2021/05/26
国立能楽堂 14:00開演
学校から頑張れば30分で着くことが判明
昨日久しぶりに国立能楽堂に行ってきました。
たぶん半年以上ぶり…ぐらいですかね。前に行ったのが去年の10月なので(!?)
実は土曜日の公演も観に行く予定です。ちょっと『鷺』が観てみたかった。
外のベンチでゼリー飲料飲みながら待ってたら(2限終わってダッシュで向かった)、近所の方と思しき男性がスマホをベンチに忘れていたことに気が付いて、案内のお姉さんにお願いするとかいう珍事件も起きたんですけど、まあたぶん自宅の電話からスマホにかけるとかして、早々に手元に戻ったと信じたい…。
話戻して、新作狂言『鮎』は当然だけど、『梟』(和泉流だと『梟山伏』になるんだっけか)も『蝉』も全部観たことなかったので超面白かったです。
座席も中正面の正面寄りで良席…。
(ただ隣の席のマダムがすこぶる反応の良い方で、(≧∇≦)キャー‼、みたいな感じだったので、元気は持っていかれました…。笑うのは良いがテレビと会話するように舞台と会話するはぜひ心の中でやって頂きたい…。このご時世なので…。
というか客席全部人入れてたね…慣れない…。隣に人がいるの慣れない…。去年から分かってたけどこういう弊害がいずれ来ることは…。)
感想、といえるか怪しい感想
現代劇とか観てると情報量多くて死にそうになる時が多いので、能楽に関しては安心するために来てる感が結構あります。
なんも考えずに、わー、って観てるのでいつもの5倍感想が薄っぺらい(笑)。
話がどう転ぶか知ってる・見当がつくので、ニヤニヤしながら観てるタイプ。
ヤな観客ですね。自覚はあるよ(笑)。
『梟』
能で宗教者出てきたら大体何でも解決してくれるけど、狂言で出てきたらほぼ100%無能か胡散臭いやつだと思ってる。(暴論)
狂言全体になんとなくある「案外いい加減だし無力だよね宗教って」的な冷めた目線いいと思う。好き。
それにしても、梟に憑かれた弟の
「(それまで脱力してたのに急に体を小刻みに震わせてためにためた後に大きな声で)
ホッホー!
(からの超でかい溜息みたいにフーッと息を吐く?)」
が繰り返されればされるほどじわじわとこみ上げる笑い。
なんかめっちゃシュール…。なんだこれ…。
山伏が祈ってももちろんだめで、しまいにゃ兄も梟化して、山伏まで…。
取りつかれるとバッターンって倒れます。コンクリとかより弾力あるかも知んないけど、めっちゃ床だからな舞台の上。結構豪快だな倒れ方。
とにかくなんのホラー映画だよレベルでみんな取り憑かれて行きます。梟怖い。
最後に1人舞台に残された山伏が「ホッホー!」と一声あげて、何事もなかったのように普通に退場していくので「オイオイオイオイオイオイ待って待って」ってなりました。梟怖い。
いろんな意味でドキドキする演目でした。梟はかわいいよ。
『蝉』
小舞でしか観たことない。この映像合法なのかなあ…。講義で先生送ってきたぐらいだしまあいっか。
フルで観たのは今回初めてです。装束あると結構ガチで能。前半寝るくらい能(おい)。
ただ飛ぶとこだけは、能だとそこまで飛ばねえよな、レベルの高さで飛ぶので見ててなんかスカッっとします。かっこいい、というか身体軽いなすごい。
あんなふざけた可愛い面つけたままジャンプしろとか言われたら視界不良で着地時に膝から崩れ落ちそう。
(空吹+『蚊相撲』並みのストロー的な。なお私はセミをまだ見たことがありません。地元じゃいなかったあんなデカい虫。上京してから数年経ったけど幸運なことにエンカウントしてないありがとう神様)
それにしてもなでこんなに面白いんだろう舞狂言って。
いや能のパロディーだからなのは分かっているんだけどとにかくなんかめっちゃ面白い。ツボるとずっと抜けられない。
いつか『通円』とか観たい。
夢幻能のパロディーで、亡霊として、死んだものが出てくるから、内容としては結構シリアスなんですけど、なんなんですかねこの面白さ。
たぶんシテが、蝉とかタコとか芋とか日本一下手な笠職人とか、「うそだろwww」てなるような素っ頓狂な設定だから、能の超立派な有名人の亡霊と比較して笑っちゃうんだろうな、とは思うんですけど。
そうなんだよ悲劇って「高貴な」部分が必要なんだよ、ってたしかアリちゃんも言ってた(※アリストテレス)
いやそれにしても蝉の地獄語りはかなりツボったわ…。
止まろうとした枝が剣に変わるって実際起きたら絶叫もんなんだけど…なんでこんなに面白いんだ…。
あと最後の「つくつく法師」は反則だよなあ、と思います。腹筋崩壊。
シリアスに演者がやればやるほど笑えてくるのが不思議です。
チャップリンにでも理由を聞けば教えてくれるかな…。
『鮎』
新作狂言!!え?あらすじ???シュールすぎる『邯鄲』だよ!
みたいな感じでした(どんなだよ)
人相見的才能のある、田舎の良さがよく分かってるおじいちゃん才助
vs
才助のもとに喧嘩を逃れて来た、どうしても上京したいボーイ小吉
一緒に鮎を食べてお腹いっぱいになったら眠くなって…、からの『邯鄲』的な流れですあとは。対立は何も解決しないで終わるけど(適当)
鮎が「ここで食べられてまた輪廻転生して鮎になって泳いで遊ぶのもオツだよな~」とみんなでわいわい謡うところとか、囲炉裏の周りで串刺しにされて焼かれるところとか、鮎(演じているのは勿論人間)をかがんでむしゃむしゃ食べる石田幸雄さん(才助)と野村萬斎さん(小吉)の絵面…(言い方)。
「シュールすぎじゃね…??」
と突っ込みそうなのを我慢しながら観ました。
というか鮎がストーリーテラー的に解説しだした段階で流れに身を任せて楽しむことにしました。そうまるで鮎のように!!!
ふざけるのはここまでにして、それにしても鮎1…人?匹?本舞台から橋掛かりへ欄干越えとかしてたのでほんと身体能力どうなってんのお化けか???
最初、橋掛かりから鮎が泳いできたときもビビりました。帽子が。帽子に魚っぽい目がついてる。リーダー鮎の帽子からはなんかニョロっと上に出てる…。
水色系統の衣でわりと鮎に見えました。謎の敗北感。
あと最初に囲炉裏的なのに使っていた作リ物をそのまま、色々なものに変化させながら使っていたの、最初は必要最小限にするためかと思っていたら、「ずっとそこで見ていた夢」だから、そこにあるもので全て賄われていたかと思うと凄い。
…(゚д゚)!てことは鮎もそういうことなのか…??
鮎さんたちも色々な登場人物になっています。かわいい。
かわいいけど、寝入った小吉に魔法かけるみたいに(あれこの場面だっけ…うろ覚え…)鮎さんたちが輪唱風に唸るのはちょっと怖いよ…。かわいいだけじゃないのね鮎さん…。
かわいいといえば小吉が最初出てきたとき、モノトーンコーデみたいでちょっとオシャレでした。出世するたびに上にカラフルで立派な衣着ていくので、単にうるさくならないようになんだろうけど…。
モノトーンのギンガムチェックの長めのスカート欲しいな…。(関係ない)
「都には夢と銭があるから上京したい!!」ってまんま数年前の私の状況だったので、この小吉の言い分にうんうん頷きながら、才助おじいちゃんが言う「都に行っても心が荒れるだけだぜ」的な助言に対しても「ほんとそれな…!!?」状態で観てたのでかなり面白かったです。
…帰りたい…帰りたいよ実家…東京こわい…湿気もすごい…なんか全部スピードが速い…人多い…でも夢(演劇)観たいから帰れない…。
にしても性格歪みすぎだろ小吉。こっち見んな怖えよ。
(恩人の才助がわざわざ都にいる小吉に大したことない頼み事しに来たのに、疑いまくって退ける、みたいな流れ。)
(座席の位置的に才助を睨んだ時の視線が何回か来る。怖い:( ; ´꒳` ;):ガタガタガタガタ)
…ああならないように気をつけよう…、とか謎に思いました。
上京してきた人が観ると倍面白い。絶対。
最後「夢オチ~!!」ってなってからも小吉が「銭が欲しいいいい夢がみたあああい!」ってなるのはものすごくよく分かる。
「お前こりねえな」とか言われても行ってみたいのは行ってみたいよね都。
まあただ私も小吉は行かないほうがいいとは思うけど…(笑)。
世田パブの『鮎』が演出ちょっと変わるとかそんな話は聞こえない
両方のプログラム取ってられるかってんだ( ゚д゚)、ケッ、って話ですよね。(柄悪い)
じゃあ『法螺侍』とるよね。そりゃあこっちだよね。
あれシェイクスピア作品で1番くだらない話だと思っているので、どんな風に面白くなっているのか楽しみです。学校が映像持ってるらしいけど借りるのめんどいし、生で観られそうだからいっか。
変わった部分に関しては誰かがTwitterにでも書き込むはずだと信じているので、それ見て想像で楽しむことにします。
にしてもこの公演はアタリだった…次は久しぶりの能!
映画史の講義受けてから、今度はのんびり行きます。