『Romeo and Juliet』
2020/04/21
Youtube
(写真は全て公式Twitter@The_Globeより)
グローブ座!ロミジュリ!
ときたらバルコニー・シーン!*(^o^)/*
当時とは勿論少し違うんだろうけど、
見られたのは本当に嬉しいです。
いつか生で...!(まずパスポート取らねば)
やっぱり今回も演出・演技が面白かったです。
まず、前口上が複数人に振り分けられている!
でも考えてみれば、別に
"1人でやれ"なんて書いてないです。
ああいう風に複数で台詞を担当したあとに
"Fair Verona"の市民として劇に入っていくので、
実際にヴェローナに足を運んで、
広場とかで地元の人から話を聞いている感じが
何となくしました。引き込まれます。
印象としては、多分今まで観たロミジュリで
1番自然に、でも1番あけすけに
下ネタで遊んでるロミジュリでした。
剣とかも完全に男性器として遊んでます。
召し使いも股間に手をやって
口からエレファントサウンド出さないで笑。
効果音の字幕見て吹いたの久しぶりです。
ミルクティー返してください笑。
でも、全体としては変に誇張・強調している
どぎつい印象という訳ではなかったです。
むしろその意味では日本でやるやつの方が濃い。
日本でロミジュリやると、例えば
乳母とかすごくキャラが濃くなるんですけど、
それよりは、かなりあっさりしてたというか、
なんかそういう印象を受けました。
おそらく、"老い"の表現が
あまりなかったのが原因だと思います。
舞台で"老い"を表現すると、感覚的に
どうしても臭くなるので。(物理的にでは無く)
よく『ロミオとジュリエット』のテーマとして
"老vs若"っていう図式があげられるんですが、
(実際にあるのかどうかは知りませんが)
今回はそこまでその対立は見えませんでした。
ただ思いがけず、キャラが濃い人がいました。
マキューシオはまあこのぐらいはやるよね、
っていう予想の範囲内だったんですが、
まさかパリスで笑いが起きるとは!
"These times of woe afford no times to woo."
(ご不幸の時に、求婚は出来ませんよ)
まさかこのセリフの前後で
笑いが起きるような演出が出来るなんて。
というか、パリスそのものを
ちょっと笑える対象にするなんて、
考えたことすらありませんでした。
でも改めてテキスト読むと...確かにこれは
見方によっては、かなり憎めないマヌケパリス。
良いと思いました。私は好き!
また、ロミオとジュリエットが死ぬ場面に
テンションの頂点を持ってくるのではなくて、
本当に最後の両家の和解シーンに
頂点を持ってきたのも初めて見ました。
大体死ぬ場面に頂点を持ってくるので
その後の和解の場面って、
何となく前のショッキングな感動を引きずって
どうしてもそれから感情の切り替えが追いつかず
知らない間に終わってた...なんて
観る側としては流しちゃうことが多いんですが、
今回は切り替えることの出来る余裕があって、
こっちの方が、互いの親の悲しみとかが
じっくり味わえる感じがします。
やっぱり全体を通してあっさりしています。
観ていて感情がそこまでこんがらがりません。
ただ、あっさりしているからといって、
激しくない訳では無いです。
なんか、今まで観てたのが凸凹機関車だとしたら
それが新幹線ぐらいスッキリしたというか。
特にジュリエットの後半にかけての
加速度がすごいです。
教会でロレンス神父に、暗に
"助けてくれなきゃ今ここで自殺するけど!?"
って詰め寄る時とかなんて、
こっちがビビるレベルの剣幕です。
最初にロミオと言葉遊びしてた時の、
茶目っ気たっぷりな少女はいづこに。
完全に"女"になっていますね。
もともと、バレエとかでも扱われることも
多いように、少女のジュリエットの方にに
比重が置かれている作品ではありますが
"For never was a story of more woe than this
of Juliet and her Romeo."
(このジュリエットと彼女のロミオの物語より
痛ましい物語は決してない)
というがものすごくよく出ていると思いました。
"Romeo and his Juliet"ではなく、
あくまで"Juliet and her Romeo"で、
ジュリエットが主軸です。
こういう演出とか、バレエ版とか、
あとは、ジュリエットの精神的成長と
ロミオの精神的成長の差を比較した論文とか
そういうのみるたびに、未だに
なんで『ジュリエットとロミオ』じゃないの?
って思います。語感の問題かな。
ジュリロミは言いにくい...。(多分違う)
それにしても、ロミジュリ話知ってるし、
2回ぐらいフルで観たことあるし、
バレエも観たしそれでレポートも書いたし、
(英"文学"の先生に英国バレエで提出したので
中々にギャンブルでしたが大丈夫でした笑。)
戯曲もその時読んだから、英語字幕でも大丈夫!
って高を括ってたらちょっとキツかったです。
忘れてました。マキューシオの饒舌さ。
そして言葉遊びの多さ。
日本語版でもついていけなくなるのに...。
どうして忘れてたんでしょう...。
まずはNTLiveの『十二夜』読むのが先ですが、
グローブ座の方は有難いことに
配信期間が2週間と長いので、
来週ぐらいまでにもう1回戯曲読んで
改めて観ようかと思います。