感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

『Antony and Cleopatra』

2020/05/09
Youtube
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(画像は全て公式Twitter@NationalTheatreから)




記憶が正しければ、ですが、
英語でやるシェイクスピア劇として
初めて観たのがこれですね。
(2019/06/23!もう1年も前か!)
我ながらいいチョイスだったと
今でも思います。(๑•̀ •́)و✧ドヤァ
ちなみに最初にみた英語の舞台映像は
同じくNTLiveの『英国万歳!』
SHERLOCK』のマイクロフト・ホームズの
あの人が主演です。でも正直最初寝た。
英国政治史そこまで詳しくない。ごめん。

この『アントニークレオパトラ』も、
1年経ってから改めて観ると、
特別にショッキングで、頭殴られるような
トリッキーな演出って訳では無いですが、
エジプトの水的で曲線的で古代的なセットと
ローマの大理石的で直線的で現代的なセットの
対比がやっぱり1番の醍醐味な気がします。

"In the East, my pleasure lies."
(東方にこそ、喜びがあるんだ)

っていうアントニーのセリフに、
納得せざるを得ない。
ハッキリすぎるくらい分かれています。

もっと単純に言うと情熱と理性の対比というか、
女性的なセットと男性的なセットというか...。
それが回転舞台でクルクル変わるので
まあ陰陽のイメージも無くはないのかな...。
占い師も出てくるしね。
ただローマ陣営の方が
男性が多いことには多いんですが、
アグリッパは確か男性だったはずなので、
どうして性別を変えているのか謎ですね。
なんの意味があるんだこれ...?分からん。

回転舞台といえば、
アントニークレオパトラの別れのシーンで
お手本みたいな使い方してるなあ、と
何回観ても思います。
クレオパトラだけが回る舞台にのって
スーって2人の距離が離れるのが
無理やり引き裂かれてる感があって印象的。

ただ!アントニーを演じる
レイフ・ファインズさんは格好良くない笑。
(あの闇の魔法使いヴォルデモートだよ!
名前を言ってはいけないあの人だよ!
鼻がないから正直わかんないよね!
去年観た後にグクって初知りだよ!
ハリポタは今でも大好きです!
小学校6年間はハリポタに捧げたと言っても
多分過言じゃないです。)
すごく"ダサ"かっこよくていいと思います笑。
本当は普通にイケてるおじさんなのに...。
アントニーのちょっと堕落しちゃった感じとか
腹回り辺りに出てていいと思います。(言い方)
あれ絶対体重管理したよね...多分だけど...。
若い頃に超絶活躍して、今ちょっと
上のポジションに昇って、軽く怠けちゃってる
中年おじさんな感じがすごくピッタリです。

そしてソフィー・オコネドーさん演じる
クレオパトラのあのチャーミングさ!
何となくクレオパトラって
黒い長い髪にひんやりした超絶美人で
めっちゃ知的で高嶺の花っていう、
ステレオタイプのイメージがあったんですけど
すっぱり裏切られましたね。
あの、ちょっとめんどくさいけど、
ハマったら抜けられない感じが素敵です。
良い女ではあるんだけど、かわいい女って感じ。
そしてそのイメージを的確に掴んだ
全てオートクチュールと噂のドレスたち!
正直ファッションとか衣裳は詳しくないですけど
今回に限っては、演出よりも
正直クレオパトラの衣裳の方が目を引きます。
特に、ローマからの使者から、
アントニーの結婚の知らせを聞く時の
あの黄色いフリルのドレスが、
キュートでチャーミングな
このクレオパトラにピッタリだと思いました。
すぐ他のドレスに着替えちゃうのが、
個人的にちょっと残念です。
でも、他にも白とかサテン生地の金色とか黒とか
コーヒー色の肌に映える素敵なドレスが、
(勿論照明にも神々しいぐらい映える。)
目白押しなので目が楽しい。
男女問わず見るだけでうっとりすると思います。

衣裳関係で言えば、軍服に着替えるシーンを
あえて能の物着みたいに見せるのも好きです。
服をだんだん着ていくことによって、
意識が切り替わっていくというか、
だんだんと戦争に向けて、
緊張感と焦燥感と興奮が高まっていく感じが
こっちまでドキドキします。
まあ実際の戦争は嫌ですけどね。

そして、皆さん(誰)覚えてますか!
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十二夜』のサー・トービーこと
ティム・マクマランさんが
イノバーバスですよーーー!
(間違い探しに全問正解したような高揚感)
なんか続けて観ていると、
こういう斜に構えた頭の回転がいいキャラで、
固定イメージが出来そうです笑。
最小限の動きで最大限の効果を出すような
だらっとした、良い意味で脱力した演技が
ちょっと熱血漢っぽいアントニー
割かし対照的で映えます。素敵。

イノバーバスがアントニー陣を離れた時、
アントニーが"イノバーバス!"って
大絶叫するシーンがありますが
こういう2人だからこそ、
その後にイノバーバスが死んだ時に、
その叫びに呼応して死んだ気がします。
いやー良い"イノバーバス!"だったと思います。
正直あそこだけでもいいレベル。(言い過ぎ)

それにしてもNTLive、
そろそろ配信終わりなのかな、と思ってたら
まさかまだまだやってくれるとは...。
でもオンライン授業が明日から始まるので、
正直ちゃんと全部観られるか不安です。
2個は完全に知らない話だし、
欲望という名の電車』は2年ぐらい前に
映画で観たけどほとんど覚えていない...。
なんか白いTシャツのイメージしかない....。
英語がペラペラなら余裕なのに...。悔しい。
トム・ヒドルストンの『コリオレイナス』も
めっちゃ楽しみです。

あとついでに前から書いているけど
カンバーバッチの『ハムレット』も
シェイクスピア関連でどうですかね?あげない?
あの大爆笑の『ハムレット』は
今こそ観るべきだと思うんですけど、どう?
イアン・マッケランの『リア王』でも
全然こっちはいいけど?(謎に上から)

...神のみぞ知るってことで半分期待して
待ってます。ただCOVID-19に関しては
できる限り早く収束して欲しい。
授業は!本当は!!対面で受けたい!!!
演劇映像系でオンラインって
割と致命的ですよほんと。理系の次ぐらいに。
劇場にすらいけないのにどう勉強すんだよ。
秋学期からは戻るといいけど...。