感想日記

演劇とかの感想を書きなぐってます。ネタバレはしまくってるのでぜひ気をつけてください。

戯曲が好みじゃなかったけどそばかすちゃんは最高にかわいかった『海王星』

2021/12/21
PARCO劇場 14:00

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去年観た演劇の感想を、年度末までになんとかしよう第3弾です。

 

第2弾はこれ☟

monsa-sm.hatenablog.com

 

ほとんどタイトルに書いてある通りなので、サラっとまとめてしまおうかと思います。

あと正直、覚えていないというのもある…。

 

そういえば弘前での公演も無事に終わってたみたいです。

一応、寺山修司の出生地らしいので(紺屋町)、それで行ったのかなあ…。

本人(というか母?)は、「電車の中で産まれた」説が気にってたみたいなので、どれだけ寺山修司弘前に思い入れがあったのかは謎だけど、これを機に東京とかでやる演劇の地方公演が、弘前にもガンガン行くようになればいいなあ、と個人的に思います。

 

 

公式とゲネプロの映像

stage.parco.jp

 

www.youtube.com

 

あと、戯曲は寺山修司の戯曲――9』思潮社、1987)で普通に読めます。

なぜか弘前の図書館にはなかったけど。ほんとになぜ。

 

話があんまり好みじゃなかった

息子が、お父さんと結婚するはずだった女性と恋仲になって、色々あってお父さんが女性と心中しようとしたんだけど、女性が飲むはずだった毒入り酒を息子が飲んじゃって、父と息子が仲良く死んじゃった、という話です(雑)。

 

息子視点からは、お母さんになる人と恋に落ちたことになります。

「寺山…!!また『お母さん』か…!!マザコンもたいがいにしやがれ…!!」という暴言が観劇中に頭の中で巡ったのは、きっと秋学期に寺山修司の映画作品についての発表にてこずっていたからです。私は悪くない。

あと義理の母と息子モノだと、どうしても身毒丸の方がちらついてしまう。

 

出だしから、「お父さんが死んで(実は生きてるけど)マジ落ち込んでる息子」だったのでハムレットかよ、と思っていたら、父と息子で同じ女性に入れ込むので、なにこれ今度はオイディプス王派生版なの??みたいな感じで、古典作品が妙にちらついてしまいました。

ヴィーナス像みたいな舞台美術あったけど、ギリシア関連だろうか…。

 

あと個人的にこういう感傷的な恋愛物語が苦手というのもあって、いまいち話自体に集中もできなかったです。

最後にある、毒薬の入ったグラス(観客だけがそのことを知っている)が一旦テーブルに置かれてからの、「誰がこのグラスの酒をあおるんだ…?」というサスペンスは、意外とドキドキして面白かったんだけど…。

 

それと、「歌謡ショーでも観に来たんだろうか…」と錯覚するぐらいの、長くも短くもない微妙な長さの歌…。

 

俳優さんと演出と演奏はかなり良かったのに…。

あとダンスもなかなか良かったのに…。特にラストにある「毒薬の踊り」なんて、個人的にはもう少しぶっちゃけてもいいなあとは思ったけど、めちゃくちゃカッコ良かったのに…。

息子に惚れてる那美さんが嫉妬の中で歌って踊るんですけど「ああ毒薬よ/あの女を殺すグラスの中のみずうみよ/おまえは/あんまり美しくては いや!/あんまり澄んでては いや!」っていう歌詞も結構好きでした。綺麗だけど甲高い声も良き。

 

なんか、同じ顔触れで違う作品を上演しているのが観たいです…。

 

あ、三文オペラとかどう???めっちゃ観たい!!(私利私欲)

 

でも部分的にいいなと思う言葉はあった

さすが寺山…、というか。

 

人生は

人生は

息子と二人で挽くコーヒー挽き機械だ

さみしい音だが、匂いはいい

 

って歌詞は結構いいなあと思いました。特に最後の行とか。よくないですか??

 

あと最後、息子も父も死んじゃってから、魔子さん(2人に惚れられた女性)が

 

可愛そうな、猛夫さん!

可愛そうな弥平さん!

そして、可愛そうな、あたし……

 

って言い放った時は、「たしかに魔性の子かもしれない……」と思いました。たぶんこういうこと言える人なら、好きな人(息子の方)死んだぐらいじゃへこたれない気がする。どんどん強く生きてください。

 

それにしても寺山修司の作品に出てくる、いわゆる「普通」っぽい男性ってどうしてこうも頼りないんだ…。

 

そばかす(清水くるみさん)ちゃん大優勝

ユースケ・サンタマリアさんが飄々と演じる、息子への愛をこじらせてる系のお父さんも好きだったんですけど、圧倒的な可愛さだったそばかすちゃんが大優勝でした。

 

少女の魅力を詰め込んだみたいな小悪魔的かわいさ…。

頭が回って、傲慢で、それできゃぴきゃぴしてるのが最高に良い…。

スカートを他の子より3センチ短くしてるとか謎のこだわりもかわいい…。

 

もうそばかすちゃんが主役なんじゃないかと思うぐらいの求心力でした。

私もお金巻き上げられたいです。

 

演出が面白かったから辛うじて観られた気がする

集団の処理とかが観やすくて、でもちょっとグロテスクな感じもあって、「あ~なんか今アングラっぽいの観てる~!」って感じがして、結構好きでした。

ロックな感じの音楽も好き。テンション上がる。

 

ただ、魔子の衣裳の赤色と、バルコニーみたいなとこの真ん中でギターを弾いている人のギターの色がめちゃくちゃ同じ色に見えて、ちょっと気が散りました。

魔子が舞台上に出てくると一緒に認識してしまうというか…。

舞台上に出てくる他に目立った赤色って、あとは薔薇(魔子と息子の猛夫の関係を象徴)しかないので、余計になんだったんだろう…、という感じです。

 

白状すると1幕は寝たけど2幕は結構面白かった

戯曲で読むと1時間ぐらいでサラっと読めちゃうんですが、3幕構成だったので、「長えなあ…」と思っていたんですが、上演だと2幕でコンパクト気味になっていたので、観やすかったです。

 

でもやっぱり何回読んでも、戯曲自体があんまりハマらないな…。うん…。

これはもう好みの問題だからしょうがない…。