感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

『By Jeeves』

2020/05/10
Youtube
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昨日歯に矯正器具入れたばっかりだったので
"うわーみんなめっちゃいい声ーうたうまー"
って馬鹿みたいにぼんやりしながら観ました。
多分英語も3割程度しか分かってない...。
歯痛って、辛いよね...(›´ω`‹ )
まあでも話の内容は追えたので良しとします。

なんか調べてみたら日本でもやってたみたいで、
しかもウエンツ瑛士さんが主人役。
いっそ今度日本で英語でやられたらどうかな、
と思います。多分ペラペラなんだろうし。
あ、でも字幕は付けてくれると嬉しい...!
海外の公演ばっかYoutubeにどんどんあがるので
英語が出来ないのがほんとに辛い...。
来年までには...なんとか...。

ところでこの映像、特別収録とのことで
多分お客さんも準役者的な感じだと思います。
というか特別収録じゃないと、
登場人物の目線からのあのショットは無理。
それに最初に、実際に劇場に行った時みたいな、
席に座るまでの導入があって楽しかったです。
早く本当に行けたらいいな、と思いました。

全体的には暖かいミュージカルコメディでした。
アメリカよりはイギリスのほうが
得意な分野ですね。確か。

"This doesn't look silly at all, doesn't it?"
(これって馬鹿みたいには見えないよね?)
"Not at all, sir."
(いいえ、全然)

っていう、主人ウースターと
執事ジーヴスのやりとりが
(厳密には執事では無いと思うけど
日本のイメージ的に執事でいいと思います)
何回か出て来るんですが、
ごめんウースター、馬鹿にしか見えない笑。

バンジョー奏者のウースターが
演奏会で使うバンジョーを盗まれてしまい、
コンサートが出来なくなったので、
じゃあなんかお客さんを楽しませるために、
即興劇的に、この間起こった話をしよう!
みたいな流れの話で、劇中劇の構造なんですが、
(しかもこのバンジョーが盗まれたのも
ウースターの演奏が酷すぎると判断した
ジーヴスの一計だったらしい。やるな。)

"即興劇的"っていうのがやばい笑。

本人役はウースターとジーヴスしかいなくて、
あとは適当に音楽隊とか、大道具さんとか
そういうとこから役者として引っ張ってくるので
とにかくメタ発言がすごい。
現実と演劇の境目がある意味わかんないです笑。

あと一応"不測の事態"なので
有り合わせのもので演じなきゃなんですが
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それにしてもこの車は酷すぎる笑。
ちゃっちい通り越して壊れそうです。
でも背景の人々が動くことで、
割とちゃんと運転しているように見えるのが、
凄いのと同時に、微妙に腹が立ちます笑。
これぞ舞台マジック。
ちなみに私は通り過ぎた牧場の牛が好きです。
息上がってるのがツボりました。頑張れ。

でも、ウースターの梯子のところなんかは
なかなかにアクロバティックで
チープではあるんだけれど、
見応えはかなりあります。

というよりも、あえてチープに見せて
それを利用して笑いを作り出しているだけで、
よくよく見るとなかなかにしっかりしてます。
コンパクトでアットホームなミュージカル、
って感じでした。『オペラ座の怪人』と大違い。
もしも、あのくらいの大劇場でやるなら、
もっと世界観作り上げるために、
別のことをやんなきゃダメかも知れません。
もっと勢いをつけて観客を巻き込んだり、とか。
でも今回は、セリフの部分が多いから、
オペラスタイルと同じようには行かなそう...。
難しそうですね。かなり。
ちょっと大劇場版でも観てみたいです。

ただ、誰も傷つかない喜劇なので、
このぐらいのサイズ感が
個人的には素敵だと思います。
誰も全く傷つかないレベルってことは
腹のよじれる大爆笑とまでは
あんまりならないので、
このくらい、いい感じに緩くて、
役者と観客の間の反応のやり取りが
しっかりとある暖かい雰囲気の中でやることで
心から安心して笑えると感じました。

...下手に準備不足で大劇場でやったら
お遊戯会的にもなりかねないので...。
(まあ話の内容としては劇中劇なので
いいっちゃあいいんですが、流石に
お遊戯会に高いお金は払えない...)

それにしても主人を弄る賢い部下って
いつまで経っても面白いと思います。
狂言とかでもよくあるし。
...そういう意味では狂言すごいな...。
能楽って括りでは日本のミュージカルなので、
ちょっと似てるのかもしれないです。

のらりくらりと、でもテキパキと
舞台を演出してきたジーヴスが
カーテンコールの部分で
はっちゃけるのが大変に可愛いかったので、
図書館あいたら原作読んでみようと思います。
多分原作を読んだ方からすると、
ドラえもん辺りがミュージカル化された
みたいな気分なのかな。
イギリスだと、ホームズシリーズと両肩並べて
人気の小説だそうなので...。
シャーロック・ホームズは『緋色の研究』で
ギブアップしたんですけど(探偵小説無理)
これなら楽しくて読めそうです。
早く図書館開かないかな。
緊急事態宣言が終わったら貸出くらいは
してくれると期待しています。