったので、さっくり順番通りに感想まとめて終わるよ…。最近寝不足なんだ…。

 

ではレッツゴー!!

 

順番通りに感想並べただけ

 

あ、全体のあらすじこれです。(他人任せ)

enmokudb.kabuki.ne.jp

 

出だし、幕外で、写真を映しながら上の巻のあらすじ説明してくれるの、親切だなー、と思いました。なんか井上ひさしの劇に出てきそうな感じの雰囲気でした。発声のせいかな?あんまり歌舞伎は詳しくないから分かんないですね。

 

なんか出だし、そういう現代劇っぽい印象で、ん?ってなりながら三階席から観てたんですけど、清玄出てきてからもうどうでも良くなった。

権助と同じ人がやってるの信じられない。どういうこと。あんなに正反対の役の切り替えって、あそこまで明確に出来るもんなのすごすぎでしょ。

 

 

 

ってぎゃああああああああ桜姫ええええええまってたあああああああああ!!!

(この程度の発狂で済んだのが奇跡なんだよきっと)

 

 

 

ええええ、やばいなんかもう後ろ姿から指先まで美しすぎるんですけど…。えええ70オーバーとか絶対嘘だってだって19かそこらにしか見えないよ…美…(あれ桜姫って17歳ぐらいだっけ…20歳はいってないよね確か…いや知らんけど…)

 

ヤバい…仁左衛門さんと玉三郎さんヤバい…もうヤバいしか言えない…。

なんか声の通りからして素敵すぎる…。

桜姫と権助の再会シーンでの、愛欲と金欲がぐちゃぐちゃになったあの雰囲気何なの…私はなにを見せられているの…。

あああ桜姫色気やべえ…瞬き1つすらなんかもうR18…(言い方)

 

桜姫の化粧のシーンとか超やばい。さっきからヤバいしか言ってないけど、マジこれ覗き見していいの?!見るよ?!思いっきり?!??っとなる。そのぐらいなんかすごい。いつものブログに比べると格段に語彙力下がっているように見えるかもしれないけど、いつものブログの内容も、キチンとしないと大体こんなレベルの事しか思ってない。

桜姫ずっと見てたいって点では清玄とお友達になれる気がする。

 

 

そして雷で蘇った(?)清玄が桜姫に襲い掛かる立ち廻り、もうこれぞ歌舞伎!!って感じだった。巻物バッて投げたのが綺麗に広がっていったり、清玄が瀕死の重傷追負ってもまだ穴の底から這いあがって桜姫に迫ってくる執着の滑稽さとかすごい。

 

だって人が死にかけてるのに観客席で笑いが起こるんだよ???

 

最高過ぎない???

 

この舞台…いや桜姫か、彼女から伝わるエネルギーが強いから、清玄がそれにすがろうとして退けられて死んでいくのが滑稽なのか。

 

前世とか知ったこっちゃねえ、お姫様だろうが好きな男についてっちゃうよ、刺青だっていれるもん!!っていう自由さが観ててすっごいかっこいい。

 

 

…あ、そっか桜姫ってかっこいいのか…納得…。

 

 

そのあと戻ってきた権助(考えてみれば清玄との早変わりとか信じられない)と花道に出た時に桜姫が「毒を喰わば…!!」ってなんもない上空に向かって叫び捨てるの、尊すぎる…。

人が何かを決定的に覚悟する瞬間ってすごいよね…なんか上手く言えないけど…。

しかもそれが超美人で色気たっぷりでなんなら事故死とはいえ直前に人死んでるんだぜ…ヤバくない…??

全然汗とかかいてなさそうだけど、桜姫のこめかみあたりから一筋落ちたような強めの幻覚は見えたよね。美しすぎる。

 

そっから色々あって桜姫による怒涛のギャップ萌えの提供過多…(表現)

あああああああなにあれぶっきらぼうな言葉遣いしながらも「自ら」とかついつい使っちゃってあわてて言い直すのマジ萌え…(70代とか考えちゃいけない)

遊女のときの世話のセリフ回しとお姫様に戻っちゃうときの時代のセリフ回しと声のトーンの使い分けとか天才でしょってそういえばこの人間国宝だったなんだお宝かじゃあもう天才だねわーい宝(テンション)

 

しかも世話っぽい時の桜姫、お姫様の時よりも強そうで、女形の本領発揮って感じでしんどい…。

 

つまり、性的魅力の最も洗練されたかたちは(そして性的快楽の最も洗練されたかたちも)本来の性に逆らうところにあるのだ。男性的な男の最も美しいところは、どこか女性的であり、女性的な女の最も美しいところは、どこか男性的である……。

 

ソンタグ「<キャンプ>についてのノート」『反解釈』438p、筑摩書房) 

 

なんかこれを実感した気がします…。というか今考えてみると女形の人って現実レベルと物語レベルでに二重に魅力的って事じゃん…強い…。

 

とにかく、眉をひそめた時の険しさとか、手とか、声の太さとか、桜姫の中にそれまでよりも男性が透けて見えた時、なんかよく分からんが喉の奥から変な声出そうになったよね…よく耐えた私…なにあれすっごい…(変態)。

 

そしてまあ、息の合うとはこういうことか、となんかものすごく腑に落ちました。権助と桜姫の二人っきりのやり取りで。二人の間に透明な糸が見えたね。伸びたり縮んだりはするけど絶対切れない感じの絶妙なバランスのなんかあれ。呼吸って大事だなあ…。

 

そんでもってさっきまで好き勝手生きてやるぜ!みたいだった桜姫が、権助と子供を、殺さなきゃいけなくなる悲劇の部分のすばらしさな。

 

「大切な子供なのに…」

「一度は愛した(というか愛してる)男なのに…」

 

みたいな最高につらそうな表情を浮かべたあとで、とんでもなく美しくてキリっとした表情で刀振りかざす桜姫まじ魔性…姐さんと呼んでもいいですか…??

 

というか三階席から観てたのに、手に取るように桜姫の感情が伝わってくるとか何事ですか。すごくない???

あと常にヤリ目でしかない雰囲気出てた権助のクズさも最高。

 

最後は割と華やかでカーテンコール(って名称じゃないとは思うけど)主要な役者さんたちが勢ぞろいしてお辞儀しながら「本日はこれにて(的な事を言ってた)」って終わるのも、意外と後味さっぱりで最高でした。

 

あああそれにしても桜姫…かわいいしかっこいいし色気あるし度強あるし強いし…完璧じゃん…玉三郎さんはもうなんか神様の域じゃない…???

 

 

ガチで末代まで観られたことを自慢したいと思います。上の巻観られなかった時は図書館で上演台本読みながら半泣きしてたけど、ようやく報われた気がする…。

 

あ、ブロマイドは三枚買いました。我ながらいいチョイスだと思う。

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加工する元気がなくて無加工なのにこの美麗さ…。

桜姫が美人なだけじゃなくイケメンだったことが分かったのが今回の収穫でした…。

右下が特にお気に入りです家宝にする…。しんどい…。