感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

任侠映画あんまり観たことないけど任侠映画みたいだ、と思った『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』

2021/09/01

KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ

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「冒」シーズン、ついに開幕ですか…!!

 

 

シーズン最後の冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』も絶対観に行く…!と発表された演出と出演者を見て心に決めながら、行ってきました『湊横濱荒犬挽歌~新粧、三人吉三。』

 

 

…読めない!!!(笑)

「みなとよこはまあらぶるいぬのさけび~しんそう、さんにんきちさ。」だそうです。

 

 

パラドックス定数がちょっと気になっているので野木萌葱さんが脚本なら観に行くか…みたいなノリでチケットとりました。歌舞伎原作なのは題名からも分かるし。歌舞伎好きだし。

でもこんなに感染者数増えてるなんて思わなかったので罪悪感がヤバいです。

 

あと岡本玲さんが出演されていて(この前も思ったけどスタイルが良すぎる。今回もレザーパンツの似合い方が異常)『Le Fils 息子』岡本健一さん出演)検察側の証人(成河さん出演)も観に行く予定になっているので、なんか『森 フォレ』の出演者追っかけてるみたいになってるね…??

 

特に意識してなかったけどなんで…??

 

monsa-sm.hatenablog.com

 

 

あとオタコ姐さん、じゃなくて村岡希美さん出てたね…。声でわかったよ…。声の色気が相変わらずすごい…。

 

monsa-sm.hatenablog.com

 

あと、関係ないついでにもう1個書いておくんですけど冒険者たち~』の情報出た時に「話の内容知らんけど絶対成河さん猿孫悟空か馬だろ…!!」となった人が私以外にも多数いて安心しました。

だよね?敵役らしいけど。でも敵役にしたって人間なのか怪しいよね?

基本人間じゃない(レベルにイっちゃってる)の演じている印象。どんな印象だ。

 

あと今後ラビット・ホールとか『綾の鼓』と超面白そうなラインナップばっかりでもうKAATに住みたいです。せめて神奈川に住みたい。

毎度遠くて行くのが大変です!(逆ギレ)

 

 

公式の写真とか

公式サイト☟(なんかパソコンの調子が悪くていつもみたいには埋め込めなかった)

https://www.kaat.jp/d/minatoyokohama

 

youtu.be

 

 

たぶんちょっとズレた感想

開場して、客席に入っていったらメイドさんが舞台の椅子に微動だにせず座っていて「マネキン…!!?」とびっくりしたら俳優さんだった!という驚きもあったんですけど(開演前に既に俳優さんが役として舞台でわちゃわちゃやってるタイプの演出だった)、何よりも笑ってしまったのが前の座席に座っていたお客さん。

 

最初は特に気にも留めてなかったんですが、その方の隣の座席にもうひとり女性が座ったと思ったら検察側の証人』のパンフレットをほぼノールック&無言で女性にポイッと手渡すという。

 

…てか…??え??ここでも売ってるんだっけ??

 

と軽くパニックになりました。もちろん売ってません(笑)

 

たぶん人気公演でチケット取れなかったか、それとも代理で頼まれて買ってきたパンフの受け渡しの瞬間をたまたま目撃してしまったのかな、と思いました。

 

そして開演したら、舞台上では、法律的にいけないお薬の売人の話が出てくる。

 

 

…あれ…なんかさっき見たなこれ…デジャビュ…ブツの受け渡し…。

そっか人気公演のパンフレットはブツなのか…(混乱)

 

 

となって、変な方向から面白かったです。

 

それでふと、というか、座席位置的に必然的に前の座席が視界に入ってくるんですが、そのさっきパンフレット渡していた男性の方が、びっくりするぐらい反応が良くて。

 

物語の序盤、ちょっと過去と現在行ったり来たりしているのもあって、「これ人間関係何となくしか分からないけど、これであってんのかな…?どうなんだろ…?」となってた時とか漫画みたいに顎に手を当てて考えてたり、舞台で銃ぶっぱなすとハッとしてたり、前のめりになったり後ろにそったり、笑うポイントも他の方とズレてるわけではないけど、とにかくなんかめちゃくちゃ舞台へのレスポンスみたいなのがハッキリしてる方で、ごめん正直ちょっとかなり見てて面白かった(笑)。

心なしか舞台までいつも以上に面白く観られた気がする。

でも音はほとんど立てていないので一切うるさくないミラク

 

ほんとは舞台に集中して観るべきなんだろうけど、たまには客席の方見るのも結構面白いな…と思いました。

 

私も、余程、スペースみたいな小劇場じゃない限り、、基本メモ取りながら観てるから、もしこういう風に見られていたとしたら「なんかの学生…??」とか思われてんだろうな…。

 

そうです学生です…。座学の方だし、そもそも全然詳しくなくて死にそうになりながら勉強真っ最中だけど…。勉強と称して観劇楽しんでいるだけだけど…。春学期の成績はたぶん悪い方ではないしとりあえず秋学期も頑張るね…。よろしく大学…。

 

もうちょっとまともな感想

めっちゃ大好き!って感じではなかったけどハイクオリティで面白かった

舞台美術が、抽象的な感じ、とはまた真逆にシンプルな感じで、さっきあげた画像見れば分かるかと思うんですけどもうこのままヤクザ出てくる系の映画撮れるな、ってレベルで具体的に作りこまれていました。

舞台上空にはちょっと雰囲気よさげな喫茶店にありそうなオシャレなランプみたいなのあったり、若い世代3人が酒の代わりに飲み交わすフルーツポンチはガチのフルーツポンチだったりとか。

キャリア組の刑事さん(玉城裕規)がフルーツポンチ食べてイラつきながら「イチゴが好きなんだよ!」って突然言い出すのには笑いました。刑事さんイチゴ好きなのねww良かったねwww

 

どっちかと言うと脚本と俳優さんたちの魅力で突き進む感じの印象でした。

個人的な好みとしては、見立てとか観客へのアクションとか多めの方が好きなので、好みか?と言われると微妙なんですけど、全部が全部ハイクオリティで面白かったです。

 

あ、でもなんか、冒頭らへんでドンパチ騒ぎをした後、何故か墨汁の匂いがしてきて、「なんだこの匂い…??」となったら血の匂いがします!!」って舞台で誰か喋っていたので、「これ血の匂いか…」となりました。

こういう、劇場じゃなきゃ難しい演出のめっちゃ好き。

たぶん勘違いじゃない…とは…思う…。

 

物語関連

登場人物多かったし、うろ覚え感があるし、そもそもあんまりあらすじまとめるの得意じゃないんですけど、たぶんこんな感じ。

キャスト名は分かっているだけ頑張って書いたつもりだけど間違っているかもしれないです。ごめんなさい。

 

もともと「俺ら兄弟じゃーん!」的に、そこそこ良い感じに癒着してた、怖そうな刑事(渡辺哲)と、強そうなヤクザ(山本亨)と、ちょっと弱そうなヤクザラサール石井3人が、強そうなヤクザさんが稼いだはずの5億円が消えたことでトラブってる。

 

なんでトラブっているかというと、消えた、つまり盗まれたそのことよりも、怖そうな刑事さんが、自分の掌の上で人が踊るのを見るのが好きそうな感じの人で、「ヤクザとヤクザがつぶし合ったら面白いじゃん!」って焚きつけたから。

でも盗んだ犯人ではないっぽい。

要は、この刑事さん、何かしら人と「面白おかしく」関わっていたいけど、絶対に有利な立場にいたい、でも完全に蚊帳の外は嫌だなあ、っていうめっちゃめんどくさい大人です。だから息子を自分の所有物だと思っている節がある。

 

それぞれ親と同じ職に就いた子どもたちの世代(玉城裕規が若手キャリア刑事、岡本玲がカッコイイヤクザのお嬢、父と同じくちょっと弱そうなヤクザというか薬の売人が森優作…だったと思う)になってもなんかまだそういう確執が残っていて、子ども世代の3人は3人で、なんか「気に食わない親父たちが気まずそうにしてることだし、何より面白そうだしその5億円見つけようぜ!」って、たまり場と化してる鯨亭でフルーツポンチ食べ飲み交わしながらチーム組む…で色々混線してくる。

 

で、どうやらその5億円、強そうなヤクザさんの右腕的な人が、「俺じゃなくて、自分の子供、それも女なんかに組を任せようとしやがって…」的な恨みつらみがあったりなかったり的な感じで盗んだらしく、ついでに仲良くしてた刑事さんにも1億渡して共犯になってもらって、ずっと隠し持っていたみたい???(この辺りからかなり自信ない。曖昧。間違ってるかも。)

 

ラストにそのことが明らかになって、盗んだ2人はヤクザの金盗んだので当然死ぬわ(でも先にフルボッコにされていたヤクザより先に、共犯の刑事さんの方がコロッとやられちゃって「あれお前が先?」って言うのは「確かに」と思ってしまって笑う場面でもないのに笑っちゃった)、怖そうな刑事さんと強そうなヤクザさんは、親子関係とか人間関係のこじれみたいなのが、ここに至ってピークに達しちゃったみたいでやっぱり殺されちゃうわ、でヤクザ映画にありがちな血みどろ展開。

 

それでも、ある意味、親の代から続くごちゃごちゃも解決したし、3人中2人は父が死んで、父子関係からもある意味解放されてしまったし、もう俺ら引き止めるものないじゃんね!?よっしゃ船乗って、この鯨亭から、横浜から、心の赴くままどこへでも行ってしまおう!!

 

「好きなように生きる」ぜ!!

 

って、どこで誰かが、ヤクザ(あるいは刑事。ヤクザとは「権力の有無」の違いしかないって、怖そうな刑事さんが、息子のキャリア刑事さんに言い聞かせてた)の生きざまとして語っていたことを体現するかのように若者たちがエイヤッと出て行ってしまう。

 

ついでに5億円に直接関連した人で唯一生き残った弱そうなヤクザさんは、「おれ本当になんにも出来なかったなあ…」とやや呆然としている。

弱そうなヤクザさんの女房的存在(でも強そうなヤクザさんとも子供1人設けているし、怖そうな刑事さんとも関係があってもおかしくない感じのイイ女感満載の村岡希美の女性がそれを聞いて「だからこそこうしていられるんだよ…」って慰めている。

 

2人はこの後「同じところをぐるぐる回る」観覧車に乗りに行くらしい。

 

そんでもって一連の様子を、昔から変わらない様子で見つめ続けている、横浜港近くの宿兼喫茶店の鯨亭(くじらてい)の主人と、ヒトガタアンドロイドのメイド那須凛)さん…。

 

幕切れに新しいお客さんが入ってきて、いくら年月が経っても変わらないヒトガタのメイドさんが、いつものようにお出迎えの挨拶をした(下手にあるドアから強い照明が入ってくるので、上手側の壁にメイドさんの強い影が印象的に出来るところで幕。

 

たぶんこれ以前にも、これ以降にも似たようなドラマが展開して、きっとヒトガタちゃんと鯨亭は、その人間ドラマを、変わらず、この横浜で、ずっと見続けていくんだろうな…と不思議に感慨深いような気持になりました。

だって劇場がKAATだし!!横浜だし!!

 

あと役名覚えてなくて「弱いヤクザさん」って書いたんですけど、この人、確かに友人?たちが目の前で死んでいくのに「なんにも出来なかった」かもしれないし、5億円に関しても「盗もうと思えば盗めたけどする勇気がなかった」って、一見頼りない印象ではあるんですが、そうやってじっと世の中を見つめるように生きていくのも、ある意味「強さ」かな、とも思いました。

 

だって現にこの人だけ生き残っているわけだし。

当人の気持ちは知らんけど、女房的存在の女の人のセリフに完全同意です。

 

若者3人が、歌舞伎の方みたいに酒、じゃなくてフルーツポンチ飲み交わしていたんで、最後歌舞伎みたいにこの世での逃げ場を失って死ぬのかと思ったら、逆に解放されて飛び出していくのが、アウトローな感じですっきり気持ちが良くてかっこよかったんですが、「変わらず見つめ続ける」そういう存在とか、鯨亭及びヒトガタちゃんにも、人生しっかり生きていた大人にだけは分かりそうな渋い魅力を感じる気が…。

だから私まだ分かりきれてない感があるけど…。

 

こまごました感想

岡本玲さんの衣裳がかっこかわいいセクシー!!

あと何であんなにスタイルがいいんだ!?!?私もとりあえずストレッチを頑張る!!

『森 フォレ』三人吉三。』観ただけだけど、安定して上手い印象があります。

またなんか観に行こう…。

 

それとキャリア刑事を演じていた玉城裕規さん?初めて観たんですけど、すごいセリフ聞き取りやすいし、ちょっとタガ外れた感じの演技が好きな感じでした。

違法薬物所持でしょっぴいた弱そうなヤクザ息子(森優作)が「頭痛薬らしいっすよコレ」って苦し紛れに言うから「へえ~そっか~~(にっこり)」で1つ飲んでけらけら笑い出しながらラリったみたいに「そんなわきゃねえだろうが!?(にっこり)」してるとこなんか面白こわくて笑っちゃった(笑)。

キャリア刑事にしては恐ろしすぎるよ!

 

あとどっかで強そうなヤクザさんが脇腹をかくためにスーツの内側に手を突っ込んだ時は、「絶対拳銃だ…!!」と、その目の前にいた弱そうなヤクザさんのみっちゃん(そうだ!弱そうなヤクザさん父はみっちゃんだ!!)と一緒にひやりとして、拳銃じゃなかったと分かって、にやりとしました。

 

やっぱり全体的に脚本が面白い印象だったなあ…。

でも父子関係のどろどろした感じは、私自身特にそういうの無いので「そんなもんなのかな」ってレベルの感想しか出てこないのが辛い。

あと「正義を貫くにも金が要る人の世」ってセリフには赤べこ状態で頷いていました。

 

ヤクザっぽく叫ぶ部分のセリフがかなり聞き取りづらかったのが、難点と言えば難点だけど、それぐらいかなって感じです。

 

ライブ配信アーカイブ有)あるらしいです。

とにかく任侠映画みたいな物語がすごいし、映画的に面白くもあったので配信で観るのも全然ありかな、と個人的には思いました。

 

詳しくは公式サイトにあると思います。千秋楽の9月12日っぽい?☟

https://www.kaat.jp/d/minatoyokohama

 

なんか感想というか、あらすじ書きなぐっただけで終わった感があるけど、とりあえず明日は『Le Fils 息子』観に行ってきます!

 

あと全然関係ないけど、駅の自販機でマスクが売られていてすごくビビった!!

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『ヒッキー・カンクーントルネード』「トペ・コンヒーロ」チーム

2021/08/26

すみだパークギャラリー SASAYA

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立体的でかわいい…

 

 

岩井作品を初めて観に行ってきました!

講義とか本とか論文で名前だけ知っていたけどなんか通りすぎていた、という…。

 

そういえばYouTubeのやつもまだ観てないな…。早く観ないと…。

このシリーズ今年度だけだった気がするからマジで早く観ないと…。

youtu.be

 

しかもAmazon Prime Videoのチャンネルでもなんかやってるんですよね…配信…。

うわあ…たくさんだ…期間中に観られるかなあ…。

 

最近夏休みだからって頑張っていっぱい観に行こうとしてやや死にかけてます。

ずっとこのブログ読んでる酔狂な方とかなら、たぶん文量とかテンションとかで気が付くとは思うけど…。

 

9月入ったらそんなでもなかったはず、なので頑張ります…。

ちなみに明日はKAATに行ってくるぜ…感染対策はちゃんとするよ…。

 

公式と、公式から引っ張ってきたあらすじ

hi-bye.net

 

 

取っ手だけでドアを表現しているのが個人的に好きでした。 

 

プロレスラーを夢見ているが自宅からは一切出られない引きこもり(ヒッキー)の登美男。

妹の綾が唯一の理解者。ある日心配をした母が連れてきた「出張お兄さん」なるカウンセラーもどきの男、圭一に登美男は説得をされるが、あろうことか逆に圭一が、登美男と共に引きこもってしまう。

続いてやってきたカウンセラーは、二人を家から外に出すべく、新たな策を練る。

果たして、登美男は外に出られるのか…。

 

もう太字のとこ読んだだけで「これはヤバそう」と思ってチケット買いました。

 

結果、思ってた方向とは違ったけど面白かったので良かったです!!

 

「出張お兄さん」は「飛びこもり」だった

なんか、超絶適応能力がある人、みたいな?

だから自我ってものが薄いし、どこにでも誰にでも適応しちゃう人で、その珍しさから「出張お兄さん・お姉さん」のカウンセラー団体から実験体として呼ばれている…みたいな感じでした。出張お兄さん。

 

てっきりそのカウンセラーもどきのお兄さんが、いかにして引きこもりの登美男に逆に説得されるか、そしてその現象が周りにもどんどん広がっていくか、を、カオス感たっぷりに描いたブラックコメディだと思っていたので(何を期待してるんだ)、「あッ…お兄さんのくだり、意外とあっさり…」となりました(笑)

 

その他のモロモロの感想

元引きこもりとしては、「あ~あるある!!」って感じのことがいっぱいで、会場が結構どっかんどっかん笑っているときとかに「え?今のって笑うとこ??」ってなってしまうことが多数。

 

お兄さんとかお姉さんとか、それを巡るドタバタ感はあったんですけど、基本なんかすごくリアルで、定点カメラで、ある家庭のリビングを覗き見している感じです。

 

母と妹が、兄の引きこもりについて話しているのに、いつの間にか母の趣味のボウリングとそれにまつわる話に中心が移っていく感じとか、妹と兄がプロレスの話で超盛り上がって、兄が「じゃあ見せてやんよ!」って意気揚々とプロレスのコスプレして戻ってきたときには、もう妹は彼氏との電話で忙しい…みたいな、微妙に会話がずれていく感じとか、人が微妙にすれ違っていく感じとかに「すごいリアル!!」って思いました。

 

あと登美男が意外とバキバキに鍛えていて、インターホン鳴るたびにつま先立ちでブルブル小鹿のように震えだすので「登美男…お前体幹すげえな…」と変な感想も抱きました。

 

でも…なんか…なんだろう…演劇観てる!!って感じはしたし、面白かったんですけど、ちょっと観客席の、たぶん常連さんかな、みたいな人たちの雰囲気に押されてしまって、なんとなくしっくりこないまま、観終わってしまった感じがします。不覚。

小劇場大劇場関係なく観客席の雰囲気に馴染めない時ってあるよね…

あと今度ジャニーズ主演の舞台を2本観に行く予定なのでそれも今からドキドキしてます…大丈夫かな…。

 

とりあえずオンラインのやつも観てみようかと思います

それからまたちょっと考えるぜ!

でも時間あるかな!!?それが問題!!

色んな「狂気」が面白かったファビュラ・コレクティブ『HUMAN.』

2021/08/29

新国立劇場 小劇場

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アクリルとかガラスのケースに入ってないと写り込みなくて撮りやすい…。

 

 

このあいだオペラ☟観に行った時に、看板を見て面白そう…となってジャケ買いしました。

 

monsa-sm.hatenablog.com

 

コロナ禍だけど…もうそこは気を付けるしかないってことで…。

 

来日難しい時期なのに、こんな贅沢なのを2000円で観ていいのか…って感じでした。

しかも2階席だけど距離的にはほとんど最前列の位置。ちっか!!

上に視線を向けるダンサーさんたちと目が合ってると錯覚するレベルで近かったです。

ある意味S席じゃんね??

唯一の欠点としては真横すぎて舞台袖が丸見えなこと。(笑)

いつも遠くの安い席から観ることが多いのでたまに舞台に近いとビビる。

 

ダンス公演、観に行くのは好きなんですが、あいにくダンスの美しさとかを描写する語彙力と知識がないので、たぶん今回の感想はいつに増しても語彙力低めになる気がしてます…。でも出来る限り頑張ってはみよう…。

 

 

公式(トレーラーとかものってた)

www.fabulacollective.co.uk

 

マクベス夫人」は割とトレーラーの印象そのままに近かったんですが、残り2作品は印象はトレーラー通りといえば通りなんだけど、色合いとかそういうのは結構違う感じでした。

 

あと2019年にこのカンパニー、なんかめっちゃ面白そうなのやってたんじゃん…不覚…、となりました。能舞台って…良き…。

spice.eplus.jp

 

今度またなんか公演するときはちゃんと情報ゲットして、絶対観に行きます…。

 

Lady Macbeth マクベス夫人 —追い込まれた/押し付けられた狂気—

初っ端、マクベス夫人が王座の上から、王座にみたいにまとわりつきながら出てきただけでもうなんかすごい。

 

緑のドレスが、王座の赤色とか、あとの方に出てくる赤い布とのコントラストできれいだった…。

 

舞台全体にモヤみたいなのがかかっているのも、夢遊病の人みたいに歩き回る戯曲のマクベス夫人の夢の中に入ったみたいで、凄かったです。

 

あ、あと途中で、マクベス夫人が十字架のライトのなかに座っている時、香炉みたいなのを男性ダンサー2人が両手に1つずつ、計4つ持ってきて踊り出したときはちょっとむせました(笑)

肺が弱いのかタバコとかお香関連とかが結構苦手で…1席開きだけど隣の席の人ごめんなさい…。マスクの上からハンカチで抑えたしたぶん飛沫とかは心配ないです…。

 

とにかく近い席で観たからか、息遣いとかまで聞こえてきて、マクベス夫人が、今、どんな気持ちなのか、というのがダンスを通してびしびし伝わってくる感じがしました。あと1つ1つの動きの完成度がほとんど芸術品。優雅。連続写真撮りたい。

 

途中でベールみたいなフード付きの薄布まとったまま、マクベス夫人が踊るのも幻想的がすぎるぜ…。

紫とピンクの2層のベールみたいになっていたのでマジできれいでした。

 

ダンカン王とバンクォー役なのかな?の男性ダンサーも出てきて、結構リフトとかの動きが迫力あったんですけど、徹底して無表情なのが亡霊感あって怖かったです。

その2人が黒いフード被ったままマクベス夫人に迫るとこなんて、もうマクベス夫人の恐怖が伝わってくるやら退廃的に美しい構図やらで感情がパニック。

 

紗幕の後ろにダンカン王がいるのも、照明当てた瞬間、ほんとに亡霊が突然出てきたみたいで、「なるほど紗幕はこうも使えるのか…」となりました(どこ見てる)

 

あとラスト、マクベス夫人が王座の上からその後ろに飛び降りる時、その一瞬前に、王冠を被った人のシルエット(なんとなく女性っぽくも見えた)が、また紗幕の後ろにバッとうつってから、飛び降りて(死んで)幕、だったので、最後まで自分の罪に追いこまれた、あるいは、本来は実行犯である今は王となった夫マクベスが真っ先に追い込まれるはずだったものを押し付けらた(引き受けた)ゆえの「狂気」って感じがして、15~20分ぐらいの短い作品だったけど、マクベス夫人の最期を全て観てしまったような感動がありました。

 

Everything Would Be Nonsense —距離、それか現代の狂気—

なんか第一印象として「パズルみたいなダンスだな」と思いました。

電子音みたいなのがずっと鳴り響いているからそう思ったのかもしれないんですけど。

Perfumeのダンスの進化系みたいだな…とも思ったり。でもド素人なのでこのたとえがあっているのかわかんないです…。

 

最初、上手からテーブルをゆっくり出しながら男女が踊っているんですが、移動してる途中なのに暗転して、すぐ明転したと思ったら、もう1組の男女ペアに変わっている…というのが、だまし絵みたいで楽しかったです。超高速移動すごい。

 

結構せわしなく踊っている感じなんですが、踊ることで、相手に近づいたり、離れたり、触れたりしながら、互いに互いとの距離をはかっている感じがしたのが、「なんか今ってこんな感じだよな~」と思いました。

SNS上でのやり取りみたい。距離感つかみかねてるみたいな。

 

とか思っていたら突然、下手側から赤、青、緑、黄の強い色彩の照明で、舞台が四分割されて、ダンサーがそれぞれの区画を行ったり来たりしながら踊り出したのでびっくりしました。突然の感情爆発。

 

正直、最後まで何やっているのかは分かんなかったし、言われないと不思議の国のアリスのお茶会が元ネタっていうのもわかんないし、別に狂気っぽさも感じないし、とにかくわかんないことだらけなんですけど、「人との距離を探っている、つかみかねている」感が、ものすごく現代!!って感じだな、と個人的に思いました。

 

あとテーブルとかを使ったダンスとか個人的にすごく好きです。フォーサイスOne Flat Thingとか思い出しちゃった。

授業で見た時アホみたいに口開けてたのを覚えている(笑)

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Dorian Gray ドリアン・グレイ —視線の狂気— 

何観たか思い出せないぐらい衝撃的でした。

観終わった後に呼吸が楽になったので、どんだけ息つめて観てたんだ自分、って感じ。

 

男性ダンサー2人なので、迫力がとにかくえぐい。肉体!筋肉!って感じ。(表現)

 

あとドリアン・グレイだしテーマ的に言ってもいだろということで言うけど、2人とも信じられないほど顔が良い。動く彫刻か何かですか??

 

『ドリアン・グレイの肖像』、物語をざっくりしか知らないんですけど、小説の要素をぎゅっと詰めたみたいな作品でした。そりゃ息も出来なくなるわ。

 

ジェームズ・ペットさんがドリアン・グレイで、トラヴィス・クロ―セン=ナイトさんがその他何役も演じる、って感じでした。

ドリアン・グレイの衣裳は、全身真っ白なタンクトップか、その上に白いジャケットって感じで、あとトラヴィスさんの方の衣裳が結構特徴的な感じ。☟

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1分クオリティなので雑なのは許して…。うろ覚えだし…。

 

ちょうど肖像画を描くときにここで切れるよなあ、みたいな位置で色が分かれているので、最後に倒れ伏したドリアン・グレイを立ったままじっと眺めているのが、まるで美しさが戻った肖像画が、舞台空間上に現れたみたいでトリハダ立ちました。

 

 

あと照明がすごかった!!!!

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見えないから青で描いてるけど、ほんとは真っ白な照明です。

 

ざっくり描いたやつの、上2つの時は、1つ1つ順番に舞台上に差し込んでくるのでとにかくきれいです。肖像画のシーンなんかは、鉛筆で下書きしてるみたいにも見えた。

 

そして矢印描いてるけど、真ん中のやつから一番下のやつには照明の角度だけを変えるのでほんとに一瞬で舞台面が変わる。

その縦横無尽に光線が走っている中を真っ白な衣裳のドリアン・グレイが踊るので、光線の部分に身体が触れる度に目がチカチカするほど光の動きが生まれます。最高。

 

互いに視線を交わし合い続ける男性ダンサー2人の踊りもそうだけど、視覚からグラグラさせれるこの感じ、「見た目の美しさ」に固執した話だったことを考えると、すげえ表現…って思いました。そしてやっぱり美しい。

 

ダンサー2人のうち片方は、何役もやっているので当たり前なんですけど、刻一刻と変化する2人の関係、それに伴って変わる主人公の気持ち、みたいなのが、一切言葉がないダンスを通して、こんなにもハッキリと体感できるのが、やっぱダンスって「感情」とかをダイレクトに伝えるのにめちゃくちゃ向いてる表現なのかな、と思いました。

音楽もだけど。

 

あと最後なので心の声を爆発させて終わります。

 

 イケメン2人が美しい身体で、最高レベルに美しい動きを踊っているのに、目の保養にならないわけがないよね!!

しかもマクベス夫人も美女すぎだし、お茶会のダンサーさんたちも当然のようにスタイル良すぎだし、全員ダンスのクオリティ高すぎだし、とにかく目の保養すぎないかこのプログラム。

 

公演後のQ&Aセッションが充実してた

たぶん1時間ぐらいやってたんじゃないかな。

今夏休みだし、コロナのせいで春学期も対面授業少なすぎたので、こういう風に生で質問とかお話とか聞けてすごい楽しかったです。ちょっとケツが死んだけど。

 

「皆さんに見られることで作品は完成しています。皆さんが思っている以上に皆さんの存在は大きいのです。」

 

ってことをジェームズ・ペットさんが話されていて、なんか素敵だな、と思いました。

 

あと振り付けの指示通りじゃなく踊りたくはなりませんか?ってすごい質問に、YES!って答えられていたチラ・ロビンソンさんはキュートでした。

かっこよくてキュートとか最高かよマクベス夫人(混乱)

 

2000円なら…って思い切って買ってみて良かったです。

ダンス公演またなんか観に行きたいな…。

最近見つけて面白かったのは、「踊る」というより「踊らされる」コレ☟だけど…。

youtu.be

…もしかしたらフォーサイスとかが私好きなのかもしれない。謎…。