感想日記

演劇とかの感想を感情的に書きなぐってます。あくまでも「感想」だし、備忘録としてネタバレしまくりなのでぜひ気を付けてください。でもあらすじとかはあんまり綺麗にはまとめてないです。

オールフィメールって言うから松岡訳かと思ってたらまさかの福田訳だったPARCO劇場『ジュリアス・シーザー』

2021/10/16 13:00

PARCO劇場

f:id:monsa_sm:20211025071745p:plain

看板とかでかいポスターが劇場でこれしか見つけられなかった…

 

 

 

ホントはこれの前に『Every Body feat. フランケンシュタインを観に行っているんですが、こっちの方が感想書きやすいので、こっちから書きます!

 

初めて行ってきました!!PARCO劇場

本当は佐々木蔵之介主演の『佐渡島他吉の生涯』で行くはずだったんですが、コロナで中止…。

 

2階席ないんだ!意外とコンパクト!!

あとトイレ迷った!!

 

っていうのが劇場に対する感想です。なによりも椅子がフカフカだった。お尻が嬉しい。

 

てなわけで最近忙しくしているので、とっとと感想まとめます。

…もう福田訳にびっくりしすぎてそれ以外あんまり覚えていない感じがするけど…。

それ以外は割と正攻法な演出だった気がします。

 

 

公式(写真とかダイジェスト映像あり)

stage.parco.jp

 

舞台セットが鏡みたいになっているんですが、これはたぶん第1幕第2場の

 

CASSIUS:Tell me, good Brutus, can you see your face?

BRUTUSNo, Cassius; for the eye sees not itself,
But by reflection, by some other things.

 

キャシアス:なあ、ブルータス、君には君自身の顔が見えるか?

ブルータス:いや、キャシアス。目が目自体を見ることはない。

何かほかのものに映して見るしかない。

福田訳は手元にないのでもちろん松岡和子訳

 

っていうセリフの周辺にとにかくmirrorとかglassとか、とにかく鏡関連の話が出まくっているからかな、と思いました。

かなり主要な人物が、鏡に映り込んでいる(両脇に鏡があるのでたいてい複数化している。あと上の抜粋部分の後にキャシアスが鏡に言及するときもsuch mirrors複数形になってる鏡像をじっと見つめる演技も結構あったし…。たぶん…。

 

…まあハムレットの前に書かれた劇だしな…。

演説のシーンとか、自分の内面はともかく、外側をより良く「見せる」「魅せる」ことに成功したアントニーが全部持っていくしね…。

 

なんかブルータスもそういう外的に理想とされる自己と、内的な自己の葛藤とかの分裂的なアレなんでしょう!!理解が雑だけど!!しょうがない!!

 

あと暗殺するグループと暗殺されるシーザーが、血の色みたいな赤系の衣裳で統一していたような感じがしました。分かりやすい。

 

かなりカットしていたけど、特に混乱するようなことはなくて、正統派な印象は受けました。

ただキャシアスの死まであんなにあっさりやるとは正直びっくり…。

アントニーが戦闘シーンの代わりに、わりと象徴的に暗殺者グループを刺殺していく場面の終わりで、舞台奥からキャシアスが息も絶え絶えに飛び出してきて突然の自殺!?追いかけてきたブルータスびっくり!!!みたいな感じだった。観客もびっくりだよ…。

 

もう序盤に関しては「なにゆえ福田訳!?」しか頭になかった

オールフィメール謳ってたので、てっきり松岡和子訳だろうと信じて確認もせずに観はじめたら

 

福田恆存!!!!????」

 

とアホみたいにびっくりしてました。

そういえば初めて観たかもしれない福田訳のシェイクスピア劇。

 

読む分にはすごいかっこよくて面白い訳だとは思うんですけど、正直「大河ドラマかな??」みたいな印象があって、なんにも考えなくても『NINAGAWA マクベスみたいな衣裳とか想像しちゃうので、しばらく耳がついていきませんでした。

読めば分かるんだけど聞くのがかなり難しいことが判明…。

様式的にやるんだったら坪内訳とか福田訳の方がハマる時もあるんだろうけど…。

 

…なんとなくなんですけど、俳優さんたちも、前半、かなり苦戦してる感じだなあと思いました。

白状します。最初15~30分ぐらい半分寝てました…!!!

 

あと演説シーンとか、音楽が爆音の時はまあいいにしても、普通にセリフ喋る時、あのキャパの劇場ならマイクいらなくない??

マイクの反響がちょっとだけモヤッとして、そこはちょっとうーん…?となりました。

セリフとかも結構通りそうな作りの劇場だと思ったんだけど…。

 

今年あと2回ぐらいPARCO劇場に行くので、またその時にでも、耳の方にも意識おいて観てこようかと思います。

 

それにしても福田訳にびっくりしすぎて、果たして上演の前半ぐらいで感じていた違和感が、いい年した政治家が自分のことを「俺」と連呼することへ対しての私のなかにある違和感のせいなのか、それとも翻訳文全体に微妙に感じるゴリゴリした固さに対してなのか、遂に分からずじまいでした…。

英語だとどうせ” I ”なのに…、「私」で良くない??と人称に関してはなってしまったというか…。

女性役がいかにも「女らしい」物言いなのも、松岡訳に慣れているとかなり引っかかってしまった…。

 

オールフィメールだから特にどうこうっていうわけではなかった

けど何となく個人的にハマらなかった感じがする

オールフィメールのシェイクスピアを観たことなかったんだけど、全然問題なく出来るもんなんだなあ、というのが端的な感想です。

 

まあ演劇に関しては別に性別が一致しない役を演じるやつなんて普通にあるあるなので、それを徹底したところで別に影響があるわけがないと言えばそうなんですが…。

 

ただ、衣裳はトーガ風で統一しているんだろうけど、どうも身体のラインが綺麗に出るワンピースみたいな印象で、公式サイト見ても「女性」を強調しているし、なのに、「俺、俺」繰り返すし、「あの男!」とか言うし、声の高さもかなり下げて宝塚の男役みたいだな、と思わず思ってしまったので、なんだか「???」ってなってしまいました。

 

オールフィメールでも「オールメールと同じように何の問題もなくしれっとやれるよ~」ってことをやりたいのか、それともオールフィメールでやることに何か特別な意味を付け加えたいのかがちょっとわかんなかったです。理解力よ来い…!!

前者だったらもうちょっなんかパンツスーツとか特に性別関係ないような衣裳の方がいいんじゃないかなあ、とか、後者だったら翻訳とかもうちょっといじった方が…、とか色々思ってしまいました。

 

セットは基本なんにもなくて、黒っぽい打ちっぱなしのコンクリみたいな簡素な感じ。

全体的にかなりどシリアスな印象で、ゴリゴリの政治劇。

 

ブルータスの誠実で高潔な感じも、シーザーの圧倒的なカリスマ感も、アントニーの「見かけによらず(あるいは全く見た目通りで)世渡り上手いなこの人」感も良かったんだけど、ほぼ笑えるシーンがなかったから、ちょっとシリアスすぎて私には重すぎました。

吉田鋼太郎さん演じるキャシアスとか、NTLiveのやつとか、かなり笑えるジュリアス・シーザーも観たことあるから、あのくらい笑えた方が私は好きかな…。

 

ブルータスの自殺のシーンがえっっっぐい

補助させられるのが小姓のルーシアスなので、ブルータスの自殺のシーンがかなりえぐいことになっていました。

ルーシアスに剣を持たせて、胸に突き立てさせたあと、ルーシアスを抱きしめたまま客席の方向いてブルータスが死んでいくので、あれこれお母さんによる一種の虐待ですかね…??と謎の感想を抱きました。

そのあとルーシアスが叫ぶでも泣くでもなく、無言のまま下手に逃げるように走り去って行ったから、あんなこと子供の時にやらされたら確実にトラウマ案件なんだけど…。

 

それにしてもカットが多い

休憩なしの2時間15分でジュリアス・シーザーが全部やれるわけはないんだけど、にしてもかなりバッサバサと切っていて、ちょっとびっくりしました。

 

別にこれを初めて観る方に分かりにくいカットの仕方ではなかったし、「コンパクトにまとまっているな…すごい…」と思う一方「あれこここんなだったっけ…??」と脳内補完しながら観ている感じもあって、ややキャパオーバーぎみ。

あとあくまでも「オールフィメール」とか「女性」を強調するなら、よくカットされる妻たちの部分しっかりやればいいのに…とか素人考えで思うんだけど、カットだった。

 

なんかもうこんだけカットするなら「お前もか、ブルータス」から始めても良かったんじゃないか…とチラッと思ったけど、でもシルビア・グラブさんのカリスマ感満載のシーザーがたっぷり観られたので悔いはない...。あれはひれ伏しちゃう…。

 

音楽がオシャレだったなあ(どんどん下がる語彙力)

シーザーの暗殺の部分と、ブルータスの自殺の部分でかなり軽めな同じ音楽がかかってました。

同じ音楽だったので、ブルータスの自殺らへんでかかった時に、「ああシーザーだ…!亡霊だ…!!」みたいな感じで結構そこはグッときました。

 

でもかなり華やかで軽やかな印象だったので、シーザーの部分に至っては「なかなか死なねえなこいつ...」と思ってしまうレベル。

 

音楽のチョイスがところどころ謎だったような気もするんですけど、全体通してオシャレな音楽な印象が残っています。

 

まとめというか…

特に可もなく不可もなくで、ブルータスの自殺以外はすごく真摯なジュリアス・シーザーだったな…って感じでした。

どんな上から目線でで言ってんだよって話ですけど…。

 

上から目線と言えば、最後に、オクテーヴィアスが、鏡のセットのてっぺんに出てきて、後光みたいな照明がさしてたので、「うわあ皇帝!!」感はすごかったです。

けどここって大体かっこいいんだよね…、というのはおいておく。

 

最近観るシェイクスピア劇っていったらNTLiveの、だからイギリスの、ポップな現代化したようなやつだったので、突然正統派観に行って面食らったっていうのはあるかもしれないです…。たまにはこういうのも観ておかないとだよね…。

でもなんかものすごいキャストだった割には印象があまり強く残っていないという…。

疲れてたのかな…。

 

まあいっか…。

 

とりあえず明日は遅ればせながらワクチン2回目なんで今日はとっとと寝ます。

ロロの感想は今週中に書けたらいいなあ…。