感想日記

演劇とかの感想を感情的に書きなぐってます。あくまでも「感想」だし、備忘録としてネタバレしまくりなのでぜひ気を付けてください。※諸事情でFrankenstein関連の記事1回引っ込めます。8月になったら戻します。

『フォリーズ』Follies

2021/07/30

シネ・リーブル池袋

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公式から



 

 

 

観てきました!『フォリーズ』


前に観たことあったんで、感想はいいかなー、とか思ってたんですけど、やっぱこれ何回観ても感動するな!(逆ギレ)

monsa-sm.hatenablog.com

 今読むとやや憤死レベルな気もする…これがブログの醍醐味…(たぶん違う)

 

取り壊しの決まった劇場に、元ワイズマン・ガールたちが集まって同窓会するだけの話なんですけど、「在りし日の姿」「あの頃の姿」の俳優さんたちがいるのがマジですごい。

 

 

そもそもさ!

彼女or彼らの「あの頃の姿」なんて!

普通にやったら観客には見えないわけじゃないですか!

それを!舞台上に!亡霊的にあげちゃうって!天才かよ!!!??

 

 

って毎回なります。


抗いがたいノスタルジア(みたいなもの)に巻き込まれていく感がヤバい。

 

とんでもない発想ですよほんとに...。

 

マジで途中から若い時役の俳優さん出てなくても、「あの頃の姿」、微妙に見えてくるからね...。


幻覚最高だぜ...(言い方)

 

しかもしかも、ラスト、みんなで酔っ払って、「あの頃は良かったね!」とか「今思い出してもムカつくわ〜笑」とか「なんで今こんなになっちゃったんだろ...」とかひとしきりやって、ほんとの最後の最後、若い時のサリーとかフィリスとかが劇場の前に一瞬集まったと思ったら、もうほぼ廃墟じゃね?ってなっている劇場の入口に支配人さんがチラッと出てきて、帽子をカッコよく被ってキメ顔して終わりなんですよ!!

 

テンション上がるねこれ!!!


「あの頃」っていう1つの夢にピリオド打ったみたいにカッコイイし、しんどいね!!?

 

となりました。たぶん前回は見逃してた感がある。

 

 

あと前回観た時はそこまで印象に残らなかったけど

 

Oh god, it is tomorrow!(まだ明日があるのね!)

 

的な最後のサリーの叫びが、うわあしんど...、と思いました。

なんだかはよく分からないんですが「あの頃」に戻りたいのに、「明日」に進まなきゃいけないってめちゃくちゃしんどいよな...となったというか…。

 

だからこそ「希望は自分で作らなきゃ」って言ってしまえるフィリスが

 

You're really something!(君ってほんとにすごいよ)

 

みたいに、夫のベンに表現される理由なのかな...とも思ったり...。

 

ああ...それにしてもフィリス...ジェシーとルーシーの歌の部分の、黒くて、スリット深めのドレスで、超セクシーに歌って踊ってたところマジでかっこよかったです...。

最高かよ...いやみんな最高なんだけど...。

 

あと、アンブリッジ先生の次がこれだからね...?

私の中のイメルダ・スタウントン...。

すごいよね...すっげえ(子供心に)大っ嫌いだったのに一気に愛しくなるからね...。

というかこの劇に出てくる人たち全員、「あの頃に戻れないのは分かってるし、ないものねだりしてもしょうがないのは分かってる。分かってるんだけどね...(それでも)」的な部分が透けて見えるから、なんかもうほんとに暖かくてしんどい気持ちになるのでみんな観るべき!(どういう論理)

 

たぶん私も劇場で観てたらスタンディングオベーションからの投げキッスぐらいは送ってた気がする。

うん。割とガチめに。(真顔)

 

あと何回観ても衣裳が素敵すぎます。

時代毎に微妙にテイスト違うのとか最高です。好き。

 

 

にしてもこの前観た時よりえらい感動したので、もしかするとこの1年ぐらいでちょっと内面とか人間性がわずかに成長したのかもしれないです。

それか私のメンタルが今ボロボロなだけか。さあどっちだ。

 

とりあえずまたアンコールやったら観に行こう...。

ホントは今回のアンコール上映、『スカイライト』『リーマン・トリロジーも観にいきたかったんですけど、『スカイライト』は前に観たことあるし、『リーマン・トリロジーもたしか2回ぐらい観に行ってるんで今回は我慢します…。またやってね…。

 

 

てなワケで明日は『誰もいない国』を初めて観に行ってきます!


不条理演劇、もし笑えなかったら許しません!!
たぶんあのキャストでそれはないけど笑

 

あと私の中で、『森 フォレ』の感想はどうしたんだお前、ってセルフツッコミが聞こえてきていますが、全然まとまらないというかぶっちゃけると1文字も書けてないです!!

どうしよう!!大千秋楽までにはまとめたいな!(希望的観測)

あと今回は観た直後に書いているので、テンションの高さが、!マークの多さに表れている気がします!!!

芸劇eyes番外編 vol.3 『もしもし、こちら弱いい派 ─かそけき声を聴くために─』 弱さを肯定する社会へ、演劇からの応答

2021/07/25

東京芸術劇場 シアターイース

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ちょっとだいぶ感想が溜まってきたので、日付順にアップできてません!

 

でもレポートが終わったので焦らずに書くよ!!

 

ということで、行ってきました『弱いい派』

 

前にやっていた展示の方も、『フェイクスピア』を観に行くついでに観に行っていたので、観る前から期待がヤバかったんですが(しかも千秋楽!!、最高でした。

 

…いや…7月に観たのがね…『フェイクスピア』『森 フォレ』『メディア』だったので…いやもうなんかほんと大きくて割とヘビーなヤツばっか観ていて、全部観に行って良かったんですけど、メンタル的にキていて…。

しかも前者2つは「上を向いてor前を向いて強く生きていこう系」だったので、そういうのも元気は出るんだけど、レポートでメンタル死んでる時とかは、その強い言葉とメッセージが逆に辛いという謎現象が起きるので…。

 

とにかく、観に行って良かったです。

そしてこれでメンタル回復した私は、懲りずにJCSコンみたいな大きくて派手なヤツを観に行く…というエンドレス…。

 

monsa-sm.hatenablog.com

 

あと、演劇の情報集めるのがヘタクソなので、こういう風にオムニバスで色んなやつを、割としっかりめにつまみ食い出来るのも素敵でした。

 

 

 

いいへんじ『薬をもらいにいく薬(序章)』

 

ワタナベ君みたいな人が身近にいたらなあ!!

 

となりました。あれはなるよね。

 

精神的に参ってしまって引きこもった主人公が、でも今日は出張先から恋人が帰ってくるし、なんなら今日恋人の誕生日だし、サプラ~イズ!って空港に迎えに行きたいけど、ちょうど抗不安薬みたいなの切らしてて(だから心療内科「薬をもらいにいく薬」すらない)、どうしようかなあ…てなってたところに、バイト先の同僚のワタナベ君が、シフト関係の連絡で訪ねてくる、で話聞いたワタナベ君が「だったら俺空港まで付き添いますよ。それでもまだ無理?じゃあ、とりあえずイメトレして、起こりうる怖いことへの対処法考えてから出発しましょう」、みたいな(うろ覚え)話です。

 

まずなんか、3作品のなかで1番舞台面がポップでオシャレだったなあ、という印象。

 

 

2枚目かな、これだとよく分かんないかもなんですけど、結構舞台面に家具とか、ケースとかが点在していて、そのケースとかから衣裳ぶちまけて、物語進行にそって随時着替えていく感じでした。くるくる変わっていくのでかわいい印象です。

あと個人的に、舞台始まる前の暗転が長めだったのが結構好き。

 

そして展開される会話がすぐ隣で起こっていそうなレベルでリアルすぎて、しかも共感しかなくて、なんか笑っちゃう。

 

(こんな仕事もせず引きこもっている私は)さみしいと思う筋合いさえないのかな」

 

(生存確認かねて来てくれたワタナベ君に対して)生きてます~すみません…」

 

「人がいっぱいいるところのラスボスって感じじゃん。空港って。」

 

みたいなセリフがいっぱいあって。

ああああわかりみ…となりました。すごいわかるこの感じ。

 

ワタナベ君の、「ふ~ん…」ってそっけない感じがまた素敵。

なんか、そのそっけなさの延長で、なんてことない、みたいな感じで助けてくれるのが、すごい優しいなあ、と思いました。

 

あと

 

「俺のキモチ、先回りしないでください」

 

っていうのがあって。うわ~ワタナベ君こういうこと言ってくれるんだ、最高…って思いました。

不安症の人って、というか私もそうなんですけど、

 

「こんなこと言ったり、やったりしたら迷惑かな」

「困らせたりしないかな、困らせちゃって嫌われたりしないかな…」

 

ってなってパニックになったりするので、これは結構ポイントついてきているセリフだな…と。

こういうこと言ってくれるとかなり安心して喋れると思います。

 

それにしても、主人公、にしては、結構、そういうワタナベ君相手とはいえ、ハキハキ言いたいこと喋れてんじゃん、とか思っていて(発声とか含めて)、せっかく小さいハコなんだから、もうちょっと普通の発声でもいいんじゃないのかな…とぼんやり観ていたら、どうやらワタナベ君の恋人が、そういう「助けて」すら言い出せない、醸し出せない人らしくて。

だから主人公は「ちゃんと言い出せる、醸し出せる人」としての対比であんな喋り方なのかな…。

 

あああそれは辛いな、と思いました。

何で舞台下手側に、ずっと心療内科の受付的なスペース作って、男性が1人診察待ちしているのかな、と思っていたらワタナベ君の恋人かあれ…。

物語が展開される街の至るところで、お便り読み上げるタイプの悩み相談ラジオがかかっていて、ワタナベ君が主人公に、恋人とややすれ違いみたいになっていて辛い、って話した後に、「35番」ってラジオネームで、似たようなの内容の相談がラジオで読み上げられて、その時、心療内科の受付の方で「25番の方ー」って呼ばれたときに、待っていた男性が一瞬立ち上がって、また座るので、「あ、きっと彼の番号は35番なんだろうな」と、観客に予想させる素晴らしくオシャレな演出でした。好き。

 

なんか上手く言えないけど、ワタナベ君なら受け止めてくれるから言ったほうがいいと思うぞ…たぶん…。

 

あと、主人公が、玄関の扉から出られない、何かが立ちはだかっている気がする、ってところの演出も好きでした。

 

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Twitterから

 

人が扉の代わりに立ちはだかるんですよね。物理的に。

これもすごい分かる…となりました(詳しくは省くけど私も引きこもり経験者です)

 

なんかとにかく圧がすごいんだよね…。

そのを人を使ってこんなに上手く視覚化するなんて…すごい…。

 

出演されている俳優さんも、5人とかなり少ないのに、主人公、ワタナベ君、バイト先の同僚、ワタナベ君の恋人、心療内科の受付の人、花屋さん…などくるくる衣裳チェンジ&場所移動で、ミニマムに、でもスムーズにやっていたので、すげえ、しか言えません。

 

「私、泣いてしまうかもしれません!」

 

って、主人公が、イメトレしてる時に空港で彼氏に会った想定の部分で言うけど、私も泣いてしまいそうなぐらい感動しました。内容にも演出にも。

 

そういう時に、

 

「泣け泣け」

 

って、なんでもないようなことのように、そっけなく寄り添ってくれる、ワタナベ君みたいな存在が、近くにいる主人公がちょっと羨ましいです(笑)

 

それにしても、ワタナベ君が主人公(シテ)のところに訪ねてきて、空港に行くイメトレ(夢)を舞台上で展開して、最後は現実に戻って、出発のために家から出るところで終わる、とは、また随分能っぽい構成だな…とか思っていたら、次の作品が狂言としか言いようがないヤツでした!!

 

ウンゲツィーファ『Uber Boyz』

全体的なこと

破壊的に笑えるんだけどなんだこのカオス!!

 

何を言っているのかは全然分かりません(笑)。

オタサーにぶち込まれた気分」ってセリフがあった気がするけどそれこっち(観客)のセリフだわww

何が起こっているのかも正直あんまり分かりません(笑)。

でもとにかくめちゃくちゃに笑えるし、舞台上の「彼ら」が「何かのために」必死に生きていこうとしているのは分かる。

「何か」かはよく分からないけど、たぶん「夢」のためなんだろうな、と思いました。

「人の夢は終わらねえ!!」ってセリフがこの物語の中では妙に普通で力強かったし。

 

 

たぶん、「何だかよくわからない」=「弱い」、ってことなのかな、と思います。

でも、「何だかよく分からないけど、そういう奴もこんな必死に生きてんだぞ!」って意味では、たぶん1番「弱いい派」らしい作品だったのではないのかな、と思います。

 

あとは、下に小さい字で書いたように、「よく分からない」ものには、現状のシステムに風穴開ける力がある場合が多いので、「弱いい派」というより「ポスト弱いい派」とでも言えばいいのかな…感はあった気がします。

よく分かる=社会において支配的(マジョリティ側)な言語を使っている=

たとえ取り扱う主題が反・社会的なものやマイノリティ側のものであっても、それは「今ある社会、マジョリティのシステムを逆説的に補強する存在」としての「反的なもの」になってしまう可能性もある。

 

いやそれにしても、「何言ってるのかも何が起きているのかも何だかよく分からないけどめちゃくちゃに笑えて、観客をたまに振り落としつつ、ギリギリのところで妙な疾走感とともにド派手に楽しく終わって、『今さっき』起きたことが『今』は説明不可能」な演劇が大好き勢なので、これは最高に好みでした。

 

プレイハウスでやるなら全然観に行くよ???

たぶん冗談なんだろうけど

 

好きだった部分をこまごまと

『薬~』が終わったあと、『薬~』でも使ってた自転車がぐるぐる走り回っているうちに、舞台がまっさらになるんですが、なんで自転車がさっさとハケないで、ぐるぐるしてるのかな、と思ったらUber Boyz』でめちゃくちゃ自転車で舞台駆け回るので、それ繋がりだったのかな?と今思ってます。

だとしたら面白いな~…違うかもだけど…。

 

したら急に舞台後方に字幕が出て、

 

「多様性の発展の果てに、地球平面説が証明されました!」

 

とかなんとか。

もうこの時点で「これはヤバい劇だwww」とは身構えていたんですけど、予想をはるか斜め上に上回っていくカオスでした。

 

冒頭に、関西弁の、ルフィの姿したコナン君が現れてくるんですよ。

主人公らしき、バスケって人のところに。

いや私の頭がおかしくなったとかじゃなくて。真面目に。

 

 

しかもセグウェイに乗って。

観客の脳ミソショートさせる気かこの野郎(褒めてる)。

 

友情の印(だったっけ?)の腕の✖印まで完璧に再現してて爆笑しかできない。

 

しかもこのコナン君が、ホログラム広告?とかで、要はホログラムって設定なんですけど、なんか、バスケがそれを確かめる方法がビンタなんです。

 

当然生身の俳優さんだからビンタすればめっちゃ当たるじゃないですか。バチーンって。

 

でも結構いい音が鳴ったビンタの後で、全然何もなかったかのように

 

「ほんとだ!!透けちゃう!!」

しかもバスケが、確認のためにコナン君にビンタするのは分かるけど、お返しとばかりにコナン君が、さらに強い力でバスケをビンタするのは全然意味が分からない。

 

とか言うのでもうツッコミが追い付かない。

いい意味で演劇の形式を馬鹿にしまくってます(笑)。こういうの大好き(笑)。

 

物語として、私が理解できたのは、バスケが、ライフバゲッジという荷物を宅配しなきゃいけなくて、その案内役的にコナン君が一緒にいて、その道中でなんやかんやあって仲間が増えたんだけど、ブッチャムという人が、世界の狭間、だか果て?(この世界は平面で階層構造らしいです。だるま落としみたいな。)に落ちて死んじゃって…っていうのがUber Boyz』っていう商品の体験型?の一部らしくて、それがプレイハウスとかDisney+とかで2121年(うろ覚え)?に公開されるから、それまでは死ねねえな!!みたいな…たしかこんな話だったと思うんですけど…正直意味不明すぎて…間違っている自信しかない…。

 

ホントに観客を容赦なく振り落としてくるタイプです。

 

しかも横文字が多すぎて大部分何を言っているのかが不明。

たぶん私これなら全編字幕なし英語劇の方が、まだ物語は説明できたと思う(笑)。

 

とか思って「もう無理だ完全に置いてかれたwww」って観ていると、コーラスとしてブッチャムが出てきてくれたので、なんとか息継ぎが出来る…という…。

 

「みなさーん、こっから(下手)から出て行って、あっち(上手)から戻ってきます。3日経ったと思ってください」

 

とか言い出した時は、いや『ヘンリー五世』かよ、とか思って笑ってしまいました。

 

 

でも客席に向かって「1番奥の人の呼吸まで聞こえますよ」って呼びかけにはちょっとヒヤリとしたり。

 

意外と観客を挑発する・巻き込むタイプの劇なのかな、と思ってい観ていたら、なんかそういう関連で、世界の果て?の境界を、観客席と舞台と境界に設定していたりもして、ハチャメチャに見えて、結構きちんと考えられているな、って感じました。

まあその境を指して「俺たち(俳優)が越えたらいけない2m!」って言うのは「社会的距離かよwww」と思ってやっぱり爆笑したんですけど。

 

で、もう、彼らが使っている言葉もスピード感も、何にそんなに一生懸命になっているのかも、そもそも何を届けているのかも、彼らの素性とかも、分かりそうで、でも結局よく分からないな、となって「あーなんかつまんないかも…?」ってなりかけた瞬間に、またブッチャム役の人がコーラスで出てきて、

 

「そろそろ飽きてきましたか?狭間の皆さん!」

「でも僕たちがこうなっているのは親世代のせいなんです(失笑)!」

 

みたいなことを突如客席に向かって高らかに言い出すという。

 

舞台上の「彼ら」のことを「なんか一生懸命だけどよう分からん…」って投げ出しかけた時に、こんなこと言われたので、いや私実際年下だけど、大分ヒヤッとしました。

伝わるかなこのヒヤッと感。

 

「分からない、見えない、知らない、って親もあなたたちも向き合ってくれないから、こんな小さく閉じたコミュニティで、そのコミュニティ内で通用する言語で、わちゃわちゃやってくしかないんだよ。でもそれでも結構必死に生きてんだよ!そのことだけは今見たよね?だってそこでずっと座って見てたもんね?」

 

みたいなことを言われた気がして。

単純に言うと、親世代=観客、に、されてしまった、というか。

 

私の感想のとっちらかり具合からもわかるとは思うんですけど、あまりにも意味不明なので、これが的を射た感想なのかは分かんないんですけど、とにかく、漫画・アニメ系統のネタとかエヴァンゲリオンとかもあったし金田一もあった)とか言葉遊びとかコロナ関連とかオリンピック的ないじりピクトグラムやれよー!は確信犯だよね?)とかそういうのを、サークル内のノリで超特急に、かつ爆笑を起こしながら展開していくかと思えば、実験的な演劇がよく試みる、観客席と舞台の境界を揺さぶる的な割と真面目なこともしていて、しかも不特定多数の観客をそのまま社会の縮図のように見立てて、そこに「弱い」とされる「彼ら」がメッセージを投げかけるんだから、まさに「演劇からの応答」だな、と思ったというか…。

 

ただ、「自分のことを『弱い』方に属していると感じていて、そのことを演劇を通して、共感したり浄化したり慰めてもらうために観に来られた観客の方」がこの作品を観るのはさぞかし辛かっただろうな、とも思います。

「強い」方にされてるもんな、若干。

でも「(舞台上から見つめ返されることを想定せずに)見る」感覚で劇場に来ている段階で、全然弱くないよ、むしろそれ社会的強者とか男性主体的な感じの感覚よ、ってのは個人の感覚としてあるんですけど、あんまり言うとなんか怖いのでこの辺にしておきます。

基本的に感情移入して演劇観るのには慎重なタイプなので…。

 

でもなんか、最後の方、確かブッチャムが何故か2階のバルコニーに出てきた後…あれ…前だったかな…、なんか、そのアップルの商品発表みたいな場面で、

 

YOU'RE BASUKE!!

WE'RE BSUKE!!

 

ってなんか突然「みんなバスケだよね!!」的なことを言い出すんで、たしかバスケってライフバゲッジ持ってた人だよなあ…と思ったところで、あ、ライフバゲッジってLife Baggageってことか、と思いました。

 

「みんながバスケ」ってことは、誰もがみんな「命の手荷物」を持っているってことかな、と。

 

何と言うか、この前『フェイクスピア』で「強く生きていこう」みたいなのがセリフとして直接入りこんでいて、やや拒絶反応起こしてしまったんですけど、これはなんかいいな、と思いまいした。

 

「生きていこう」とか「強く」とかは一旦おいといても、「命」を、弱い人も強い人も、それぞれがきちんと持っていることは、ちゃんと認識しようね、みたいなオープンな感じに感じられて。

まあぶっちゃけそういう1人の生きている人間が背後にいることを、認識・想像できない人が多すぎるから、SNS上での個人及び作品に対する誹謗中傷とかが増えているんだろうけれど…。

 

なんかそういうのありきで

 

(配信とか上演とかがある2121年まで)死ねねえな!」

 

っていセリフがシメ的な感じであったので、「確かに!!」って、ニコニコしながら思わず思っちゃいました。そんな感じの目標で生きてもいいよね、みたいな。

 

あんまりまとまっていないけど、結構元気が出る作品だと個人的には思って、3作品の中だと1番好きかな…。

好みはかなり分かれそうだけど…。

 

それにしてもブッチャムが死んだとき、セグウェイに肘を乗っけるようにして寝そべって、滑らかに退場していったのすごい笑ったな…。

セグウェイの新しい使い方を見てしまった気がする…。

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Twitterから

 

コトリ会議『おみかんの明かり』

 

最近本当に夢幻能みたいな死者との交流系の演劇多いな!

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Twitterから

 

水を挟んだ死者との交流、っていう、身も蓋もなく言ってしまえば、繰り返し使われているモチーフではあるんですけど、写真でも分かるように、照明がマジですごい。

 

「おみかんの明かり」って呼ばれる、オレンジの光に触れると、死者が水面に現れるんですが、よくもまあこんなピンポイントに綺麗に色を出すな、と。

 

しかも、その「おみかんの明かり」にたどり着くためには、深い森の中を通っていかなきゃいけないみたいで、最初舞台面は真っ暗なんです。

そこを懐中電灯の光だけを頼りに女の人が上手から進んでくるんですが、途中で懐中電灯が切れちゃう。

それでギャン泣きしながら、真っ暗な舞台にかすかに光る「おみかんの明かり」をなんとか見つけ出して、そっと触れると、ブワッと床一面に青い水面。

 

照明の演出が綺麗なのも勿論なんですが、「死者に会いたい」という思いを「懐中電灯」→「おみかんの明かり」→「輝く水面」と光のイメージでつなげたのがすげえな、と思いました。

 

…たしかに誰かが死んでほんとに辛い時って、その誰かに夢でもいいから会いたいって思うし、その方法があるなら、それは希望としての光になるよなあ、と。

 

なのに死者との会話が結構のほほんとしているのがまたツボで。

 

「お顔が見たいの」

「それはいけないよ」

「あなただって私と会いたいでしょ」

「実は僕の方からは結構見えてるんだよね」

「ずるい~」

「だって死んでるんだから大体は見えるよね」

 

みたいなことを、あまり抑揚なく紡いでいくテンポ感が独特。

実際死者役の人の顔には、良い感じに影ができていて本当に見えない。さすが。

あと死者の方はマイクを使っている。

死者の声としてはよく見る演出だけど、かなり綺麗に反響していたので音響さんマジグッジョブ

 

でも、なんだっけかな、どこかに

 

 

「死んでいる人の顔を見るなんてハレンチだよ!」

 

っていうセリフがあって、ああああこっちも分かるなあ…となりました。

死者と生者が触れ合ってしまうと爆発する、っていうのはイザナギイザナミオルフェウス伝説かは知らないけど、そういう伝説と、あとこの「ハレンチ」だ、というか「暴いている」感覚から連想された設定だったのかな、と思いました。

 

ちなみに、「死者に会う」同じ構造の物語を2組のカップルで行ったあと、最初に戻ります。

 

マジか。びっくり。

 

延々とループしていく感じが、仏教的な成仏という救いがなくなってしまった現代の能、って感じで、最近こういうの多いな、と思いました。なんでだろ。

 

オノマトペ(森を歩くザッザッという音、水に入るざぶん、とか、ちゃぽんという音とか)を全部喋って表現してたのも特徴的だな、と思いました。

 

たぶん3作品の中で1番幻想的な作品でした。

 

オムニバス最高

いろいろつまみ食い出来るのマジ最高です。

チケット早めにとっておいて正解でした。なんと満席だったからね!!

満席とか久しぶり過ぎる!!すごい!!

 

そして『森 フォレ』の感想を書かねばならないのに、たぶん書き終わる前にNTLiveの『誰もいない国』を観に行くことになりそう…という…。

 

イアン・マッケランパトリック・スチュワートとお茶目さにやられて『森 フォレ』の感想がぶっ飛びそうで今から焦ってます(笑)。

がんばろ…。

『ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート』

2021/07/26

東急シアターオーブ

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初めて来たぜ…シアターオーブ…!!高層階にあるからエレベーターで耳キーンなった。

 

 

 

【追記】

英語も和訳も雰囲気なんで、あんまり信用しないでください!

あと今回はいつに増しても色々なリンク貼り付けまくってます

 

 

私がいかにしてミュージカル系にハマりかけているか

 

実は、というほどでもないんですが、もともと歌を歌う系の舞台があんまり好きじゃなかったんです。

音楽劇ならまだいけるけど、ミュージカルはかなり無理…、みたいな。 

 

いやなんでそこで歌う???

 

って、ミュージカル苦手な人あるあるの感覚でした。

 

でも去年、見事にラミン・カリムルーさんとシエラ・ボーゲスさんにやられまして。

 

youtu.be

 

monsa-sm.hatenablog.com

  

「英語のミュージカル…良き…!!!」

 

みたいな感じになりました。ミュージカル沼の深淵を覗き込まされた感がある。

 

そしてこの間の『スリル・ミー』でボディブローというかタックルくらって見事に沼に爪先突っ込んだ感がある。

あとこの前のJCSコンの時ヘロデ成河さんだったってマジですか??

絶対ヘロデがはっちゃけまくって、観客腹筋崩壊案件じゃん。(褒めてる)

観たいので初演キャストでの再演よろしく(簡単に言い放ってみる)

youtu.be

 

monsa-sm.hatenablog.com

 

 

そんな感じです。

というわけで、ラミンさんに責任を取ってもらうために行ってきました(語弊)。

『スッキリ』をわざわざ録画して観るぐらいには好きです。ギターもできるとか最高ですね。でもYouTubeに動画あがってたね。

あ、この時歌っていたCould We Start Again, Please?が、ジーザスの命がもう危険すぎるヤバい、的な時の信者たちの後悔的な歌だとは思いませんでした。

(…え?あってるよね??…まあいっか。とにかくすごい綺麗な歌です)

youtu.be

実際のところ、コロナ禍の来日公演なんてとれるわきゃねえだろ、と思ってあきらめてたら、余裕でB席余っていて、これならU25チャレンジすればよかった…となりながら観に行く1週間前ぐらいに買いました。

一時中止になったけれど、なんとか観られて本当にラッキーだったとしか言いようがないです。

ありがとうございます。

 

 

公式のあれやこれや(を張り付けるだけ)

theatre-orb.com

 

youtu.be

 

 

 

 

ストーリーは抜粋します。

 

舞台は約2000年前のイスラエル
ひとりの人間として、神や民衆との間で苦悩するジーザス(イエス・キリスト)と、ジーザスに仕える弟子の一人でありながら、裏切り者として歴史にその名を刻むことになるイスカリオテのユダ
民衆の間で人気を高めるジーザスに対し危険を示唆するが、ユダの心配をよそに民衆はジーザスを崇拝していく。

ユダヤ教の大祭司カヤパは、大衆の支持を集めるジーザスに脅威を感じ、他の祭司たちとジーザスを死刑にしようと企てる。
そして自分の忠告を聞かないジーザスに思い悩むユダは、祭司たちの策略により、とうとうジーザスを裏切り、祭司たちに居場所を教える。

神の子としての自分と、人間としての自分との狭間で思い悩むジーザス。
遂には弟子や民衆の裏切りによって捕えられ、十字架にかけられたジーザスは、自分の運命に対する神の答えを問いただしながら息絶えるのであった…。

 

聖書かじってれば怖くない!

私は小学2年生ぐらいの時に漫画の伝記で読んでたので、怖いものなしでした。(ドヤ)

ちなみに確かこの伝記漫画だとペテロが3回「知らない」って言うのがラストのお涙頂戴部分になっていて(言い方)、当時辛うじてピュアだった私は、「ペテロ可哀そう…」となった記憶はかすかにあります。

あの頃の純粋さは遠く遥か時の向こうに消え去りました。辛い。

 


あと、写真見ると分かるかと思うんですけど、結構大掛かりな舞台セット。

工事現場の足場みたいに、舞台空間ほぼ目一杯の贅沢な感じです。

 

B席だったので3階席だったんですが、正直ここまでデカいセットなら、最上階が正解だったかもしれないです。

皆の輪に入れないユダが、下手で手持ちぶさたにしているのとか、ヘロデが冒頭から、一番テッペンに組まれたスペースにおいてある椅子に、なんかひじ掛けのところに膝裏引っかけるみたいに、だるそうに、座って…寝て…?いるのとか、色んな人の動きが見渡せて便利でした。

あとオペラグラスなくても意外と顔見える。全然見える。良き。

 

あと全然把握できてないんですがどうやらリストがまとまっているっぽいです。

songstube2.net

 

あとは適当に感想まとめていきます!

まずジーザスを「スター」と見なす発想が最高に面白かった

まあなんか、「アイドル(偶像)」とかでもいいのかもしれないんですけど。

ユダも「今だったら国民的スターだ!!」って最後近くに歌ってるし。

めちゃくちゃ、確かに!!って思いまいした。

 

こういう風に群衆に担ぎ上げられたと思ったら、一気に手のひら返しされる人とか今も結構見るから、なんかこれが2000年前にも似たようなことが、聖書レベルの話で起きてたんだよな…と思うと、なかなか他人事じゃない。

 

真ん中らへんの歌で、病気の人とか、貧しい人とかが、真ん中に1人立つジーザスジーザス以外は黒ベースの衣裳なのに、ジーザスだけは真っ白Tシャツなので、「特別感」がすごい)

 

「私を治して」「触れて どうか癒して」「キスして」

 

みたいに、じりじりとにじり寄っていくやつ、あれなんかもう軽くホラーでした。

そりゃジーザスも逃げたくもなるわ…。

まあだからってHeal yourselves!(雑な訳:てめえらで治せよ!!)はアレだけどな…。

あそこまで期待されると、いくらなんでもぶっ潰れます。主にメンタルが。

このすぐ後にマグダラのマリアが、「今夜はなんも考えず眠っていいのよ」(Think of nothing tonightって歌ってるやつ)って出てきて歌ったときは、「マジ女神…!!」となります。なるよね!?

 

 

あと、その群衆エトセトラに観客を意図的に巻き込んでくるのは、アレです、

 

「この舞台考えたやつイイ性格してんじゃねえか…」

(訳:天才ですか最高ですね一生ついてく)

 

って感じです。

 

1番分かりやすいのが手拍子かなあ…。

たぶん、Superstarって曲だと思うんですけど、この曲の前に、ジーザスが連行されているので、どう考えてもこの曲中になんかジーザスが拷問的な酷いことされているのは想像するのは難しくはないんだけど、この曲、やたらとかっこよくてノリがいい曲なんで、手拍子しようね!!って役者さんたちが煽ってくると、大体の人がしちゃうんですよね。

私はちょっと気持ち悪くてできなかったんですけど、1階席とか観ているとなんかそんな感じな気がしました。

ジーザスを持ち上げて見殺しにして、しかもそのことを喜んでいる群衆の1部として、観客もいつの間にか参加させられているぞ…www、とニヤニヤしてました(笑)。

 

ここまで大きい劇場だと、こういう観客が参加している/させられている意識って結構難しいと思うんですけど…、音楽の力ってすげえな…。

 

いや、それにしてもマジでイイ性格してんな。作った人(褒めてる)

 

あとは、なんか覚えているのだと Gethsemane(I Only Want To Say)って曲があって(これは調べたのであってるハズ)、要はジーザスが死に向かう葛藤、からの諦め経由の、決意に至る歌なんですけど(聴いた感じ)、その中に

 

Alright, I'll die!

Just watch me die!

See how I die!

 

youtu.be

(かるく探したらなんか違う人のでえげつないの出てきたから貼っておく。後で観よ)

 

なんかこんな感じの部分があって、客席向いてるんですけど、もうこれ「俺が死ぬのをしっかり見とけよこの(観客席の)野郎ども!!」と言っているようにしか聞こえなくて。

ジーザス(リーさん)絶対にこんなに口は悪くないけど。見た目からして紳士そうだけど。

 

しかも、この時に舞台後方から、赤い照明が、客席の方に向かって照らされて、しかもジーザスが上向く、というかのけぞるのに合わせて、その照明の角度もあがってくるんですね、3階席でも「うわまぶしい!!」ってなるぐらい。

たぶんこの画像だと思うんだけど…。

f:id:monsa_sm:20210727001834p:plain

さっきの公式Twitterから

 

めちゃくちゃしびれますよね、しかもジーザスがシャウトしたりもするんで。

ある意味、抑圧されまくっている人のシャウトなので、聞いててすげえしんどいし、「いいぞもっと叫んじゃえYO!!」と謎のテンションになります。しんどいのと同時に聞いててスカッとする。

 

ああ、そういえば、ジーザス関連で言うと、鞭で打たれるシーンも、別に物理的に打ち据えている訳じゃもちろんないんだけど、1回打たれるごとに、ストロボみたいに照明がバチバチ点滅するので、視覚として物理的に痛かったです。

 

つまるところ照明が最高にいい仕事してた!!

しかも同時にコンサートっぽい照明でもあるから、常に光がかっこいい!!

神=光なので、光がかっこいいのはすごい大事!!

 

最初は『駆け込み訴え』みを感じた。

www.aozora.gr.jp

 

出だしからユダがジーザスに向かってAll I ask is that you listen to me(僕の話‹内容的には忠告›を聞いてよ!!的な※オペラグラスでラミンさん見るのに忙しくて和訳見ていないという失態)とか歌っていたと思ったら、ちょっと後にマグダラのマリア出てきてLet me try to cool down your face a bit(あなたの顔のほてりを冷まさせて?かな?超絶美女のシューンマッカーさんでした)とかジーザスに向かって歌いだすし、ジーザスまんざらでもなさそうだし、しかもそのあとユダが「あんな女と!あなたらしくもない(hardly in your line)!!」とか怒涛のようにキレながら歌いだすので、「なんだこの三角関係…(白目)」(表現不適切かも)みたいな感じで、なんとなく初っ端からユダ→ジーザスへのちょっとめんどくさい愛情みたいなのを感じて、太宰治のやつ思い出しました。

1人芝居用の戯曲として読むとかなり面白い。舞台後方の搬入口から舞台に飛び込んできたら面白そう…とか想像が膨らむ。

 

そもそも裏切ったのも、なんというか、ユダが言っているけど、

 

But I only did what you wanted me to!

(でも、俺はあなたが望んだことをしただけだ!)

God, I'll never ever know why you chose me for your crime.

(どうして俺を選んだんだ)

 

って感じで。

あとたしか、いよいよユダが裏切って、ジーザスから離れる、って時にも、ジーザスが、ユダに、自分のつけてた(パンクな柄っぽい)スカーフを渡してて。

しかもその時、意味深長げに、ジーザスが、跪いているユダに腕を伸ばしかけて引っ込める、みたいな、なかなかにくいこともやっていて。

 

なんかそういうのがあって、「あ~ジーザスには自分の死を通してなんかみんなに伝えたいことがあって、その実行犯役に選ばれちゃったのかユダ。どんまいユダ。」みたいなことを思いました。

 

聖☆おにいさんでもだけど、ユダの愛はいつでも重いね!!いいと思う!

リーさんが良い感じのビジュアルすぎて、思わず何箇所か漫画を思い出したり出さなかったり…

でも今回ばかりは利用されてる感もなくはないね!!

ヤダ、ジーザスってば強か!!(テンションが迷子)

 

ねえこれって笑っていいの?

ヘロデは笑っていいよね

はっちゃけすぎだろ。冒頭の手拍子の要求からしてヤバかったよ藤岡さん。

 

しかもこの1曲歌って登場終わりという。

youtu.be

やり方は違うけど、藤岡さんもこれぐらいはっちゃけてました。最高。

 

どう考えてもコミック・リリーフ感がものすごいです。楽しい。

 

Prove to me that you're divine. Change my water into wine.

(カミサマだって証明してよ?水をワインに変えたりしてさ!)

 

Hey! Aren't you scared of me, Christ? Mr. Wonderful Christ!

(ねえ!わたしのこと怖くないの?ごリッパな救世主さん!!)

wonderfulの言い方が藤岡さんヤバかった「わんんんッッだふrrrrっる」みたいな。(どんな)

 

これは、はっちゃけるなって方が無理だし、笑うなって方が無理。

最高ですヘロデ。たぶん登場時間に反して、最も強烈な印象を残したと思う!!

 

ヘロデ以外

意外と和訳がツボったりしました。

 

Peter will deny me
In just a few hours
Three times will deny me

 

なんかペテロの3回の否定を予言してたとこだと思うんですけど、

直訳だと、「ペテロが私を否定するだろう、たった数時間のうちに、3回も否定するだろう」ぐらいだと思うんですが、

 

「ペテロがシラを切る 数時間で 3回も!」

 

カッコいいけどあまりにも実生活で使いそうな日本語で、しかも若者言葉っぽくて、ロックな格好してるから合っているいえば合っているんだけど、でもこれイエス・キリストの話だし…ってぐるぐる考えていたら笑っちゃいました。

 

あとあれな、12使徒「引退したら 福音書でも書こう」な。

あれはクッソ笑ったわ。

そらジーザス自分が死んででも、こういう風な堕落を止めようとするハズだわ。

たぶんそのことに対する応答が、Could We Start Again, Please?なのかな、と。 うろ覚えだけど。

 

そんなこんながちょくちょくあって、不謹慎承知で笑ってしまう箇所がいくつかあって、個人的にそういうの好きなので、いいなあ、と思いました。

 

最高過ぎるぜ生歌生演奏&字幕

とりあえず色々おいておいて、サックスとクラリネットとフルート1人で担当されてた方すごすぎませんか!!?

普通にびっくりしまくったんですけど。

 

あと、あんまりコンサートとか行かないんで、ギターの爆音とかトリハダ立ちまくりでした。

サックスのソロも最高かよ。耳がしあわせ。

 

あと何にも勝る生歌よ!!!!!

 

ひゃー!!マイク使っているとはいえ、人間の出せる音域と音量こえてんじゃね!!?

 

ラミンさんがどっかで「うわああああ!!」って感じで歌ったとき、3階席だけど、耳元で輪ゴムはじかれたのかと思うくらいだったよ!!??

すごすぎじゃない!!!?素敵が過ぎるよ!!??

 

あとカヤパ役の宮原さんの超ド級の低音にはビビりました。何あれどうしたら人間からそんな低音が出るの??

 

あとジーザス(リーさん)の高音素敵かよ。でもシャウトも素敵。延々と聞いていたい。

 

というか全員うますぎる。最高。

 

音楽に関しては表現する語彙力がないので、こんな感じでした。

身体が震える音量で、トリハダレベルの歌ですから、もうスマホのバイブレーションなみに感動しまくるしかない。(スマホはちゃんと切ってるけど!)

 

あと字幕!!!

正直、カットしてんなあ…とかいう部分もあったんですけど、英語で何回か同じ歌詞の部分とかは、その何回かのなかで、部分的に変えた数種類の字幕を出して内容補っていたりしたので、すげー!!となりました。ありがたい。

日本語字幕あるとそこそこ英語聞き取れるけど、ないとまだ厳しい勢なんで…。

 

それにしても、ラストのジーザスの、おそらくはほぼ聖書からそのまま取ったであろう

 

Father, into your hands I commend my spirit.

 

のセリフと同時に、ジーザスがちょうどクロス部分に位置するように、暗くなった舞台に、白い照明で、超でかい十字架描いていたのは、なんかすっごいぶわわってなりました。

しかも、その光が徐々に細くなっていって、そのどんどん細くなっていく十字架(光=神=ジーザス)を、色んな人が舞台上に立って見ている、というこれまたなんとも意味深な感じの構図…。

うーん、なんかもうほんと、ダイナミックな動きが可能なこのセットをふんだんに使いまくったパフォーマンスのラストが、ここまで神秘的かつ静的なのは、美しいとしか言いようがない…。

 

雑な結論:

歌及び演技が上手いのも、演奏が最高なのも、

このメンツだと当たり前なので、照明しか勝たん

 

ホントに難しい時期なのに来日とか感謝しかない

これに尽きるよね。

マジ観に行けてラッキーだったとしか言いようがないです。

そしてどうして2019年の初演を観に行かなかったんだ自分…とただいま絶賛呪いまくっています。

あの…コロナ落ち着いたら…また再演とか…あるよね…きっと…。

 

信じて待ってる…。

 

でも、とりあえずは、ここんとこ、調子乗って出歩きすぎたんで、ちょっと自粛します。

NTLiveのアンコール上映が始まるまでですが…。

『弱いい派』の感想も『森 フォレ』の感想も早くまとめないと…。

野田地図『フェイクスピア』、感想の後編(ようやく普通の感想書ける喜び)※ネタバレ&イラスト有

2021/07/03

東京芸術劇場 プレイハウス

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感想の前半、中編はよければこちらからどうぞ

monsa-sm.hatenablog.com

 

monsa-sm.hatenablog.com

 

 

中編が「観たすぐ後に考えて」で、前半が「観た後にぐるぐる考えながら」の感想で、後編は「観ながら考えて」の感想に近いかなあ、みたいな感じです。

 

というわけで、もう時間も大分経っているし(レポートのせいでね!)、綺麗にまとめられる感じもしないんですが、最初に超最高だった部分書いたら、初めっから終わりまで「ここ好き!」ってなったとこをつらつら書いていきたいと思います。

 

ちなみにレポートは終わったよおおおおおお!!!

参ったか!!ノーマン・ベイツにフランケンシュタインに玉手御前!!!ジャンルの錯綜がすごい

しばらく君らとはおさらばだ!!!! 

心の雄叫び 

 

めちゃくちゃ好きで心臓止まりそうになった部分

まとめのイラスト

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視覚的なものの言語化には限界があるので諦めて下手なのは承知で描きました!

顔が整っている人ほど描きづらいね!すみません!(土下座)

 

飛行機のシーン

たぶん1番感動したのは飛行機の中の演出です。 印象としてはイラストの右側です。

正直、この手の演出ってよく列車の表現とかで見ます。

最近観たやつだと『夜中に犬に起こった奇妙な事件』とかかなあ…。

1番最初にこの手の演出観たのは2019/02/21に観た『イーハトーボの劇列車』だったような気もするけど…まあいっか。

とにかくよく見ます。

monsa-sm.hatenablog.com

 

でも傾斜した舞台&キャスター付き椅子はヤバい…!!!

突如爆上がりするテンション 

 

最初に、飛行機の尾翼が吹っ飛んでいくだけで、「うわすげえな」とはなったんですが、そこで終わる訳がなかった!

 

なんか、飛行機が右に傾くと右に寄ったり、前に傾くとみんなで前に来たり、逆に後ろに傾くと後ろに行ったりするんですが、そこから再び前に傾きが戻った時に、傾斜とキャスター利用でザッ!と、みんなが滑り落ちてくるのが緊迫感すごすぎでした。

ほんとに今そこで危機的状況が起きてるみたい。

 

しかも、どんどん飛行機のコントロールが失われていくのにしたがって、椅子が吹っ飛んでいくんですよ。袖に。

もがいてもがいてなんとかしようとしているのに、全部手からすり抜けていく様子をめちゃくちゃ効果的に視覚化していて、溜息しか出ませんでした。なにこれしんどい。

ちゃんと楽が下手側でCVR聞いている様子なのがまたつらい。

死に直面しながら(していたからこそ)、懸命に生きていた確かな証拠を聞くって(しかも親の)、私だったら精神崩壊しそうです。

 

そういえば、下線部だけど、どっかでmonoが語る匣についての話も、似たようなこと喋ってた気がします。

 

「この神様から授かったこの匣は、『死』が入った匣で、この匣のせいで人間に死が訪れるようになったんだ。それ以前から人間に『死』はあったんだけど、明確に『分ける』(分かる)ことはなかったんだ。まるでヒマワリが枯れるみたいなものだったのに、『死』(という言葉)が入った匣を持ってきちゃったから、(対するものとしての)『生』と『死』がはっきりしちゃったんだ

的な。うろ覚えだけど。

 

いやソシュールかよ

liberal-arts-guide.com

というツッコミが脳内で再生されたので、きっと私は心が死んでるんですかね。

だれか葉っぱプリーズ。心の水が蒸発しちゃう。

 

…でも気になる人は見たり読んだりすればいいよ…(投げる)

ちなみに私はこれ系統を読みまくった挙句に、未だに言葉に対する信頼を取り戻せてません。あと世界がたった1個の弾力と接着力がヤバいお餅に見えるようになったし、論文に至っては言葉遊びしているようにしか見えなくなった。

ので気を付けてね!!(たぶん私は病んではいないとは思っています)

 

 

なにが言いたいかというと、とにかく飛行機の演出が最高過ぎました。

今度のNODO・MAPも絶対観に行こう。チケット取れればだけど。(深刻な問題)

 

mono、改め高橋一生さん

顔が一定基準越えに整っていて絵力あるのも知ってるし、声通るのも知ってるし、お芝居上手いのは知ってるし、親とほぼ同じ年齢とは思えない程身体能力高いのも知ってるし、歌うたえるのは天保~』でびっくりしたから、もう普通に上手なぐらいじゃ驚かないよ!!

あと海外の、特に舞台系の俳優さんだと、大体みんなこのぐらいのレベルだからね!(小声)

 

みたいな感じで観に行きました。ヤな観客ですね(笑)。

 

とにかく楽とmonoが、わちゃわちゃ四大悲劇やってたけど、高橋一生さんは早急にマクベス夫人をやろう(デズデモーナは蒼井優さんという女神がいるのでそれ以外は受けつけない!というのは嘘にしても、男性がやるならマクベス夫人みたいな「強い」やつが素敵だと思う。ケイトとかでも良いけど…)そうしよう。いけるって。やっちゃえってオールメールで。観に行くから。というか行かせてください。もう何でもいいからシェイクスピアをやって下さい。ここまできたらやるしかないって。だよね???!?あとコーディリアやるならフールと1人2役を希望します!!私その演出が好きなんです!!(圧)

 

 

 

…私、楽、死んで、生きて、待ってますよ…(真顔で圧)

 

 

 

と、ふざけるのはこのぐらいにして、四大悲劇のわちゃわちゃは次の項目で爆笑しながら書くので一旦脇においておくとして、とにかくラストが最高だった。

 

ちょっと大分前後関係あれなんですが、最後、飛行機のシーンの終わりなのかな、舞台に1人うずくまって、匣に耳当てながら、これもうろ覚えなんですけど、

 

「Whoop. Whoop. Pull up. 衝撃音。Whoop. Whoop. Pull up. 衝撃音。…録音終了。」

※Whoop(うー)は警告音。

 

この時の、「ただ耳から入ってくる音をそのまま口から出すだけ」みたいな感じが最高すぎて…。
舞台で、こういう何にも色をのせないように発話するのってムズいんじゃ、とか素人考えで思うのでマジこの部分が一番最高だと思いました。

 

 

そしてこういう実際の事故みたいな表象不可能なものを差し出すのに最適解というか…、

 

現実(事故)⇔テクスト俳優(インターフェイス)⇔演劇性、想像的なもの⇔観客

 

っていう両矢印の流れを変にゆがめたりしないで(表象不可能なものを演劇でやるとき、普通は歓迎されるはずのピンクの部分での増幅の扱いが難しい気がする。個人的な感覚として、何も増幅しないほうが誠実、みたいな好みがある)提示してくれた感があって、舞台全部通してここが1番しんどかったし、同時に良かったと思いました。

 

舞台で何もしないで、ただ立っていられる俳優さんが好きです!

これがえらい難しいのは知ってるんですが(でも古典芸能系、特に能楽関連には割と多い)、きっとそのタイプの俳優さんなんだろうな…いや今回と天保~』で2回しか観てないからまだ予想の段階だけど…今度なんかやったらまた観に行こう…ただチケットの値段と倍率がな…不安…。

 

あと真面目にmonoの衣裳は天才だと思います。

ブレヒト幕が舞台上すり抜ける一瞬しか着替える時間ないんで、茶色い上着(袖の切れ込みから手を出せるようになっててかわいい)脱いだだけなんですけど、それまでほぼ色がなかったのに、いきなり白シャツとのコントラストが激しい赤いネクタイだから全身着替えたのかと思ったよ。

 

あとプルカレーテ演出の真夏の夜の夢でも思ったけど、野田さんはブレヒト幕が好きなのか…??

 

というわけであとは思うがままに書いていく

烏さんたち!!

ド偏見かもしれないんですが、青森は東京より烏多いですよ!!(地元です)

めっちゃ烏多いよ!!下校時に電線が烏で埋め尽くされるよ!!(これはガチ)

あと東京は鳩多すぎ!!!おかけで古文で都鳥とか出てくるたびに全然関係ないのに鳩のイメージが出てくるんだけど!?!

 

あと地方出身者に江ノ島のお弁当?の話は笑えないよ!!!?

普通にわかんないもん!!!???そもそも江ノ島ってどこ!?!?

 

てか、観に行った日、早く着きすぎて、外に貼ってあるポスター眺めてたら、劇場入口の上に、烏が1羽とまってた、という、今考えると、なんというかタイムリーなことが起きてました。

 

烏、やりよる。

 

にしても烏って結構いろいろな国の神話で、カミサマのお使いなんですよね。

そして意外とWikipediaにわかりやすくまとまっている、というミラクル。

ja.wikipedia.org

 

まあ、オデュッセウスとかプロメテウスのいとこ(ところでプロメテウスのいとこってゼウスだよね。monoの匣のイメージ的にはプロメテウスの弟エピメテウスの奥さんのパンドラとつなげたいような気もするんだけど…)とかめちゃくちゃギリシャ神話に寄せてるのでアポロンの話なのかなあ…。以下Wikipediaからの引用です。

 

ギリシア神話では太陽神アポロンに仕えていた。色は白銀(白・銀とも)で美しい声を持ち、人の言葉も話すことができる非常に賢い鳥だった。

しかし、ある時にカラスは、天界のアポロンと離れて地上で暮らす妻コロニスが、人間の男であるイスキュスと親しくしている(見間違いとも)とアポロンに密告(虚偽の報告とも)をした。アポロンは嫉妬し怒り、天界から弓で矢を放ち、コロニスを射抜いてしまった。

死ぬ間際に「あなたの子を身ごもっている」と告げたコロニスの言葉に、我に返ったアポロンは後悔し、きっかけ(密告した・虚偽の報告をした)を作ったカラスに行き場の無い怒りをぶつけ、その美しい羽の色と美声と人語を奪った。カラスは天界を追放され、喪に服すかのように羽は漆黒に変わり、声も潰れて、言葉を話すどころか、醜い鳴き声を発することしかできなくなった。

 

…いや『フェイクスピア』観た人なら分かってくれると思うんだけど、太字部分、要素として入り込みすぎだろ…これは確定じゃねえか…??

白い烏前田敦子)もでてくるよね。後半に。しかもカミサマのお使いで。

 

烏(カラス)って鳥(トリ)から1本欠けているので、まあ白い烏はどう考えても尾翼が1本かけた飛行機のことだろうなあ、と思います。

 

その白い烏が匣をかっさらっていくんですけど、

 

「大切なものは目に見えないって僕をバイトで雇っている人が言ってたから、多分その匣、目に見えているからそんなに大切なものじゃないと思うんだけどー?」

前田敦子さんの発声が素敵。高くて軽い感じの声質だからポーンと突き抜けてくるし、だから、こういう現実感がない役と、浮ついた、間延びした感じのセリフとの相性半端なく良い。というか「音に反応して、音の連想から意味とは関係なく飛び出してくる言葉」に喋らされている感覚がすることが多いように思う野田秀樹の戯曲のセリフとの相性も半端なく良い。

あとどこかにあった「『大切なものは目に見えない』っていうけどさ、それってさ、目が見える人の発想だよねえー」的なセリフは大好き。膝を打つってこんな感覚かな(笑)

 

とかなんとか喋っているからせっかく奪った匣を落としちゃう(笑)

クスっとなる場面ではあるんですけど、これもどう考えてもCVRが飛行機から落ちたイメージだろうな(イラストにも描いたけどCVRを探すレインコート集団も出てくる)…笑えるんだけど笑えねえし、笑ってしまったらあとから気が付いて「不謹慎に巻き込まれていつのまにか共犯になってた」ことを自覚する、という。

いい性格してんな劇作家よ、オイ。確信犯だろこれ。

 

他にも色々あります。こういうの。

初日の524日が飛行機に乗ってた524人の数に合わせたとしか思えないとか、セリフのあちこちにCVRの言葉が散りばめられているとかとか。前のブログでも指摘したけどそもそもmonoの冒頭の「頭下げろ!」だってそうだし。戯曲読んでないからこれ以上詳しくは指摘できないけど。

「真夏に雪を降らせる~」とかもあるけど、これも白い機体の残骸とか、細かいチリとか発泡スチロール的な何かが、事故直後に舞ってた的なやつだろうし。

イタコの昇格試験も、確か事故の時に、副操縦士が、昇格試験の訓練のために、機長の席に座ってたらしいので、たぶんそれ連想なんだろうなあ、と。

あ、あとここの昇格試験の場面、なんかめっちゃ感動しました。ほんとに真っ暗になるまで照明落として、俳優さんの声は聞こえるのに、姿とかはぼんやりしか見えないの幻想的で怖くて素敵だった。

 

…ううん…しんどい…。

 

それにしても「カラスじゃない、コロスだよ!」は笑ったなあ。そうくるか、と。

狭い意味だと、ギリシャ悲劇の合唱隊の事なんですけど、大体、観客(社会)と俳優(演劇)の橋渡し、つなぎ役なんで、まあざっくり使者ってことでいいよね。

観客(社会)の代表として、よくギリシャ悲劇なんかでは、主人公に忠告したり同情したりして話しかけてんですけど。

 

尾翼が1本かけた飛行機として、事故そのものを表してもいるし、そういう絶対的な出来事(絶対的=カミサマ)からの使者としても機能しているし、もちろん観客(社会)に通じる使者でもあるから、そういう意味ではコロス的なんだけれど、でも今のこのフェイクが溢れている社会じゃコロス(使者)としての役割よりカラス(ギャア、と鳴くことしか出来ない、あるいは沈黙したままこちらをじっと見つめてくる死者)としての役割の方が勝っちゃう…、みたいな色んなイメージが駆け巡ります。

やはりやりよる、烏。

 

しかもこの烏を演じるアンサンブルの方たちがとにかくすごい。

声の通り方が尋常じゃない。正直メインキャストより野田秀樹の舞台ってこと考えれば好きかも?

勢いとエネルギーがあって、「そうそう、野田秀樹の舞台ってこういう喉が枯れそうなレベルで叫ぶ感じ!!甲高く天まで突き抜けそうなほど常に興奮してる感じ!!そうだよこれだよこれが聞きたかったんだよ!!」みたいな謎の感想を抱きました。

 

私、野田秀樹作品のことを躁鬱作品だと思っていて(どんな印象)、躁状態が限界までくると一気に(落ちついて静かな場面)になってしんどくなるのが分かってはいるんですが、この躁状態が最高に好きなんです。なんかもう自分も相手もなに喋ってんのかわかんないけどとにかくテンションだけは嫌でも上がっちゃうみたいな。楽しい。

 

つまるところアンサンブルとしての烏さんたちが最高でした。

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これが木のシーン。木が倒れるのをアンサンブル(烏さんたち)演じる。

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これは伝説のイタコをリフトして飛行機的に飛び去るシーン。結構飛行機っぽい。

あと高橋一生さんのファンで、下手側の最前列に座った方は

このシーンで吐血しそうだな、と2階席から観てて思った。

 

(上2つの画像と以下で引っ張ってくる画像は全部このサイトからです→高橋一生×野田秀樹『フェイクスピア』初日終演後の特別対談 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス (eplus.jp)

 

ところで、みんなよかったら青森にも烏を見に来てね。

夕方の電線はホラーだよ。主に糞的なあれで。

 

そして、シェイクスピア野田秀樹)の登場シーンでmonoに盾にされていた烏さんは大丈夫だったかな…。あの2人の間に入るのめちゃくちゃ嫌だな…(笑)

 

このシーンはmonoのビビりっぷりが笑いました。

「じっとして!柱になって!ちゃんと僕の事隠してよ!!」みたいな。

シェイクスピアもツボってるのでやや楽屋ネタ風になっててそこも笑えました。

…というか高橋さんの独壇場というか…分かる…ああいうちょっと余白が許される場面って上手い人は楽しんでやるよね…きっと千秋楽に向かうにつれてどんどん笑いが加速したんでしょ…。

 

でもまあ、こんな登場してくれば普通はビビるか(笑)。どんまいmono。

NODA・MAP第24回公演「フェイクスピア」(撮影:篠⼭紀信)

 

四大悲劇というよりもはや四大笑劇になってた四大悲劇

冒頭のイタコ見習いのアタイ(白石加代子)へのダブルブッキングから、まあとりあえず霊、降ろしましょうか…みたいな結構グダグダな面白い流れで、降霊に入るんですが、ことごとく何故かmonoと楽の方に降りちゃうんです。どうしてお客さんに降りるんだ。なんかのドッキリか。

そして、降りてくるのが、なんとシェイクスピアの四大悲劇の登場人物、というトンデモ展開です。(女性役は全部mono)

 

最初リア王とコーディリアで、これは比較的笑いが少なめなんですが、次のオセローとデズデモーナあたりからもう耐えられない(笑)

同級生の楽が突然自分の妻のことを「デズデモーナ!」とか言い出すから、アタイが面食らいながら

 

「え、楽の奥さんは外人さん??」

 

とか聞いた瞬間に吹きました。確かに素朴な疑問としてあるよねそれは(笑)

 

マクベスマクベス夫人も笑いました。

 

「『部長どまりでどうすんのーッ!?』って言われた」

 

みたいな楽のセリフから、一気にマクベスに入っていってたと思うんですけど、確かにマクベスって一貴族が王にのし上がる話だから、現代で言うと、部長から社長にのし上がるもんかwwwその発想はなかったwwww

 

クオリティとしてはマクベス夫人のあの「染みを洗い流す」部分とか、ちょっとぞっとするぐらいすごかったんですが、こういう部分ってプロが本気で真面目にふざけてるから面白いんだよね。たぶんだけど。

 

で、マクベスパートが終わると、いよいよシェイクスピアのお出ましなんですが、ここはメモ解読したからたぶんセリフあっているはず…。

 

楽      「シェイクスピアだ!暁烏と一緒に飛来するぞ」

mono「でも何でそんなやつが(「そんなやつ」呼ばわり。monoは一貫して沙翁に冷たいww)

楽   「ロイヤリティーだ、無断借用したからだ!」

 

シェイクスピアロイヤリティー著作権の組み合わせで笑うなって方が無理なんですけど!?!

みんな知っての通りシェイクスピアってエリザベス朝時代なんで。確か1作品のぞいて全部下敷きにした作品特定されてたんじゃなかったかなシェイクスピア。この世界的な劇作家自身、無断借用しまくり野郎なので、ほんとに笑った。自分がされるのは嫌なのかよ、と。

 

お腹痛かったです。どうしてくれるんだホントに。

 

ハムレットに関してはこのシェイクスピア登場の後になるので、ちょっと離れた部分にあるんですが、ここはちょっとかなり物語も進んだので、父であるハムレット王がmonoに、ハムレットが楽に降りてきます。monoが実際に楽のパパなんで。

 

で、monoが舞台後方の高くなっている部分(八百屋舞台なんで)に、観客席に背を向けたまま、亡霊として語りだすんですが、ハムレットでも、ここっていわゆるホラーシーンに近くて、よく照明工夫したり、音響的に特殊効果を使ったりするんです。特に父の亡霊の方に。

 

「心して聞け、ハムレットハムレットハムレット…」

 

みたいにエコーさせるとかね。あるいはスピーカーとかで劇場全体に声をぶちまけるとか。

 

 

 

にしても今回、まさかセルフエコーだとは思わなかったよね。

謎に芸達者なんですけど高橋さん。どこに技術を使ってんだ(褒めてる)

 

「耳を傾けるのだ…のだ…のだ…野田(のだ)…」

 

で、ゲラゲラ笑った私は悪く無い。あれは確信犯的に「のだ=野田」ってやってた。

絶対に。いやもう絶対に。

 

 

 

あと楽が、地下鉄に「飛び込むか、飛び込まざるべきか」悩んでいた『地下鉄のハムレットは普通に観てみたい。誰か書いて。

特に時代錯誤な服装で颯爽と電車から降りてくるローゼンクランツとギルデンスターンとかが見たい。

そしてそれに「うわ…やべえヤツらきたんですけど…マジ関わりたくねえ…」みたいに目を向けるハムレットが見たい。

オフィーリアはいつも傘を持っていない時に限って雨に降られる雨女で、ホレイショーが鉄オタならなおよし。フォーティンブラスは他社線の関係者だったりするんでしょ??

そしてめくるめく乗車賃の値下げ競争の激化と牢獄の囚人のように疲れ切った顔で通勤ラッシュに挑むサラリーマンという戦士たち…。その戦士が飲み会という戦いで残していく吐瀉物を片付ける、髑髏マーク付きのお手製制服がお気に入りの清掃員の方…。

 

それらをチューハイ缶持ったまま「なんかやる気でねえ…しんどい…」ってハムレットがベンチから見つめてるんでしょ??

そして飲み終わったチューハイ缶をしばし見つめ、「なるようになれ」ってポイ捨てして、それが運悪くホームに落ちる甲高い音、安全確認のための電車の遅延のアナウンス、そして徐々に暗転していって幕なんでしょ??

 

爆笑間違いなしじゃないですか。誰か面白おかしく書いて( 「あとは、沈黙!!」)

 

ごめんなさい話戻します。春学期終わってテンションマックスなんです。許してください。

 

野田さん以外に誰が出来るんだよこのシェイクスピアとフェイクスピア

タイトルまんまです。無理だろ他に誰ができんだよこの絶叫系トリックスター俊敏おじさん。(表現)

ほんとに還暦越えなんですか?うそでしょ???私の知ってる還暦越えと違うんだけど…。

あとよくあるシェイクスピアのイメージに謎に似てる。似すぎ。

NODA・MAP第24回公演「フェイクスピア」(撮影:篠⼭紀信)

すっごいノリノリのレヴューみたいな感じで出てきます。

恐山で幽霊に出会っても、だろうな、レベルでビビらないかもしれないけど、こんな陽気な集団が突如湧いてきたら逆に怖いです。monoに同情しかない。

 

そしてやりたい放題のシェイクスピア。最高。というかよくあんなに叫んでて、最後まで持つな。演劇お化けか(失礼すぎる)

 

毎回素朴に疑問なんですけど、野田秀樹の戯曲って、野田さんありきの登場人物いること多いじゃないですか。あれご本人が舞台に出られなくなったらマジ誰が代わりに出来るの??こんなトリッキーな役。普通に無理じゃね??

 

…まあいいや…せいぜい私は長生きしてどうなるか見ていこう…。

でもこの人100歳ぐらいまで普通にはっちゃけてそうで怖い。

 

前のブログのどっかに書いたけど、もうちょっと正確に書くと、シェイクスピアが出てきたとき

 

mono「僕はあなたを呼んでません」

沙翁  「そのヨンデマセンは私を呼んでませんってこと?それとも私の作品を読んでません、の、どっち?」

mono「両方です!!!」

沙翁  「ありえな~い」(この言い方www)

 

みたいなハイテンションにくだらないやり取りが続いてもう客席は笑うしかない(笑)。

monoが必死で、シェイクスピアがのらりくらりしてる温度差が最高でした。

 

にしてもこの後の場面でmonoが

 

「悲劇を背負うなんて(背負ってなんて、かな)、僕の運命を勝手に決めないでください!」

 

って何となく売り言葉に買い言葉でシェイクスピア(フィクションの王様的位置)に言い返すのは、後の展開考えると意味深長です。

なんで意味深長かは感想の中編に書いたつもりなので、ここでは詳しく書きません!!

 

「ノンフィクションを断片化して、好きなようにいじくりまわして、てめえらで勝手な文脈に当てはめて、勝手に解釈して感動してんじゃねえよこの感動ポルノ野郎!!」

※monoはこんな言葉遣いしてません。でもこういう内容は普通に劇観てても受け取れるので、この作品自体は感動系の作品じゃないような気がやっぱりする。

 

ぐらいの意味に私は受け取りました!!(口調が荒いのは私のせいですごめんmono)

 

あと大変に爆笑したのが、四大悲劇を血液型みたいに分類したやつです。

ほんとおやじギャグの天才はやることが違う。

 

リア王  →「老い」の悲劇。Age(年齢)。A型。

『オセロー』 →妻が浮気した、という「妄想」の悲劇。Obsession(妄想)。O型。

マクベス →「野心」の悲劇。Ambition(野心)。AB型。

ハムレット→「苦悩」の悲劇。Bother(悩む)。B型。

 

…単純にすげえ… 

 

でなんかこの胡散臭いけど謎に説得力ある話の流れの中でTo be or not to beのあの有名なフレーズをシェイクスピアがとんでもなくろれつが回らない感じで言います。

「とおべえおっのとぅべえ」みたいな。

そんでもってそれを暫く後にmonoが身体的動きまで完コピするからまたも客席爆笑。だからどこに技術を使ってんだよ高橋さんwww

 

とか思っていると、後半で実は、To beTO BE(とべ、飛べ)だと分かって、またあの言葉で笑ってしまった自分に対して最悪に居心地悪くなるという仕組みになっています☆

劇作家マジ確信犯だろこれ。ありがとね巻き込んでくれて!!(逆ギレ)

 

てな感じで、正直この劇、観客をキレさせるか居心地悪くさせるのが目的なんじゃね?と思って書いたのが、感想の前半です。なんかそんな感じ。

 

 

あとフェイクスピアのラップは笑えるけど耳が痛い。

YO!YO!ってお気楽に核心をついてこないで。

 

「言ったが勝ち、書き込んだが勝ち、それが今の、コトバの価値!」

 

まんまSNS批判じゃないか。おもにTwitterの。

 

 

ツイートしたら謎にいいねがきちゃったじゃないか。

SNS批判のことをSNSに投稿したらみんなも共感してくれたみたいでSNS上でいいねがきた…ー矛盾!

 

みたいなテンションになりました。

元ネタは『タージマハルの衛兵』バーブルです。

再演よろしく、と、ことあるごとに言ってみる、ことにしている。

 

それもこれもこの感想書き終わったらおさらばできます。

あと少し頑張る(すでに1万字超えてる…だと…!?)

 

流石に1回観ただけじゃ考えきれなかった中間層と小ネタの数々

アブラハム川平慈英)と三日坊主(伊原剛志)とオタコ姐さん(村岡希美)とかね。

もう楽天カードがちらついてちらついt…

 

というのは冗談にするとしても、まあなんかコントっぽくて楽しい部分を埋めてくれていたな…程度の浅すぎる感想しかないです。

アブラハムと三日坊主、ややセリフ聞き取りづらかったけど聞こえないわけじゃないからいいのかな…。オタコ姐さんはすごいクリアで聞きやすかったです。

 

でもやっぱり、アブラハムが怪しいセールスマンみたいなテンションで「何を言っても反応しない」噓発見器を(これもなんかかなりの皮肉な気もする。とにかく嘘しかない舞台に噓発見器を持ち込む発想がクレイジー売り込んでる時に、「楽天カードまーん…♪」となったのは私だけじゃないと信じてますから。

 

にしてもその噓発見器を客席に向けないで。わざわざ三日坊主に支えてもらいながら舞台ぎりぎりまで乗り出してこっち向けんなwww

そしてそれでも反応しない噓発見器。もはや嘘か本当かを判断する基準が演劇空間でも観客の方=社会でもなくなってるって言いてえのか。朗らかにケンカ売ってんのか??私もそう思うから別に買わないよ??買ったりしないからね??絶対買わないからね??(フラグ)

 

あとオタコ姐さんってアタイの先輩イタコっぽいんですが、結構アタイを可愛がっているみたいで、monoと楽に、「アタイの50回目のイタコ昇格試験の日が明日で、50回ってつまり1年に1回しかないから、要は半世紀落ち続けてるわけで、半世紀といったらオリンピックを12~13回やれるんだよ!!?イタコの見料も大目に見るし、継続支援ナントカをちょろまかして何とかしてやるから、この子の昇格試験の相手役をやったげてよ」ってお願いする場面もあるんですね。

 

もう何が言いたいかは分かるよね。お腹がしんどいwww

野田さんが書いているかと思うとあの炎上込みで笑っちゃうwwww

 

というか今こそ『エッグ』を再演すべき時なんじゃないでしょうか。

どこかでやんない??マジで。私普通に観たいんだけど。

 

キャスティングが神がかってる

ここまで読んでる方だと分かると思うんですが、あんまり語彙力ないんで、ペラペラの言葉でしか表現できないんですけど、(以下の重い軽いは体重じゃないです印象です)

 

・「星の王子様、伝説のイタコ、白い烏」っていう、一種シンボル的で、なおかつリアリティが希薄になりがちな役を、圧倒的にセンター感があって、身体性が軽い前田敦子さんにあてたこと

 

・対して、物語世界でちゃんと「生身の生者」である楽とアタイという同級生を、1番身体性と存在感が重い、ベテラン2人(しかもほんとに同い年)にあてたこと

 

白石加代子さんはマジでイタコやってそうなこと ※個人の感想です

 

・声と身体は割と重いくせして雰囲気は軽くて、なおかつ人殺して庭に埋めた後に、その庭が見えるリビングに人を招いて優雅にお茶会してそうな印象(表現が不適切)の高橋一生さんを、ややつかみどころのないうえに、前半と後半でガラッと変わるmonoにあてたこと

 

などなど、特に太字の部分が最高に素敵だと思いました。

高橋さんに関しては、またお得意のあてがきでもしたんか??ってぐらいハマってた気もするし、何よりあっちゃんのセンター感がすごい。さすがすぎる。なんか軽く光ってる感じすらする。正直お芝居しているの観たことなくて、どんな感じになるんだ???ってなってたけど、余裕で期待以上だった。またなんか出ないかなあ…。

 

ようやくまとめに入れそうです

 

※ここからまたちょっとテンション変わるし小難しくなるので注意!

でも最後にはまたハイテンションになります!

 

面白いか面白くないかで言ったらめっちゃ面白いとは思うんですが、好きか、と言ったら、最初ブチ切れたので、好きじゃないわけではないんだろうけど、「許しがたい」とは思ったのかなあ、と思います。

 

楽のセリフであったけど「フィクションなんかにおさめてどうしたいの」的な。

 

…そうなんだよな、これ、実際の出来事をフィクションとして取り扱う(つまり言語的・視覚的・時間的エトセトラでその出来事を表したたくさんのイメージの配置を再検討して、その実際に現実で起きた出来事に対する新しいまなざしとか解釈を再構築する)のではなくて物語と言う1つのフィクションに、実際の出来事を1つの部品としておさめちゃっている、ように感じられるから、もやもやするんだよな…。

 

現実に起きたことに対して、ありとあらゆるイメージ(もちろん言葉もイメージ。イメージが言語的って言ってもいいけど、個人的に腑に落ちてるのは、紙に書かれた言葉は写真とかとおんなじレベルでイメージ)嘘(フェイク)でしかないことは、当たり前のことなので、そこを「嘘っぱちで偽物でしかない」なんて言ってももうしょうがなくて、「それ込みでイメージを用いるとするなら、そのイメージたちから、その絶対的な現実に対して、どんな新しいまなざしとか考察の1つが組み立てられる(フィクションの作業、とでも言えばいいのかな。あらかじめ1つの結末に向かうフィクションのなかに取り込むんじゃなくて)だろう」という「手つき」の方が問題になる気がしていて…。

で、その「まなざしとか考察」が「新しい」ほど、芸術的・政治的に価値があるってことになると思ってるんですが…。なんていうか、『フェイクスピア』は「『嘘っぱちで偽物でしかない』なんて言ってももうしょうがなくて…でもじゃあどうすればいいんだろう」みたいな感じだった気だする。だからこっちも脊髄反射的に「知らんがな」ってなっちゃったのは心が狭いのか…?

 

そもそも、やっぱり、この事故のことを、私はそんなに知らない、っていうのが問題かな…。うん...たぶん、これがもやもやしている1番の原因な気がします...「新しい」って感じるには「旧い」まなざしとか解釈を共通の前提として持っていなきゃいけないのに、まずそれがないもんな…。

 

だからなんか、「息子が父の最期の声(というイメージ)を聞いて自殺を思いとどまる物語を伝える」ためとか、「そういう個別の物語を、演劇という共同体的な形式に持ち込むことで、個別の判断を共同体全体の判断と見なすように仕組んで、『だからみんなもしっかり生きようね』的なメッセージを伝える」ための「部品」としてあの事故が使われちゃった感じがして、なんかすげえもやもやします。

そして私はそういう風にしか感じられなかったから、それ観て(もしかしたら違う意味で泣いているのかもしれないけど)号泣している周りにさらにドン引く悪循環…。

というかもし、あのCVRに録音されたイメージを再検討・再解釈した結果が「生きろ」だとしたら少なくとも私はなんでかは分からないけど、分からないけど受け入れたくない...なんでだろう...それはあまりにしんどすぎる...って思っちゃう...

いや、感想の前半と中編で考えた結果どう考えてもそれはないんだけど、そこに反発する気持ちが私の中にあるのも事実ですね...だから最初脊髄反射的にキレてしまったというか...

 

いくら、作者自身が「不謹慎」だと自覚していて、なんどもセリフ中にそのことに関連する言及があって、さらに冒頭と終わりで「白石加代子」という役を出して「これからやるのは全部嘘なんですよ」と丁寧に誠実に提示してくれても、なんかこのもやもやが消えない…。

誠実に向き合いたいという覚悟はすごいとは思うけど…。だからこそこの「不謹慎」と葛藤につき合ってくれて「…ありがとうございました」的な最期の白石加代子さんのセリフには私もぐっとは来たけど…。

 

 

…あと、1個言っていい…??

 

なんでシェイクスピアだったの…???

シェイクスピアの息子のハムネットが父ちゃんより早くに死んでるのとか関係ある...??

 

明らかに消化しきれてない感じが素人目にも感じるんですが…??でもこの過剰さやっぱり嫌いじゃない...、みたいな複雑な気持ち...。

 

 

 

…まあいっか!!面白かったし笑ったし楽しかったしクオリティ(特に演出と俳優陣)高かったのは事実なので!!

いつもなら演劇観る時、「物語」をそこまで重視しないのに(「物語」重視なら小説とか映画の方がよっぽどいいと思う)、今回感想まとめるにあたって、がっつり「物語」入り込んできちゃって、ちょっと消化するのに、かなり、だいぶ、てこずりました!

 

まだ6割も消化できてないような気もするけど!!!

感想三部作にしてもこの消化率ってどういうこと!!??

 

しかも『森 フォレ』の感想もまとめなきゃいけないんですよ!!?

どうしてくれようあの複雑ではないけどやや煩雑な超気持ち悪いファンタジー!!(表現)

 

とにもかくにも『フェイクスピア』はこれにて私の中で決着つけたことにしたいと思います。もう無理。ロイヤリティ払うから助けてシェイクスピア

 

あとあれだ。スマホ関連でお客様同士が終演後もめてたから、マナーもそうだし、トラブル回避のためにもスマホはマジで切ろう。ほんとに。周りの人とか間に入るスタッフさんの気持ちを考えてあげて。

 

そして、これでようやく他の方の感想読めます。長かったぜ…。

『メディア』Medea(寝不足なためいつもより支離滅裂)

2021/07/11

シネ・リーブル池袋

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※ちょっと作品が作品なので、気を付けて書いてはいるつもりなんですが、性別とか出産について色々書かざるを得ない部分がでてきてしまいました。すごく不勉強なので、もしも不快な表現とかあったら、すみません。

 

久しぶりのシネ・リーブル池袋…!!

そしてヘレン・マックロリーの追悼特別上映…。

…追悼じゃなく観たかったなあ…。コロナでやるやつないから的な特別上映で…。もういないのか…。

 

冒頭からいきなりしんみりしましたが、学校でTOEIC受けてから来たのですごいスケジュールでした。あとイギリス英語の方が耳が慣れているので安心する…。

まだ『フェイクスピア』の感想も書き終えてないので(なんと前、中、後に分かれた)さっそく感想まとめたいと思います。

ただいま中編で止まっている…

 

monsa-sm.hatenablog.com

 

 

それにしても帰りの雷雨がすごかった…。電車内一瞬停電したもんね…。

 

 

公式のやつとか

 

 

 

以下、画像とか、ちょっとこの公式のTwitterから引っ張りながらまとめます。

 

どうでもいい話

 

あ、あとエウリピデス『メディア』というと、蜷川幸雄演出平幹二郎主演の『王女メディア』の印象が個人的に強くあります。

なんと映像ではあるけれど、ほとんど初めて通しで観た演劇がこれ、という。

 

もともと映画の勉強でもしてみたいなあ、と思って大学に来たのに、この映像観て人生狂った感はなくはない(笑)。

さっきまで嫉妬の青い炎を燃やしまくってた女性(男性が演じていることに気がつかず)がカーテンコールでイケメンになって出てきたから「なんかいま奇跡をみたんじゃねえか…???(放心と混乱)」となって、今に至ります。

そんなこんなで割と『メディア』は思い入れがある作品です。

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どこから持ってきたんだっけこの画像…すみません無断転載かな…相変わらず素敵な衣裳

 

疲れてるので脈絡なく書いていくよ、の感想

めっちゃ現代!!

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…これが『メディア』だと…!?

階下にいるのが左からメディア乳母、階上の白いワンピースの人はジェイソン(イアソン)が再婚する予定のコリントスクレオンの娘で、手を握ってるのがもちろんジェイソン、あと集団はコロス(ちゃんと13人、コロスはだいたい12~15人)

 

びっくりです。タンクトップだぞメディア。

しかも下手奥にある手洗い場の下に、洗剤とか掃除道具までおいてあったの見えたぞ。

 

…すげえ…凝ってる…めっちゃリアル…そのまま映画のセットに使えそうな細部へのこだわりっぷりを見せておきながら!、の階下奥の暗い森ね。

まるでメディア、それか人間の暗黒部(しかもリビングから続いているので、日常から簡単に行ける、誰でもそうなってしまう可能性のある、みたいな印象がある)みたいじゃないですか惚れる。

 

乳母のプロローグ(『アルゴナウティカ』の辺りとか。金羊皮紙の話)から始まって、パロドス(コロスの入場曲)?的なコロスのあれがあって、メディアが奥の森から出てくるので余計そんな印象でした。

 

あと、ジェイソンがメディアに「離婚しても君らの面倒は見るよ」って言いながら小切手書いてたり、メディアが後半ジェイソンと子供たちをスマホで撮影したり(もちろん観客みんな、にやっと笑う

なんかもうセットも衣裳もなにからなにまで全部すっごい現代…なのに不気味と異質さみたいなのはちゃんとあるし、かといってそれが強烈な違和感を生み出している、とかじゃなくて溶け込んでる…えええすごい…なにこの舞台美術と演出…。

あとそれに耐えうる原作な…2500年前から人間なんも変わってねえ…すげえ…(寝不足なのでいつに増しても語彙力低め)

 

コロス、面白かったけど…

 

コロスが全員女性ってのも初めて観たんですが、すごい面白かったです。

なんか象徴的なジェスチャーを繰り返したりしてて、それがものすごく異質なんですね。

あ、異質といえば、このコロス、クレオンの娘とジェイソンの結婚パーティーの参列者も演じているんですが、同じように花嫁花婿含め奇妙なジェスチャー、というかダンスを繰り返すのでやっぱ不気味だし、この結婚(再婚)に関することが全て階上の窓の向こうで行われたりして、よく見えない(けど全く見えないわけではない)のがこれまた奇妙な感覚で…。

 

たぶんすごくリアリズムなセットとか衣裳なのに、ふと入り込んでくるコロスとか、こういう場面が、溶け込んではいるけど確かに不気味さ・異質さも感じる、みたいなところに繋がっているんだろうな、と思いました。

 

圧巻だったのが、最後のところ、メディアの贈り物でクレオンもクレオンの娘も死んで、ジェイソンが家に怒鳴り込みに来るんですが、その時、舞台がほんとに暗くなって、で、コロスの人達が、まるで後ろにある森の木の延長みたいな陣形で立ち並びそのちょうど真ん中にジェイソンが取り込まれる、というすごい舞台面になるんですね。

 

暗黒面を感じさせる森が、コロス(どちらかと言うとメディア側の人たち)を通してリビング(日常)の空間まで確実に侵食し、ついにジェイソン(ところでこのジェイソン、絶対子育てとか手伝ってないだろ、感がある)を囲い込むまでになり、彼を子殺しの事実によって絶望に叩き落す(子殺しが行われたことをジェイソンに伝えるのはコロス)、っていう…

 

この怖さすごくないですか(興奮)

 

メディアの心の奥底から湧き上がってくる、「夫を自分が味わった絶望に突き落としたい」という激しい情念が、完全に可視化された気がしてマジで感動しました。

そして圧倒的に勝利を収めたはずなのに、コロスたちはみんな薄汚れた可愛らしいピンクの花模様のワンピース(かつてあったはずの幸せの残骸?)を着て、しかも全員ものすごく哀しそうな顔をしていて(メディアだって子供を殺したいわけではなかった)、だから、怖いのに、それを圧倒的に上回る勢いで舞台空間に広がる虚無感な。しんどすぎる。大好き。

 

1行ごとに1人ずつ交代に畳み掛けるように、コロスが喋るのも神秘的で好き…だったんですが、これ全体で100分ぐらいの劇なんです。

なんならコロスも『アルゴナウティカ』の話も、全部バッサリカットして、完全に現代劇として原作の細かい部分詰める、みたいな台本とその演出、でもそれはそれで面白そうだな、と思いました。好みの問題かな。

私は、少なくとも『アルゴナウティカ』は要らんかな、と思ってしまいました。

 

「出産は生と死のダンス」

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あの、メディアが色々「やってやる!」と決意したあと、よれよれの服から、上の画像みたいなややギリシャ風かな?みたいな純白のオールインワン(ワンピースじゃなくてズボン)に着替えて、で、この衣裳のままラストまで行きます。

 

…真っ白なので照明があたった時のヘレン・マックロリーの神々しさな…特に横顔の時がえぐい…。

メディアがやろうとしてることはどう考えても人道的にアウトなんだけど、そこに一直線に突き進む彼女の、ある意味高潔で清廉な感じがトリハダしか立たない…(日本語)

 

話戻します…。

で、このまま、まるで花嫁衣裳のみたいなまま、ラストに子供の遺体が入っているであろう黒い袋2個、肩に担ぎながら森から出てくるんです。もちろん血まみれで。

なお殺しの場面とかは、悲鳴のみで「見せませんでした」。そこもギリシア悲劇に倣ったみたい。

 

それですっごい、いとおしそうに、としか言えないんですが、そんな表情で袋にほおずりしたりするのと同時に、

 

They are beyond you now!

この子たちはもうあなた(ジェイソン)の手の届かないところにいるのよ、的な意味だったはず。

 

ってメディアが絞りだすんです。ここほんと聞いてて辛い。

ちなみにメディアが子供を殺すのは、ジェイソンにとって1番大切…死んでしまったらと生きていけないレベルで大切なものだから。要はジェイソンがメディアに対してした行為もそれほどのものだったということ。

 

で、言っても死体2体担いでいるのは相当つらい、のかは分からないんですが、メディアの足とか、自分がしてしまったことへの恐怖なのかなんなのか、とにかくめっちゃ震えてて…。

ここだけじゃなく、メディア、感情が高ぶったりすると、肩とか肋骨とか小刻みに震えてて、すっげえ身体性…と思った。

 

なんか白い衣裳に、広がる血しぶき、come to me, my childrenっていうメディアの穏やかな語りかけと、ものすごく疲労しきった涙まみれの優しそうな、でも苦しそうな表情と、彼女の不安定な身体をみて、なんか、あまりまだ上手く言語化できていないんですが、

 

「ああ、彼女は1人きりで子供を出産し直したんだ…ジェイソンから完全に奪ってしまうために、ほんの少しもジェイソンの力を借りず、彼女だけで妊娠し直して、彼女だけで産み直したんだ…」

 

って思ったんですよね、ほんとになんでか分からないけど。

でもそうなってくると、劇冒頭にあった意味深なセリフ、「出産は生と死のダンス」というのもなんとなく腑に落ちるし、あるいはこの「出産し直し」のあとに続く、メディアの「私は私の清らかさを取り戻す」みたいなセリフも、処女性の復活?的な感じで(聖母マリア的なあれで)理解できなくもない…。

 

おまけのインタビューで演出家さんが、「実はこの話って、にっちもさっちもいかなくなった夫婦がケリをつける話」って言ってたのがなんかわかった気がする…。

 

とにかく、このシーン、本当に凄かったです。壮絶とはまさにこのこと。

惜しい役者さんが亡くなってしまったなあ…と思います。しんどい…。

 

ラストも考えさせられる感じで面白い

 

乳母がエクソドス…いやエピローグかな、で観客に向かってこんなことを言います。

 

「この物語に別の結末があると思いますか」

 

でそのあとは

 

First, silence, then darkness.(この後、暗転。幕。心憎すぎる終わり方!)

和訳忘れた…まずは沈黙、そして暗黒、程度の意味だとは思う。

 

 

………………………………………………ない気がする…!!(メンタル崩壊からの号泣)

 

しんどすぎます。だってメディアの説明は正気にしろ狂気にしろ、追い詰められた人である割にはとっても理路整然としてて、パッと聞いただけじゃ私みたいなバカは口をつぐむしかないじゃんか…不意打ちやめて…

 

英語のギリシア悲劇初めて観た(ヘレン・マックロリーが凄すぎるだけかもしれない)

 

かたっくるしい難解な邦訳とか、逆にフランス語とかの上演は観たことあったんですが、現代の英語で、って初めてかもしれない。

なんか変に美文麗文の日本語とかより、ドッシーン!と心に刺さった気がしました。

 

…あるいは役者さんたちがうますぎるだけか…。

メディアとジェイソンの互いの主張、どっちも嘘言っているようにどっちも本当のこと言っているようにも見えて、まじで混乱したからね…。

 

あとヘレン・マックロリー

 

I'll DO THIS.

 

とか

 

I WILL SUCCEED.

 

って1語1語に力点置きながら発話するときの迫力な。軽く死ぬかと思った。

おかしいな、映像なんだけど…。

 

『メディア』のカーテンコールはみんなこうなのか??

 

すげえ強烈な印象残して去って行って、放心してたらヘレン・マックロリーさんが、超朗らかにキラッキラの笑顔でカーテンコールに出てきて。

 

あれ?メディアどこいったん???デジャビュ

 

…きっと上手い人の『メディア』観る度にこうなるんだろうなあ…。


あと音楽に関しては超エモかったです。毎度語彙力低くてごめんなさい。

照明があんなにかっこよくなかったら、メディアのナイフみたいな神々しさは8割減ぐらいしてた瞬間があるんじゃないかと思うレベルでかっこよかったです。

 

つまるところ、全部最高でした。

観たことないものを観られて、満たされました最高…。

 

ところで真面目に『フェイクスピア』の感想が終わりません。

助けてシェイクスピア…ロイヤリティ払うから…monoみたいに「よんでません(大声)」とか言わないから…。

あ、千秋楽お疲れ様でした…当日券チャレンジされた方も…。

時間あったから冷やかしにいったアホはここにいます。証拠⇓

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拡大すれば見えるかも…千秋楽の赤い文字…