子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラ『Super Angels スーパーエンジェル』(でも内容が子ども向けかは謎)
2021/08/22
新国立劇場 オペラパレス
祝!!初オペラ—―――――!!!
去年のオペラとかバレエの配信はタダだったので(ここ大事)、ボチボチ観てたんですが、劇場で観るのは初めてです!!
劇場通い始めてから3~4年経っているのに遅すぎる気がする!!
あと落語と講談と文楽と2.5次元も生では観たことない。ヤバい。誰か教えてくれ。
そして夏休み、観劇の予定を詰め込み過ぎて、罪悪感たっぷりに出歩きまくっています。
感染対策は出来る限りするので……。
早く罪悪感なく出歩けるようにならないかなあ…。
あと感想まとめるのが普通に追いつかない。どうしよう。(自業自得)
とても素敵な公式
あらすじちょっと載ってます☟
本公演は、年内に公演記録映像の無料配信を予定しています。
ってとっても素敵な一言だよね??????みんな観よ????(圧)
もうちょっと詳しいあらすじとか写真とか☟
本日、子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラ『Super Angels スーパーエンジェル』が開幕しました!ご来場いただいた皆様、ありがとうございました✨#新国立劇場 #スーパーエンジェル #渋谷慶一郎 #島田雅彦 #大野和士 pic.twitter.com/QAabiI9VTo
— 新国立劇場<オペラ> (@nntt_opera) 2021年8月21日
あと、当日、場面ごとのあらすじとかめっちゃ詳しく書いてあるパンフが無料配布だったのが超嬉しかったです。お財布的に。
アンドロイド、と言えば…
アンドロイドが出ている演劇観るのも何気に初めてでした。
アンドロイド演劇といえば平田オリザ!っていうのは先生に叩き込まれました(嘘)
観たことはないけどいつか機会があったら超観たい。
基本的に、適切な声と身体の動きができているなら、それこそ「役を生きて」いなくても、そういう風に見えると思っていたので、アンドロイドも生身の俳優さんとあんまり変わんなく見えるんだろうなあ、とは思っていたんですが、やっぱそんな感じでした。
カーテンコールで、アンドロイドのオルタ3がお辞儀してた時の観客席の拍手聞けば分かるけど、完全にメインキャスト認定だったよ。
年内に無料配信あるとか公式に書いてるから、みんなチラッとでもいいから観ようね!!(大事なことは二度三度…言っていくスタイル)
(以下脱線)
そしてこの手のバトル(演技するときに、感情体験する派vs感情体験しない派みたいな)で思い出すのはコレ☞Masks or Faces
ヘンリー・アーヴィングとコンスタン・コクランの仁義なき戦いに巻き込まれ、親父(アーヴィング)に気を使って『俳優と超人形』がなかなか出版できなかったことで散々な思いをした奇人変人ゴードン・クレイグ(というのは曲解)
ジェームズランゲ説とかも。
なんで思い出すかというと、「演劇何それ美味しいの??」状態の上京ガールだった時に受けた大学の講義で、超絶丁寧に教えてくれたからね。先生が。
「えッ、じゃあダンサーさん(身体動かすプロ)が、声も良かったら最強じゃん…」
と、当時、漠然と思ってたけど、割と今でもそんな感じに思っている。
身体能力高めな俳優さんは、とりあえずチェックしがちな今日この頃です。
(脱線終了)
珍しく最初にざっくりまとめる
正直オペラとしての完成度は分かりません。オペラ初心者なので。
ただ、アンドロイドの歌に関しては、字幕がないと完全に分かりませんでした。
そして字幕が舞台両脇に出るんだけど、舞台自体が大きいから、前列に座ると、字幕を見ると舞台が見えないというまさかの事態。
あれなら、ボカロの方が全然上手い…と思います。最近のボカロ詳しくないけど…。
舞台後方に、映像として出てくるマザーが歌う時も、もうちょい音声と口の動きシンクロできたんじゃないかな…と思ったり。
演出も、筋は通っているけど、ちょっとごちゃっと感がなくはなかったです。
どこ見ていいか視線が泳ぎまくっちゃうというか…上手く言えないけど…。
でも個人的には面白い印象が勝ちました!!!
小川絵梨子さんが具体的にどこに関わっているのかは分からないけど、やっぱり面白かった!!『検察側の証人』も楽しみがヤバいよ!!
あと『タージマハルの衛兵』は再演はいつまでも待っています!!
箱推ししてるから初演の時と同じ小劇場、演者、スタッフ陣でよろしく!!!!
ただでさえ最高だった演出がきっとさらにアップデートすること間違いなし!!
全然どさくさに紛れられてないむき出しの欲望
子供向けと言うにはヘビーすぎるSF系?ディストピア物語
単純に1時間45分の上演時間も、子どもにはヘビーだった気もしなくはないけど、原作読んでみたいぐらい大人向けというか、ちょっと考えこんじゃう内容でした。
管理社会?監視社会?が進行しまくった末のディストピア的な物語というか。
あ、管理者(監視者)は「マザー」ってやつです。全知全能のAI。
なんか後ろに映像でしか出てこないちょっと気持ち悪いやつ。
いやごめん、正直、映像で色々な顔が重なってマザーの顔になってる(ように見えた)のでだいぶ気持ち悪いです。
しかも主人公途中で自殺するし。
「(マザーが決めている今の世界の)掟を破らなければ世界は変わらない」って最後らへん歌ってるし。(そして超ざっくり言うと「掟破り」の話だったし)
どうなんだコレ。子どもの親的にはアリなのか??
まあ、でも、究極言っちゃうと、これをどう受け止めるのかはその子どもたち自身なのでここについては吹っ飛ばします。私は観てて結構面白いなと思いました。
ただ自分がもし幼い子供を持つ親だったら、「自殺...掟(ルール)破り…うーん…これを今我が子に観せるのか...」とはちょっとなりそうだなって思っただけです。
あと「世界はまぼろし、意識で変わる」とか、結構前半の方になかなかのことをぶっ込んできてるのも、Σ\(゚Д゚;)オイオイオイオイどう考えてもこれ内容的にガッツリ大人も考え込むやつじゃん!!ってなりました。
なんなんだ哲学かそれとも精神分析か??
...マザーを、それこそラカンとかべちゃくちゃ喋りまくってる象徴界の法みたいな感じで考えるとすんなり分かっちゃうような気もしなくはないけど...。なんとなく...。ほんとになんとなくだけど...。
最後に悪役(というよりマザーの掟に忠実な「大人」)...名前なんだっけ...ジョージ?さん?だかが出てくるんですが、その人が
「マザーに忠実な超人だけが、世界の管理者、支配者」
「超人」に過剰反応しちゃうのはどう考えても『スリル・ミー』のせいだよ〜...♪*゚
的なことを言っているので、マザー=掟、法、って考えてもいいかな、とかは思いました。全知全能ってことはほぼ神様だしね。
そのマザーが死んだ時、このジョージが、確か
「頭の中の崖が崩れる!」
みたいなことも歌っていたので…。
「頭の中の崖」が何を意味するのかは分かんなくて、もしかしたら単に、マザーの管理下に入るためにこめかみに埋め込む必要があるナノチップが、その管理者であるマザーが機能しなくなったために、同時に機能しなくなった、ってことなのかもしれないんですが…。
この、こめかみにナノチップを埋め込むシーン、冒頭でやっていたんですが、舞台の後方に白衣軍団が居て、そのちょっと前方に埋め込まれる人達が居て、タイミング合わせて白衣軍団は注射するような動き、埋め込まれる人はちょっと頭に軽い衝撃受けた動きをするんですが、この演出は真正面からじゃないと綺麗に見えないなあ…と思いました。
私、ちょっと上手寄りに座っていたので、ややズレて見えてしまい、注射してなくね?、となったりならなかったり…。
前後に分ける必要あったのかな?
でも、何となく「認識」とかが崩れたのかな…と思いました。
だって今まで、世界の何から何まで全て全知全能のマザーが決めていたのに、それがなくなってしまうって、極端なこと言ってしまうと、「自分が生きていること」すら保障するものがないってことでしょ??
今の例は、生と死の(認識の)境界線、みたいなかなり極端な例だけど、なんとなく歌を聞いていると、似たようなことを歌っている…ような気がしたのは私だけ…??
うろ覚えている限りだと
「ぼくはきみになれるし、きみはぼくになれるよ」
だから「孤独な人はもういない」
みたいなのがあった気がする…。(自他の境界線があいまいに)
歌詞だけ字幕で読んでいると、素敵なこと言っているようにも聞こえるんですが、世界を「分かる」ように独自の「掟」に従って「境界線」を引いて「分けていた」マザーが消滅するっていうことは、ある意味、そういう「境界線」の消滅なので、分化する以前の「カオス」になっちゃう面もあるんじゃないかな、とも思ったり。
そうすると「個人」も消滅、する、というか…。
いや死ぬわけではないんですが(というか「死ぬ」も「生きる」も無くなるわけですが)なにか、この世界のすべてのものが、1つの何かに集結してしまって、それ以前の何もかもを「超越」(もしかしてそれで「Super Angels」?複数形なのも小さい部品が集まってできたってこと??)した、「なにか」になっちゃうみたいな…
てか今も、インターネットに個人が接続されているって見ると変わらんか…。
音楽も、最後らへん重低音あたりが不穏な感じの音出していたので、余計なんか、「えッ、マザーの消滅ってハッピーエンドなん??あれ???」となってしまいました。
確かマザーは人間の進化を助けるみたいな目的で導入された、的なことも言ってたから余計…。
掟(ルール)があるからこそ、その制限の中で人間は工夫して進化・成長するような面もあるとは思うので、全部まっさらにしてしまうのは、最高じゃん!とも思うし、怖くもある。
というかこの音楽があったからこそ、上に書いたみたいにぐるぐるしてしまったというか…。
「僕らは互いに天使になる」
この歌詞も何回も考えるとちょっと怖い。天使ってどういうこと。天使の上司の神様は「何」??
ってなんか良い感じに終わってたけど、これほんとにどう考えたらいいんだ…。
もちろんマザーがやっていたみたいに異端者だけを開拓地に集めるという名目で排除するのはどうかと思うけど、かといって自他も生死の区別もなくなってしまったように、個人的には感じてしまうこのラストって…。
最後に映像で、主人公のアキラがエリカに渡した変な球形の土偶がドアップに写るし…謎は深まるばかり…。
と、内容がわりかし激重でした。1回観ただけじゃ分からん。
原作読むか、配信されたらもっかい観よ。
あと漠然とアーサー・C・クラーク味を感じました。SFだもんな。
演出とか
初めの方にもう書いたけど
これが最高でした!!
もうこれが見られただけで個人的には満足です。ナニコレめっちゃ綺麗。
マジックミラーみたいなのを内側に鏡面向けて合わせ鏡にしてるのか、なんかそんな感じに見えたんですけど、つまりこの装置のなかに入ったものだけが合わせ鏡で増幅するという摩訶不思議現象。
詳しくないけど、そこだけ空間が多層的になった感があるというか、マルチバースが集合しちゃったみたいに見えて、最高。
もうここだけでもいいから配信でもう一回観たい。絶対観る。
あとジュニア合唱団の限りなく澄んでいるきれいな歌もトリハダ立ちそうだったし、手話で歌っているのもいいなあ、と思いました。
手話ってあんなに表現豊かなんだな、って改めて思ったというか。
特にセンターのポニーテール?の人、めちゃくちゃキラキラしてました…。
センターはるだけあるぜ…圧倒的キラキラ感…。
私にもあんな時期があったのかしら…。たぶんないな…うん…。
あと、ざっくり手話グループと、歌、オペラのグループ、ダンサーのグループに分かれてたように思ったんですが、何か所か、例えば主人公アキラの心情を、手話は手話で語って、歌、オペラは歌って、ダンサーは踊ることで、それぞれ複数の異なる表現の同時進行で表していたりする部分があったのが、へええええええなんかすげええええ!!って思いました。
しかも同時進行だから、それぞれのグループできちんとリンクしている部分もあるし。
ただ1つのことに対して、色々な表現で表すのが面白かった半面、それと同時に、字幕も見ないと聞こえなかったりするので、ちょっと観ている側としては目が忙しかったです。
あと、手話グループかな、口元にフェイスガード?をつけていたんですが、設定も設定だし、衣裳もセットも近未来的で、なんかフェイスガードすらSFチックな装置の一部に見えたというミラクル。強い。
そして何よりもすごいのがアンドロイドね!!
もうあれは生きてるね!!!
機械丸見えの部分もだんだん内臓に見えてきたもんね!!!(表現)
最初はやっぱなんか奇妙な身体だなあ、って感じだったんですが、だんだん生の人間と大差ない存在に見えました。
そのことが、わざわざアンドロイドを演劇に使用するうえで、良い効果なのか悪い効果なのかは分からないけど。
紗幕の向こう側にいた時なんかはヤバかったです。マジで命入ってるよアレ。
これはもう観て!!としか言いようがない。ほんとに配信頼むぜ…。
オペラ自体ほぼ初めて観るので取りこぼした部分が多そう…
なのでもう何回も書いてるけど、配信観ます。みんな観ようね。すごいよ。
あと、アキラとゴーレム3(アンドロイド)のやり取りですごく印象に残っているのが、
ゴーレム3「なんであの世があるの?」
アキラ 「なければ死んだ人が困るだろう」
的なやつです。
例のごとくうろ覚えだけど、「アキラ…深いいぜ…」となりました。
ちょっと1本どころか2本ぐらい取られた気がする。
とりあえずはこんなもんかなあ。
感想が溜まりに溜まってきたのでいつもより雑かもしれないです。軽く詰んでます。
早く纏めちゃわないと…。体調管理に気を付けながら!!