2021/11/14
ようやく発表が終わったと思ったら、卒論の仮指導でメンタルやられたばっかりですが、次の発表もあるし、そろそろ本気で感想が溜まってきたので、頑張る…!
今年の後半はPARCO劇場にお世話になりっぱなしなんですけど、ここの劇場ってやっぱりマイクつけなきゃダメなのかなあ…。うーん…。
今度『海王星』観に行くのでその時にまた…。でもあれはあれでなんか確実にマイクつけそうでもある…。
あと、隣に座った半袖(寒くないのかな)の人が、開演前とか休憩時間中はマスクしているのに、劇始まった瞬間からマスクとるので、「コイツ…確信犯…!!」と唾を飲み込みながら見ていました(嘘です)。
観劇中にマスク外すの出来ればやめて欲しいです。なぜならスタッフさんが、たぶん決まりなんだろうけど、注意しに来るから…。なぜ劇中に…。百害あって一利なしとはこのことだよ…。
別に咳とかしてないからマスクの有無は正直個人的にはどうでもいいんだけど、周りでわちゃわちゃされると気が散ります…。
いいじゃんみんな病院にいると思っていっそ楽しんでマスクつけようよ…。
- 公式のやつ
- 気のせいかもしれないけど翻訳がやや…
- キャスティング…難しい…※盛大なネタバレ
- 舞台美術と最初の演出は割と好きだった
- 戯曲読んだ時は思わなかったけど最後なんか...
- あと文章にできなかったこと(感想殴り書きメモ)
- 何とか終わったので今日も行ってきます
公式のやつ
これ、前に配信していたのを、わけもわからず(たしか独語上演、英語字幕)無料で観たProfessor Bernhardiっていう作品をロバート・アイクが翻案したやつみたいで、悲劇喜劇に載っている戯曲を買って読んで「ああ~…すげえ…」となりました。
元の作品は元の作品で100年前のものとは思えないけど、『ザ・ドクター』はとってもTwitterというかネット社会で繰り広げられるようなことが起きていて、めっちゃ現代…!!て感じの戯曲でした。
気のせいかもしれないけど翻訳がやや…
いや講義受けている先生が翻訳されているのであんまり声を大にして言うのもあれだし、そもそも原文読んでいないんですけれど…。英語苦手なんで…。頑張る…。
でもなんか、かたい、…というか、言いにくそう…??な感じに聞こえました。
読んでいるときは割とすんなり読めたんですけど、すんなり読めるものがすんなり喋れるかっていったら別問題なので不思議すぎる…。
「彼」とか「彼女」とかの人称問題もそうなんですけど、ムズイよね…。
日本語だと普通「彼or彼女のなになに」って言わないもんね…「あいつ」とか「あの人」とか「○○さん」のなになにだよね…みたいになりました…。
あと、Fatherで「神父」と「父」のどちらを指しているのか、少しの間だけ観客に対して宙ぶらりんにする、みたいな効果が原文の戯曲にはあったっぽいんですが、日本語だと無理ゲー…。
というか戯曲読んだ時に、ここ絶対笑いが起きるだろ!?って思ったルースの皮肉な物言いのところとかで、意外と全然笑えなかったのが、勝手に期待して行った分、なかなかのストレスでした…。
というわけで白状すると前半寝てました…。
後半からは俳優さんたちもエンジンかかったのか、突然聞きやすくなったのでちゃんと観ていたんですけど…。
キャスティング…難しい…※盛大なネタバレ
病室に入ろうとした神父が「黒人」だったことが、結構長い間、セリフとして明確に観客には伝えられない、みたいな構成になっています。
だからイギリス上演の際は神父を「白人」の役者さんが演じることで、「黒人」だったことが観客に分かると同時になされる人種差別に対する問題提起、みたいなのがより効果を高めるようになっているんですけど、そもそもガッツリ見た目が日本人の有名キャストが、白人だろうが黒人だろうがどの人種の役も演じてるので、実は「黒人」だったんです、と言われても正直、「あ、この人は黒人の神父さんだったのか…じゃあちょっと問題になるよね…」って情報追加程度の驚きしかなくえて、うーん…??となってしまいました…。
カラーブラインドキャスティングってロンドンとかで流行ってるみたいだけど、そもそも翻訳劇なんて日本で上演する際は絶対にカラーブラインドキャスティング風になってるし...。
…なんだろう伝わるかなこの感じ…。だってそもそも西洋人を日本人が演じているので、例えばだけど「目が青い」とか「プラチナブロンドの髪」とか「褐色の肌」とかのように、見た目から分かる身体的な情報っていう点では「黒人」と同じように、セリフで言われない限り伝わってこないし、そういうことを後だしされても、「ああそうだったのか」としかならなかったというか…。
たぶん黒人を白人のキャストが演じる場合の衝撃や観客の中に生まれる引き裂かれたみたいな居心地の悪さみたいのって生まれにくいように思えてしまって…。
たぶんもっとジェンダーまでごちゃごちゃにしたキャスティングだったら、ちょっとは驚いたかもしれない…。
ルースのパートナーのチャーリーは今回は女性の俳優さんが演じていたけど、そもそもチャーリーって役は男女どっちともとれるやつだし…。
名前も女性名か男性名かフワッとしているし、翻訳の口調も限りなくフラットだったし…。
ロジャー・ハーディマン医師みたいなかなり言動が「男らしい」人物を女性の俳優さんが演じていたりしたら、「この劇、なんか俳優さんの見た目から分かるアイデンティティみたいなのと役のそれとの乖離が激しい場合があるぞ…!!」となって、そういう「見た目」からしか分かんない情報が出てきたときの集中度が違ったかもしれない…
…とかぐるぐる考えていたんですけど、これも私がいわゆる世間一般的に言う「エリート」層で(少なくとも通っている大学に関しては)、「自分が何者であるかを選ぶこと」が一応「できる」立場で、「そんなことを考える必要もない特権のある階級」で、まあ確実に多くの面でマジョリティ側なので、「黒人」だったということを聞いても、「そうなんだ(てか今人種は関係なくね?)」、と思ってしまうだけかもしれない…
タイトルにも書いたけどだから感想書くの嫌だったんですよ!!!
こうなるから!!!ほらね!!??ね!???(圧)
翻訳とか演出とかキャスティングとかセリフ回しとかが好きかと言われると微妙だったけど、戯曲は最高だよこん畜生…!!
さすがロバート・アイク…!!
ちなみにこんなことを考えながら観ていたので
人生って、面倒くさい
って言ってたルースのセリフに全面同意してしまいました。
となるとやはり私はルース的な視点を持っているのか…??ウッ……つらい…。
堂々巡りとはこのこと
舞台美術と最初の演出は割と好きだった
幕があがってた状態で開場だったので、白っぽい舞台が全部丸見えなんですけど、そろそろ上演時間…??と思っていたら、やや暗くなると同時に、舞台上のテーブルとイスだけが照明で明るく照らされて、なんか強調されているな…と思ったら一気に真っ暗になって、明るくなってスタートでした。
この作品ディベート、というか話し合い?することが1つのテーマになっているので、それで劇中で話し合いのの場として使われるテーブルとイスを強調したのかなあ…と思いました。
このテーブルとイスの部分だけ円形の回転舞台になっていて、このテーブルとイスの向きと照明で、研究所だったり、ルースの家だったりをスムーズに切り替えていくんですけど、特に1幕の後半の研究所内での会議で、議論が白熱してくる時なんかは、ずっとゆっくりまわっていて、なんか円卓会議みたいに見えてきたなあ…とぼんやり思いました。
そんで、研修医(議事録とってた)と広報のレベッカが、回転舞台の外に基本いてあまり議論に直接かかわっていなかった(回転しながら白熱している同僚をほぼ直立不動で眺めている)のも、結構印象的でした。何がかは上手く言えないけど…。
最後の方で、団体の代表としては激しく対立していたようにも見えるルースと神父が、2人だけだと意外なほど穏やかに会話する場面があるんですけど、結構グッサリくるやり取りがあって
ルース なら、教えてくれればよかったのに。
神父 なら、聞いてくれればよかったのに。
ルース 確かに
神父 お互い、相手の話を聞くのは難しいもんです、波のように私たちをもみくちゃにする歴史のうねりを超えて。
なんか最初の演出とも相まって、「確かにめんどくさいし、だるいけど、ちゃんと相手の話を聞いて、自分が信じている1つのイデオロギーとかはあくまでイデオロギーでしかなくて、それを忘れるとテロリズムや原理主義になっちゃうってことを肝に銘じておくか…」となったというか、でも「相手の立場になって考えましょう」って保育園の時にならうよな…
あれ…もしかしなくても保育園児以下の大人が世の中にはたくさんいる…??
みたいな感じになりました。盛大なブーメランでもあります。しんどい。
やっぱり大声で「バブー!」って叫んで赤ちゃん返りしたいです。(真剣)
あとテレビの討論番組の場面に変わる時、テレビ局のスタッフみたいな人がわらわら袖から出てきて、それと同時に上からメインのセットおりてきて面白かったです。
あとそのセットの手前に、ルースのリアルタイムの顔がドアップで映るモニターが設置されるので、微妙な表情も見ることができて、それは良かったんですが、もうなんかルースのことを糾弾する気100%でしかなくて、「うわあ性格悪そうなセット...(ニヤリ)」となりました。
私もたいがい性格悪いので!
あとセットとか特に関係ないんですけど、この討論番組にパネリストとして出てくる大学教授が、いかにも気難しそうで神経質そうで面倒くさそうな感じで出てきたので、ちょっと笑ってしまったり...。
ステレオタイプっぽくも感じるけど、いやでも実際いるんだよなああいう教授...。(遠い目)
戯曲読んだ時は思わなかったけど最後なんか...
ラストのセリフって冒頭のセリフと全く同じなんですが、なんかそれ聞いた時、ルースが自殺してもおかしくないかな...と漠然と思ったというか...。
戯曲の指示的には、
このシーンが現実の時間で進行しているのか、それとも冒頭に戻るのかは分からないほうがいい
的なことが書いてあって、なんでこんなこと書いてんだろ...?と読んだ時に結構疑問だったんですが、このラスト直前になって、ルース(大竹しのぶさん)が
ああチャーリー、あなたに会いたい。
ってかなり悲痛な声で絞り出すので、「うわしんど...」っとなってからの、おそらく999に電話したんだろうな、と思われる冒頭のセリフと全く同じセリフを繰り返すので...。
というか…冒頭のセリフとかもてっきり過去にチャーリーが死んだときに、ルースがかけた電話だと思っていたんだけど…どうなんだろう…。
あと、サミに対してルースが「自分が自殺でもするときは、先に自分で救急車呼んでおくから安心して」みたいなユーモアで返す部分があるので、なんかそれがあってから、この場面を実際に観た時に「えッ…(まさかほんとに?)」となったというか…。
見事に分かんなんくなっていたのですごいです…。
あと文章にできなかったこと(感想殴り書きメモ)
・ルースが神父さんともめる事件のシーンって、「観客に見せられるべきではない」って指示になっているので、どうするのかな、と思っていたら、下手側にあるドアの向こうで起きている体になっていて、なるほど確かにこれなら見えない(音声だけ聞こえる)…。
・医師たちが白衣で、フリント大臣とか、パパとか、あと神父さん、チャーリー、サミはカラーの衣裳の印象。なんか対比させているようにも見えたけど、医師は白衣着るもんだろうし、関係ないかな。
・あと照明綺麗。
・そして戯曲読んだ時にもしんどかったサミの「これね、選んだんじゃないんだよ、オプションじゃない…(中略)これが私なの——」はしんどすぎましたね。選べるのはマジョリティ側だけだもんね。というか天野はなさん最高ですね??うますぎじゃない??しんどい…!!
何とか終わったので今日も行ってきます
感想がどんどん遅れています。ヤバい。
『愛するとき 死するとき』と『あくと』も書かなきゃいけないけど、とりあえず今日は、色々あって、この後『アルトゥロ・ウイの興隆』2回目観に行ってきますよ!!
珍しくS席で!!散財だ!!!大変だ!!!!
久しぶりにメモ帳君が活躍しそうです…。
戯曲の流れは叩き込んだので、じっくり観察してこよう…。